大塚耕平の発言 (本会議)
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○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
ただいま議題となりました所得税法等改正案について、会派を代表して財務大臣に質問させていただきます。
税制は国の骨格です。国が抱える構造問題を改善、解決するとともに、目指すべき方向へ誘導するのが税制の役割です。そうした観点から質問させていただきます。
税制に関連して、最初にデフレに対する政府の認識を伺います。
退任する黒田日銀総裁の異次元緩和政策及びそれを支持した経済学者等の主張の背景には、デフレは金融現象であり、金融緩和で解決できるとの論理が通底していました。
元々、デフレの原因は、金融現象の影響、実体経済の影響、心理面の影響の三つの角度から議論されていました。
黒田日銀の壮大な社会実験は、金融現象なのだから思い切った金融緩和を二年程度断行すれば解決するという論理でした。しかし、十年を経た結果、デフレは金融現象ではない、あるいは金融緩和だけでは解決しないことが明らかになったと言えますが、黒田日銀の十年間に対する評価とデフレの原因についての認識を伺います。
実験結果を得るために払った代償は大きく、異次元緩和の十年の間に、他の要因も相まって、我が国の経済や社会は多くの構造問題を抱えました。
第一に、コスト偏重思考の海外進出の結果、国内生産の輸出品が減少し、貿易収支は赤字化し、経常収支は第一次所得収支で支えられる構造になりました。
第二に、第一の変化の結果、サプライチェーンと原燃料、エネルギー、食料等の海外依存傾向が強まり、安全保障上深刻な問題を抱えた国家構造が極まりました。
第三に、二〇〇〇年代後半までは、日本の企業、産業、経済に対する期待から円高傾向が続いていましたが、以後は円安傾向となり、異次元緩和も相まって、一昨年来、単なる円安ではなく日本売りの様相を呈しています。
第四に、その間に技術革新が加速し、新興企業をめぐる世界の勢力図が激変。流れに取り残された日本の生産性低迷は異次元緩和下で固定化しました。
第五に、第四の結果として諸外国の所得水準が上昇した一方で、日本は停滞。勤労者や消費者の可処分所得は増えず、実体経済低迷を深刻化しました。
以上の第一から第五の構造を改善するための工夫が今回の税制改正の内容にどのように盛り込まれているか、伺います。
第六に、異次元緩和によって日銀が国債を大量購入し、事実上の財政ファイナンス状態が構造化しました。この構造をどのように認識し、今後どうしようと考えているのか、伺います。
以上のように、異次元緩和等の影響から構造問題が極まった中で、国民民主党は、選択可能な政策的工夫として、日銀保有国債を一部永久国債化して財源確保を図る一方、ETF、REIT等を計画的に売却し、成長戦略と出口戦略を両立させ、確保した財源で人材育成、技術開発、産業支援、防衛強化等、喫緊の課題に迅速に充当することが不可欠と考え、税制改正においても、そうした対応を促す内容、すなわち、一例を挙げれば設備投資に対するハイパー償却税制等を提案しています。
ただいま申し上げました国民民主党の政策パッケージについて、所見を伺います。
以下、国民民主党が昨年末にまとめた提言書、令和五年度税制改正と財源についての内容に沿って何点か伺います。
新生児出生数が八十万人割れとなりました。少子化対策は我が国の命運を握ります。現役世代の出産、子育て、教育負担軽減に資する税制改正が必要です。
児童手当の所得制限変更に伴う年少扶養控除復活、ベビーシッター料、保育料、塾代、下宿代、授業料等、子供に係る諸経費の所得控除制度創設、子供の養育に関わる扶養控除引上げ等の対応が必要です。これらの内容に関連して、今回の税制改正案ではどのような工夫がなされているか、伺います。
N分N乗方式等、多子世帯ほど納税負担が軽くなる制度の導入が必要です。N分N乗方式に関する認識及び今回の税制改正案では多子世帯に対する配慮、工夫がどのように行われているか、伺います。
国民民主党は、子供に関する政策、制度における所得制限は合理性に欠けると考え、累次にわたり所得制限撤廃法案を提出しています。税制を含め、子供に関する政策、制度に所得制限を設けている根拠、政府としての考え方を伺います。
現役世代の負担軽減のため、勤務先が提供する諸手当の非課税限度額引上げ、単身赴任者帰省旅費、住宅費等の非課税化等も必要です。これらに対する認識及び今回の税制改正案における工夫を伺います。
国民民主党は、一昨年来、老後の資金不足問題や格差固定化防止等を踏まえ、つみたてNISA等の拡大を提言してきました。今次法案に盛り込まれ、制度の恒久化も目指していることは評価します。
ただし、NISA利用が特定層に偏る傾向があることの是正、勤労者の安定的将来設計及び長期投資による産業育成等の観点から、一般型と積立型のバランスは少なくとも同額、あるいは積立型が一般型を上回ることが望ましいと考えます。税制改正案では逆に一般型が積立型を上回っていることの理由及びただいま申し上げた提案に対する認識を伺います。
また、投資額自体が所得控除されていないために、米国四〇一k等に比べて投資インセンティブが高まりません。格差拡大抑止と平均的勤労者世帯の投資インセンティブ向上のため、一定所得以下の場合、NISA投資額の所得控除制度を導入すべきと考えますが、認識を伺います。
いわゆる一億円の壁是正のために年三十億円超の最低負担率導入を決めたことは格差是正の観点から一歩前進ですが、一億円から三十億円の階層を放置した理由及び当該層に一億円未満層の負担率二七%よりも若干高い税率、例えば一〇%を加算した率を賦課する提案について認識を伺います。
インボイス制度導入による混乱に配慮し、納税額二割特例、売上高一億円以下・商品一万円未満特例等の工夫を講じるとしていますが、そうした対応自身が制度の不合理性を象徴しています。
その原因は複数税率に起因します。国民民主党は、税率五%への引下げ、単一税率化を目指すとともに、インボイス制度の凍結、中止、少なくとも開始延期及び改正電帳法の適用延期を訴えてきました。改正電帳法の宥恕措置が延長されたことは評価しますが、延長はいつまでか、お答えください。
完全適用された場合、多くの事業者、税理士等がシステムベンダーを介してクラウドにデータを保存するものと想定されますが、そのクラウドが外国企業提供の場合は経済安全保障上の懸念があります。経済安保及びITセキュリティーの観点から、日本独自のクラウドを創設し、宥恕解除時には当該クラウドの使用を法定すべきと考えますが、認識を伺います。
最後に、自動車税制について伺います。
走行距離課税やEV等に対するモーター出力課税等は、エコカー普及阻害、脱炭素化逆行等、多くの問題を内包しています。また、現行の自動車重課税化は景気に対してマイナスです。これらに関する認識を伺います。
国民や産業及び技術革新にとって必需品である自動車に対する減税は、景気対策、脱炭素、産業振興の観点から一石三鳥です。自動車減税に関する今次法案における工夫及び令和六年度以降の方針を伺います。
税制は国の骨格です。日本の経済や社会が構造問題を抱えているとすれば、それは骨格がゆがんでいるからにほかなりません。国民民主党は、問題を正直に認識し、偏らない、現実的な税制を目指すことを申し上げ、代表質問といたします。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕