若松謙維の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
令和五年度の所得税法等の一部を改正する法律案について、自民、公明を代表して質問をいたします。
初めに、今回のトルコ南東部を震源とする地震では、平成二十三年に起きた東日本大震災の三倍に及ぶ死者が出ており、他人事ではありません。衷心より哀悼の意と、心からのお見舞いを申し上げます。政府に対しては、大震災時にいただいた支援の恩返しも含めて、最大の支援を求めて、質問に入ります。
我が国では、近年、冬の大雪、雨季の大雨、台風の大型化と上陸回数の増加、巨大地震、噴火のリスク等、災害列島と言われる日本国内の災害による被害へのきめ細やかな対応が求められます。
公明党は、以前から、被害が甚大で広範囲の地域生活基盤が著しく損なわれた場合、被災前の生活に戻るには時間を要するため、災害損失控除期間の延長等を強く要望してきました。その結果、今回の個人所得税改正において、特定非常災害特別措置法上の特定非常災害による家財の損失又は事業損失の繰越控除期間を三年から五年に延長する措置が講じられました。これは、自ら被災された東北税理士会会員が当時のデータを収集し、三年間では控除できない被災者が大勢いる実態が明らかになる等、関係者の粘り強い要望の結果、今回の措置に至ったと考えています。
今後は、周知徹底と併せて、災害で生じた新たな課題には真摯に対応すべきと考えますが、財務大臣のお考えはいかがでしょうか。
次に、NISAの抜本的拡充、恒久化についてお尋ねします。
我が国は、二千兆円に及ぶ個人金融資産の五割以上が預金資産となっており、他の先進国と比べ貯蓄比率が著しく高く、経済成長の果実が資産形成につながる環境にはなっていないため、国内消費が弱い原因と言われてきました。今回、若年期から高齢期に至るまで、長期・積立・分散投資による継続的な資産形成が行えるよう、非課税保有期間を無期限化するとともに、口座開設期間について期限を設けず、NISA制度を恒久的な措置とすることは、安定的な資産形成を進めることが期待でき、評価できます。
これらの措置により、資産所得倍増プラン実現に向けた貯蓄から投資の流れが加速され、中間層の資産形成に寄与していくものと期待できますが、期待する姿はどのようなもので、かつ、どのように実現していくのか、金融担当大臣にお尋ねします。
日本の企業はIPOに偏重し、上場後に成長が鈍化する傾向があり、時価総額一千億円以上のユニコーン企業の数が著しく少ないのが実態です。このため、日本経済の成長エンジン役としてのスタートアップ企業の成長を促すためには、創業、事業展開、出口の各段階を通じたインセンティブとして、スタートアップエコシステムを抜本強化するための再投資に対する非課税措置が創設されることは大変重要です。
さらに、MアンドAを促進し、スタートアップが既存企業の資金や人材の経営資源を積極的に活用する企業経営者の意識改革も必要であると考えます。
政府として、スタートアップエコシステムをどのように取り組んでいくのか、スタートアップ担当大臣にお尋ねします。
経済と環境の好循環の実現も大事です。税制改正においては、約五百五十万人の雇用を持ち、日本の基幹産業である自動車産業に対して車体課税の見直しが一部行われました。しかし、今後の自動車関係諸税の見直しについては、二〇五〇年カーボンニュートラル目標実現に向け、CASEに代表される環境変化に対応するためのインフラの維持管理、機能強化の必要性を踏まえながら、国、地方を通じた財源の安定確保と、受益と負担の関係を含め、中長期的な視点に立って検討を行わなければなりません。
電気自動車等の普及や市場の活性化を進める観点から、次のエコカー減税の期限到来時までにどのように検討を進めるのか、国土交通大臣に伺います。
私たち与党は、中小企業の事務負担軽減に尽力してきました。消費税の複数税率制度の下で、令和五年十月に施行される消費税の適格請求書等保存方式、インボイス制度については、インボイス発行事業者の登録申請件数が令和四年十一月末で約二百万者が対象となります。そして、これまで免税事業者であった者がインボイス発行事業者を選択する場合に、納税額を売上税額の二割に軽減する三か年の激変緩和措置は、簡易課税制度適用の場合と比べ、更に事務負担が軽減されることになり、大変評価されます。この二割軽減策を導入するに至った経緯と、現時点の登録申請件数についてお尋ねをいたします。
また、課税売上高が一億円以下である事業者については、インボイス制度の施行から六年間、一万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存がなくても帳簿のみで仕入れ税額控除が可能となりますが、令和五年十月のインボイス制度移行後においては、登録事業者の事務処理の不慣れも予想されることから、国税当局の納税者に寄り添った対応が求められています。
この二点について、財務大臣に伺います。
私たち与党は、記帳水準の向上と帳簿等の税務関係書類の電子化にはIT導入補助金の拡充等を通じて積極的に推進してきました。しかし、現在でも、小規模事業者の半数以上が帳簿を手書きで作成し、個人事業者の場合、正規の簿記の原則、いわゆる複式簿記による記帳をしている者は約三割にとどまっています。近年普及している会計ソフトを活用し、小規模事業者でも簡易にできる環境整備を進めるため、今後どのように取り組んでいくのか、また、令和六年一月一日以降に法定申告期限が到来する国税について適用される電子帳簿等保存制度の見直しについては、システム対応が間に合わなかったことに相当の理由がある事業者に対する新たな猶予措置をどのように講じていくのか、財務大臣に伺います。
現在、固定資産税の申告は、法人税申告では決算日、固定資産税では一月一日と、二度手間となっており、大変な事務負担が強いられています。今後、e―TaxとeLTAXのデータ連携を行い、一度で申告ができるような工夫が必要といった要望があります。この点についてどのようにお考えか、財務大臣、総務大臣に伺います。
最後に、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置についてお尋ねします。
税制改正大綱に、令和九年度において、法人税、所得税、たばこ税から一兆円強を確保する旨の記載があります。昨年末に岸田総理が指示した防衛力強化税制は、国民負担を求める以上、国民の十分な理解を得なければならず、その議論のための時間を確保したことは妥当と考えます。
その施行時期は令和六年以降とありますが、現下の新型コロナ感染症が平時の対応となり、物価高を超える賃上げ環境ができるまでは慎重に施行時期を検討すべきと考えます。
今後、施行時期も含め、どのように国民に説明していくのか、財務大臣にお伺いし、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕