斉藤鉄夫の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(斉藤鉄夫君) 三上えり議員にお答えいたします。
 まず、元国土交通事務次官に関する事案についてお尋ねがありました。
 国家公務員OBは再就職のあっせん規制の対象外ですが、国土交通省が民間企業の役員人事に関与しているという誤解を招きかねない発言があったという報道がなされたことから、私の指示の下、具体的かつ詳細な聞き取りを行ったところです。その結果、聞き取り前には報道されていなかった事実が判明するなど、事実関係を確認することができたと考えておりますが、現役職員の関与が疑われる事実は確認されませんでした。
 あわせて、国土交通省として関係する部門の幹部職員に対して確認を行いましたが、現役職員による空港施設株式会社への再就職のあっせん、OBから国土交通省に対する働きかけのいずれについても確認されませんでした。
 このような経緯を踏まえ、国土交通省としては、再就職等監視委員会への報告を行う予定はございません。
 地域公共交通を取り巻く現状と支援の状況、成果についてお尋ねがありました。
 地域公共交通は、従前より、人口減少や少子化、マイカー利用の普及やライフスタイルの変化等による長期的な需要減により、多くの事業者が厳しい状況にあるものと認識しております。
 国土交通省としては、これまで、地域公共交通活性化再生法に基づき、自治体が中心となりその維持等に向けた取組を進めてきたほか、国においても必要な予算を確保してきたところです。また、昨今の新型コロナの影響を踏まえ、運行維持や感染防止対策について、これまでにない手厚い支援を行ってきたところです。
 国土交通省としては、これらの取組により、地域公共交通の維持等に向けて適切に役割を果たしてきたものと認識しています。
 次に、地域公共交通の経営環境の見通し、地域の関係者の取組の方向性、関係者の連携と協働による再構築についてお尋ねがありました。
 地域公共交通は、長期的な需要減に加え、新型コロナの影響等により、一気に十年以上時間が進んだとの見方もあるほど深刻な状況にあり、このまま放置すると更なる悪化が懸念されます。こうした状況は交通事業者の経営努力のみでは避けられないため、地域の関係者が連携、協働する必要があることに留意し、地域公共交通の維持、活性化に取り組んでいくことが重要と認識しております。
 再構築の具体的な姿としては、国が関与しつつ、自治体、交通事業者、福祉、教育などの幅広い関係者が連携、協働した取組を想定しており、その効果としては、地域公共交通の利便性、持続可能性、生産性が高まることを期待しています。
 国としては、これらを促進するため、今般の予算において、連携、協働の促進に力点を置いて、総額約千三百億円を確保するとともに、今般の改正法案においても連携、協働を明確に位置付けているところです。
 次に、今般の改正法案の検討に当たっての地域の関係者の意見の反映についてお尋ねがありました。
 今般の改正法案は、国土交通省に設置した有識者検討会や交通政策審議会において、自治体、交通事業者など地域の関係者からヒアリングを行うなど、地域の意見も丁寧にお聞きしながら検討を進めてまいりました。今後の予算、法律の執行に当たっても、地域の関係者の声を丁寧に聞きながら、地域の実情に合わせた取組が進むように取り組んでまいります。
 次に、再構築協議会を設置するに至った背景や既存の法定協議会等との関係についてお尋ねがありました。
 一部のローカル鉄道では、鉄道事業者のみの努力で地域公共交通としての機能を維持していくことが難しい状況にあることから、既に、複数の地域において、現行法に基づく法定協議会等を活用して、町づくり等と連携した鉄道再生の事例が見られるところです。他方、鉄道は、一般的に広域的な交通ネットワークを形成しており、多くの関係者にまたがる調整が必要となることなどから、自治体主導の協議が立ち上がらない実態も見られます。
 今般の改正法案においては、自治体主導の既存の法定協議会等を原則としつつ、関係者の連携、協働が急務である場合には、関係者の要請を受けて国が再構築協議会を設置できることとしたものです。
 次に、再構築協議会の対象線区の考え方やJRの上場四社に関する大臣指針との関係等についてお尋ねがありました。
 どのような線区を対象に再構築協議会を開催するかについての具体的な考え方や基準については、昨年七月の地域モビリティ検討会の提言に盛り込まれた考え方を中心に一定の目安を基本方針に盛り込んでいくこととしております。
 また、JRの線区についても再構築協議会の議論の対象となり得ますが、JRの上場四社については、JR会社法に基づく大臣指針に基づき、現に営業する路線を適切に維持するとともに、路線を廃止しようとするときは地域に対して事情の変化を十分に説明することとされており、このような大臣指針の考え方を前提として新たな制度を運用してまいります。こうした運用の方針についても基本方針に盛り込む予定でおります。
 次に、再構築の協議に当たって、国の役割と鉄道事業者及び自治体に求められる対応についてお尋ねがありました。
 今般の改正法案においては、国が再構築協議会を設置する際にはあらかじめ関係自治体の意見を聞かなければならないこととしております。また、協議会において、再構築方針は自治体を含む関係者の協議が調うことが前提であり、地域の了解なく廃止の方針が決定されることはありません。
 国としては、こうした制度的担保を自治体にしっかり説明し、中立的な立場を堅持しながら、ファクトとデータに基づき議論を進めてまいります。そのため、調査事業や実証事業も活用して、鉄道事業者には必要な情報の開示を求め、自治体には客観的な議論を促すことなどにより、関係者間の信頼関係の構築を図ってまいります。
 次に、鉄道の上下分離に係る支援の方向性についてお尋ねがありました。
 上下分離方式の導入は、事業者の固定費負担の軽減のみならず、町づくり、観光等の自治体事業との連携拡大が期待できることから、ローカル鉄道の維持、高度化策として有効な選択肢になると考えております。
 今般の改正法案では、新たに国が再構築協議会を設置できることとし、事業者と自治体の連携、協働を促すとともに、予算面においても、社会資本整備総合交付金の活用により、上下分離方式の導入等を始め鉄道の維持、高度化に主体的に取り組む自治体への支援を可能にしたところです。こうした新たな支援等も活用しながら、自治体の意見、要望を丁寧に伺い、負担の軽減を図ってまいります。
 次に、地域の移動手段を守るという観点へのバランスを考慮した予算への転換についてお尋ねがありました。
 各分野の予算については、社会経済情勢や政策ニーズ等を踏まえ、適切に判断する必要があると考えています。地域公共交通については、長期的な需要減に加え、新型コロナの影響等により深刻な状況にあり、従来どおりの予算、法律では地域の課題に十分対応することが困難な状況にあります。
 このため、国としては、令和四年度補正予算及び令和五年度予算において、社会資本整備総合交付金等の新たな枠組みを含め総額約千三百億円を確保するなど、財政支援を強化し、実効性のある支援を講じています。国土交通省としては、今後とも、中長期的な視点も踏まえ、地域公共交通のリデザインを図るため、必要な予算をしっかり確保してまいります。
 次に、地域公共交通の再構築を進めるに当たっての体制整備についてお尋ねがありました。
 連携と協働を促進するためには、地域の実情を踏まえ、関係者間で協議して進めていくことが重要であるため、国土交通省としては、自治体の人材育成等を支援するとともに、地域に寄り添った支援ができるよう、自らの体制整備もしっかりと行ってまいります。
 具体的には、全国組織である強みを生かして全国の先進事例やノウハウを収集、提供するとともに、省内の研修の充実等により、地方運輸局等が各地域の困り事をしっかりと受け止められるようにしてまいります。また、町づくり、地域づくりと一体となった地域公共交通の再構築の取組が進むよう、地方運輸局と地方整備局との連携を一層深めるなど、必要な体制の整備に努めてまいります。
 最後に、公共交通の位置付け、国の関与を含めた方向性、地域公共交通の再構築に向けた決意についてお尋ねがありました。
 地域公共交通は、維持、活性化するに当たって民間の活力を生かすという考え方を前提としつつ、公共性の高いインフラとしての性格等を踏まえ、自治体を含む地域の多様な関係者の連携を強化することが重要であると位置付けており、この考え方に基づいて取組をしっかり進めてまいります。
 具体的には、今般の改正法案、予算などにおいて、国の関与の在り方を含め、政策ツールを大幅に強化したほか、地方財政措置など、自治体の負担軽減にも配慮しています。
 国としては、これまで御答弁した取組により、本年を地域公共交通再構築元年とすべく、地域に寄り添って全力で取り組んでいく決意です。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121115254X01420230412_005

発言者: 斉藤鉄夫

speaker_id: 16806

日付: 2023-04-12

院: 参議院

会議名: 本会議