岩渕友の発言 (本会議)
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○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等改正案について質問します。
冒頭、政治的公平性に関わる放送法の解釈変更に政治的な圧力が掛けられていたとされる内部文書をめぐる問題で質問します。
昨日、松本総務大臣は、行政文書であることを認めました。当時総務大臣だった高市氏は、内部文書を捏造だとし、これが捏造の文書でなければ大臣も議員も辞めるとの考えを答弁しました。高市大臣、自らの言明に従って、大臣も議員も辞職すべきです。いかがですか。
この問題は、放送事業者の自律性や報道の自由に関わる重大な問題です。高市氏始め関係者の調査と徹底した真相究明を行うべきです。総務大臣の答弁を求めます。国会として、究明のために、礒崎元首相補佐官の証人喚問を求めるものです。
生活必需品の相次ぐ値上げが家計を直撃しています。帝国データバンクの調査では、食料品の値上げが三月は三千品目を超え、八月にも累計二万品目を超える可能性が指摘されています。
生活必需品は、所得が低いほど消費支出に占める割合が高くなります。際限のない値上げが低所得、中所得の家計を圧迫し、貧困の拡大が懸念されています。岸田政権は、分厚い中間層の再構築と言いますが、進んでいることは真逆の方向ではありませんか。
家計への深刻な打撃を回復するために最も有効な方法は消費税の減税です。幅広い所得層の家計を底上げし、貧困と格差の是正、経済の立て直しを進めるために、今こそ消費税の減税に踏み切るべきではありませんか。
以上、財務大臣に伺います。
電気料金の高騰が家計や事業所に重い負担となっています。一か月の請求が十万円超え、とても払えないという訴えや、年間数千万円の負担増という病院など、国民の命、経済全体への影響は深刻です。前例のない思い切った対策というのであれば、政府の責任で電気料金を実質負担増にならない水準まで引き下げる、負担抑制の追加策を直ちに行うべきではありませんか。
日本のエネルギー自給率は僅か一〇%です。石炭や天然ガスなど輸入化石燃料に依存し、この十一年で原発に二十三・五兆円もつぎ込んできたことが電気料金を底上げしています。諸外国のように、エネルギー危機への対策として、省エネと再生可能エネルギー導入を抜本的に強化することこそ必要ではありませんか。
以上、経産大臣の答弁を求めます。
以下、鈴木大臣に伺います。
十月に迫ったインボイス制度導入による影響は、小規模零細事業者、農家や一人親方、個人タクシーなど幅広く、中止を求める声が広がっています。インボイスの中止、延期などを求める自治体の意見書は、昨年末で三百八十九に上っています。
アニメ業界、声優業界で働くフリーランスを対象にした調査では、インボイス制度で四人に一人が廃業するかもしれないと回答しています。アニメーターも声優も年収三百万円以下という方が多く、免税事業者のままでは取引から排除されかねず、課税業者になれば一か月分の収入が消費税に消えることになり、実質的な増税となります。本法案の激変緩和措置は期限付であり、問題の解決にはなりません。中止を決断するべきではありませんか。
物価上昇を上回る賃上げ、雇用の七割を占める中小・小規模事業者の賃上げが重要です。帝国データバンクが一月に行った調査では、二〇二三年度に賃金改善があると見込む企業は全体で五六・五%です。ところが、従業員五人以下の事業所ではその割合は三九・六%に下がり、しかも、三社に一社が賃上げを実施しないと回答しています。
日本共産党は、アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適切に課税し、中小企業への賃上げに回すこと、賃上げに応じて社会保険料を軽減する制度や賃上げへの助成制度を提案しています。こうした手厚い賃上げ支援策が必要ではありませんか。
岸田総理は、一昨年の総裁選で一億円の壁の打破を掲げました。しかし、本法案は、所得三十億円以上のごく少数の高額所得者に対し、僅かに税率を上げるという極めて不十分なものです。金融所得への低い税率には指一本触れていません。その理由について総理は、二言目には、市場への配慮、マーケットへの影響を口にしますが、重要なのは、一時的な株価の動きではなく実体経済の底上げです。できない理由を挙げるのではなく、金融所得への低い税率を引き上げるべきではありませんか。
少額投資非課税制度、NISAの拡充も問題です。本法案では、一人当たりの投資上限額を千八百万円に引き上げ、生涯非課税とします。現在の制度と併せて、五年後には夫婦で四千八十万円までの投資が可能になります。これだけの資金を株や投資信託に投資できるのは、ごく一部の富裕層クラスです。資産家にまで減税を行うのは制度の趣旨に反するものであり、なぜここまでの減税が必要なのか、納得のいく答弁を求めます。
岸田政権の資産所得倍増プランでは、NISAの購入額を五年間で二十八兆円から五十六兆円に倍増させるとしています。金融庁のパンフレットでは、老後のための費用など、まとまったお金が必要になるとして投資を呼びかけています。岸田政権の下で、年金は目減りし、医療・介護の負担は増えるばかりです。将来への不安をあおりながら、老後の資金は投資で稼げというのは、公的責任を投げ捨てて、国民に自己責任を押し付ける新自由主義そのものです。これが岸田政権の言う新しい資本主義なのですか。お答えください。
一方、投資をめぐるトラブルが急増しています。詐欺的な投資勧誘による被害は五千件を超え、五年前の十倍以上になっています。若者の被害も深刻です。二十代の女性が投資トラブルに巻き込まれ、自ら命を絶つところまで追い詰められるという痛ましい事件も起きています。対策の抜本的な強化が必要ではありませんか。
税の申告の在り方について一言述べます。戦前の税制は、政府が決めた金額を納めさせるものでしたが、戦後、日本国憲法の下で、主権者国民が税金を自主的に計算し、申告し、納税することを通じて政治参加することを理念とする申告納税制度になりました。納税者同士が税金について学び、教え合う自主申告運動は、税について、誰もが相談に乗り、意見を交換することであり、当然の権利であるとともに尊重されるべきです。
岸田政権は、五年間で四十三兆円もの大軍拡を進めるとしています。その財源を賄うために、防衛省の予算とは別に、防衛力強化資金を創設し、国立病院などの積立金やコロナ対策事業の残金、東日本大震災復興のための復興特別所得税の一部を流用し、期間の延長で増税するなど、とんでもないことです。
さらに、岸田政権は、戦後初めて自衛隊の艦船など軍事目的で四千三百四十三億円の建設国債を発行しようとしています。戦時国債を発行して侵略戦争に突き進んでいった歴史の教訓を踏まえ、財政法四条は、公共事業費、出資金、貸付金を除き国債発行を禁じています。一九六六年、当時の福田赳夫大蔵大臣は答弁で、防衛費は消耗的な性格を持つため、施設も含めて公共事業費には含まれず、建設国債の対象とはならないという厳格な歯止めを示しました。この一線を越えてしまえば軍事費が拡大することは必至であり、戦前の反省からも、平和憲法の趣旨からも、歯止めの撤廃は到底認められません。国会答弁との整合性をどう考えるのですか。
安全保障政策の大転換、大軍拡と大増税の撤回を求め、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕