斉藤鉄夫の発言 (本会議)

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○国務大臣(斉藤鉄夫君) 石井苗子議員にお答えいたします。
 まず、地域公共交通の利便性等の向上に向けた今後の取組と従来の取組との違いについてお尋ねがありました。
 地域公共交通が置かれた現在の厳しい状況を踏まえますと、地域公共交通をリデザインするためには、これまでよりも国の関与を強化するとともに、地域のより幅広い関係者が連携、協働する取組を継続的かつ全国的に展開することが必要と考えています。
 国土交通省においては、こうした取組を共に創る共創と呼び、予算面、制度面の拡充を図っています。具体的には、予算面では、社会資本整備総合交付金や、地域の幅広い関係者が連携、協働する取組への支援など、質、量共に大幅に拡充し、総額約千三百億円を確保しています。また、今般の改正法案においても、地域の関係者による連携、協働の促進を明確に位置付けており、こうした取組を通じて地域公共交通のリデザインを実現してまいります。
 再構築協議会での協議対象線区、協議期間、クロスセクター評価等の活用方針についてお尋ねがありました。
 昨年七月の地域モビリティ検討会の提言では、再構築協議会設置の一つの目安として、JR線区について輸送密度千人未満という考え方が示されました。また、同提言では、基幹的鉄道ネットワークを形成する、特急が走る線区、貨物列車が走る線区、そういう線区については、当面、再構築協議会の対象としないことが適当との考え方が示されたところであり、これらを踏まえて新たな制度を運用してまいります。
 また、協議期間については、同提言において、協議開始後三年以内という考え方が示されており、実際の運用においても、これを一つの目安として、できるだけ速やかに関係者の合意が調うよう、円滑な協議の進行に努めてまいります。
 ローカル鉄道の評価については、線区ごとの収支のみではなく、地域全体の中でその意義や役割を総合的に評価することが適当であり、その点でクロスセクター評価は有効な評価手法の一つと考えており、国としても、調査事業を活用しながら実施を促してまいります。
 以上のような考え方を地域公共交通活性化再生法に基づく基本方針に盛り込むこととしております。
 次に、バス等の運転手不足についてお尋ねがありました。
 国土交通省では、バス、タクシー業界における人材確保に向け、事業者からの運賃改定申請に迅速に対応して早期に賃上げを実現するとともに、事業者に快適で魅力的な職場環境の整備を促すなど、バス、タクシー運転手の職業としての魅力を高める取組を行っています。また、令和四年度補正予算において、二種免許の取得に対する支援など、事業者による人材確保、養成の取組を支援する制度を創設したところです。
 国土交通省としては、各事業者に対して、こうした制度を活用しながら今まで以上に効果的な採用活動に取り組むことを強く促すことなどにより、バス、タクシー業界における人材確保に向けてしっかりと取り組んでまいります。
 次に、地域の特性を生かした共創の実現のための専門家の養成についてお尋ねがありました。
 自治体においては、既に地域公共交通と町づくりとの連携など、知見の蓄積が進んでいると認識しておりますが、今般の改正法案による鉄道の再構築について知見を持つ自治体担当者は不足しており、その育成は重要な課題です。
 このため、セミナーの開催や国土交通大学校における研修等により、自治体の人材育成、確保を支援してまいります。また、学識経験者に参加を求めるとともに、日本全国の先進的な取組を紹介しつつ、地域の実情に応じてこれを活用してまいります。
 次に、JRローカル線区における上下分離方式の活用策と鉄道事業再構築事業における上下分離の在り方についてお尋ねがありました。
 今般の改正法案では、鉄道事業再構築事業の定義を見直し、大量輸送機関としての鉄道特性が発揮できない線区については黒字会社の線区であっても対象にすることとしており、本州三社を含むJRのローカル線区も対象になり得ます。
 JR会社法に基づく大臣指針においては、JR上場四社は現に営業する路線を適切に維持することとしておりますが、これには、新たな鉄道事業再構築事業を活用して自治体と連携、協働しながら維持を図っていくことも含まれると、このように考えております。
 また、ローカル鉄道の再構築においては、公設民営方式にとどまらず、地域や線区の状況に応じ、最適な事業構造を実現させることが重要と認識しております。地域鉄道事業者の中には、上下分離に際し、既存の鉄道事業者が鉄道用地、施設等を引き続き保有し、異業種から参入した別の事業者が運行を行うことで斬新な利用者サービスを提供し、効果を上げている例があります。
 国土交通省としては、最適な事業構造の実現が可能となるよう、今回の新たな制度の柔軟な運用に努めてまいります。
 次に、社会資本整備総合交付金の自治体への配分についてお尋ねがありました。
 社会資本整備総合交付金は、自治体が作成する社会資本総合整備計画に基づいて交付されるものであり、自治体の自由度が高く、創意工夫を生かせる制度です。その上で、地域公共交通再構築事業の配分については、人口に応じて行われるものではなく、地域の実情や要望、事業の必要性や緊急性等を勘案して適正に行うこととしています。
 このため、御指摘のような、政令市であることをもって多くの交付金が交付されることはないと認識しております。
 社会資本整備総合交付金だけで解決することは限定的ではないか、社会資本整備総合交付金だけで課題を解決することは限定的ではないかとのお尋ねがありました。
 地域公共交通のリデザインを進めるに当たっては、各地域が地域の実情を踏まえ、幅広い関係者が連携、協働して、社会資本整備に限らず、地域課題の解決に向けた取組を行うことが重要であると考えています。このため、今般の予算においても、御指摘の社会資本整備総合交付金だけでなく、交通事業者が幅広い関係者と連携して地域課題の解決を目指す取組の支援など、支援メニューを質、量共に強化しています。
 国土交通省としては、今般の改正法案や予算等において強化した政策ツールの活用に加え、関係省庁とも連携し、地域公共交通の課題解決を目指してまいります。
 最後に、協議運賃制度についてお尋ねがありました。
 今般の制度による運賃協議に当たっては、適切な運賃設定がなされるよう各地方運輸局長等が協議の場に参画することとされており、御指摘のような事態が生じないよう適切に対応してまいります。また、運賃の決定に当たっては、利用者への説明の機会を設けるなど、利用者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずることを求めています。加えて、協議により決定された運賃が特定の旅客に対して不当な差別的取扱いをするものである場合等には、関係法令に基づき運賃の変更命令を出すことができることとしています。
 国土交通省としては、御指摘のような懸念が生じることがないよう、協議運賃制度を適切に運用してまいります。
 以上です。(拍手)
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発言情報

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発言者: 斉藤鉄夫

speaker_id: 16806

日付: 2023-04-12

院: 参議院

会議名: 本会議