嘉田由紀子の発言 (本会議)
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○嘉田由紀子君 国民民主党・新緑風会の嘉田由紀子でございます。
ただいま議題となりました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して、国土交通大臣、総務大臣、また財務大臣に質問させていただきます。
本法律案につきましては、参議院予算委員会でも、地域公共交通のマクロな面、ミクロな面、両方から議論がなされました。
少し振り返りますと、三月二日の予算委員会では、国民民主党・新緑風会の舟山康江議員が地域公共交通を取り巻く厳しい現状を指摘し、岸田総理は、地域の関係者が連携、協働し、地域公共交通のリデザインを進め、地域の連携を国としてもしっかり後押ししていくと約束くださいました。
また、予算委員会では、京大名誉教授、富山大学特別研究教授の中川大氏が作られた資料を基に、舟山議員がEUと日本の公共交通政策の比較をなされ、道路整備予算と比較していかに日本の地域公共交通予算が軽視されてきたかということを示されました。日本が目先の採算性だけを強調して民間、地方に任せ過ぎたため、地方の公共交通がまさに負のスパイラルに陥っていると分析されています。これは皆さんの実感に近いことと思います。EUでは、交通を取り巻く福祉、教育あるいは環境問題など、社会全体の公益の最大化を目指して全体のネットワーク計画が作られ、利用者の増加を目指して成果を上げております。
斉藤鉄夫大臣は、新しい国土形成計画には、地域のローカル鉄道の維持など、地域公共交通とその団体と事業者、国が協議会の場をつくり、リデザインの場を設けてまいりますと答弁なされました。そのときに、これまでの国による財政支援についてはある意味で反省がございますと、反省というお言葉をお使いになられました。地方の立場からは大変心強く思っております。
そこで、質問一です。国土交通大臣にお聞きします。
地域公共交通ネットワーク構築に向けた財政支援の在り方に関する反省に基づき、財政支援を強化していくおつもりだと思いますが、その場合、どのような規模や期間を念頭に置かれているのでしょうか、基準となる考え方をお示しください。
また、予算委員会では、スイスと日本の公共交通分担率の比較が示されました。日本の公共交通分担率の低さは、私たちの実感に大変合うものでございます。人口が減少すると、どうしても地域の公共交通を維持することが難しくなります。しかし、スイスの場合には、公共交通が維持され、逆に小さな町の人口が維持される、これ、逆ではないんですね。田舎に住みたくても交通が不便だと転出せざるを得ないんです。ですから、人口減少が先ではない、公共交通を整備することが先だということです。
それで、質問二です。国土交通大臣にお聞きします。
快適で、誰もが安心して利用することができる地域公共交通ネットワークを国、自治体、地域や事業者が共に創り上げていく共創ができるよう、国としてどのような支援を行えるとお考えでしょうか。それぞれの役割分担に関するお考えと、国土交通省の御見解をお願いいたします。
一人の旅客を一キロメートル運ぶ際に、二酸化炭素の平均的な排出量の値を示すCO2排出原単位といいますが、二〇一九年のデータでは、鉄道を一とした場合、バスはその三・四倍になります。また、貨物鉄道輸送は、貨物列車一編成で最大で営業用十トントラック六十五台、つまり運転手六十五人分の貨物を運べます。トラックの運転手不足が今深刻な課題となっておりますが、鉄道は大量貨物輸送機関としても重要な役割を果たすものだと評価をしております。
そこで、質問三です。国土交通大臣にお聞きします。
グリーントランスフォーメーションの実現が今重要な政策課題となっております。日本の物流を支える重要な柱として鉄道貨物が果たす役割、どのように評価なさっておられるでしょうか。また、鉄道事業者が役割を果たすにはどのような支援が必要とお考えでしょうか。国土交通大臣の御見解をお示しください。
ここで、少し滋賀県のローカルな実践について紹介させていただきます。
一つ目は、信楽高原鉄道です。タヌキのあの信楽で有名な観光地でもありますが、実はここはかなり多重な苦悩を抱えた鉄道でございます。具体的には、一九九一年にJRと正面衝突の列車事故で四十二名もの方が亡くなられてしまいました。毎年五月十四日には県としても追悼慰霊祭をさせていただいております。
そして、私が知事になった二〇〇六年当時、十億円を超える補償費用が赤字で蓄積されておりました。加えて、過疎化による人口減少もあり、県と市で被災補償金の債権放棄を含む特定調停、言わば借金をチャラにするということです。同時に、鉄道は公有民営、全国で二番目の上下分離を実現いたしました。その際、国から鉄道事業再構築実施計画の支援をいただきました。
当時、県立の信楽高校の再編、縮小の計画がございましたが、鉄道利用者を増やすために、信楽焼のデザイン科を新しくつくって県外から高校生を呼び込むなど、教育、地域活性化、そして鉄道の経営改善、セットとする方針を知事として実行させていただきました。地元の甲賀市とも協力をしながら、結果的には、その後、朝ドラの「スカーレット」の誘致などもございまして、かなりの黒字化を達成をしました。
しかし、コロナの影響もあり、令和二年度以降は赤字に転落し、現在の鉄道事業再建等実施計画もこの三月三十一日をもって計画が終了しました。今後も国からの継続的な支援をいただくことができるか、課題となっております。
また、二つ目は近江鉄道です。明治時代、近江商人たちが自分たちで多賀大社と伊勢神宮を結ぶ御代参街道沿いに百二十五年の歴史ある鉄道を造りました。長い間、地域住民の足となっていましたが、近年の経営難の中で、沿線の十市町と県が一緒になって議論をしてマスタープランを作り、近江鉄道沿線地域公共交通計画を作り、ちょうど令和五年、今年と来年、計画の内実を作っていく予定です。ここも上下分離にいたしまして、市町が第三種鉄道事業者となり保有管理、そして近江鉄道株式会社は第二種鉄道事業者として具体的な運営を行うという方向でございます。
しかし、経営形態としては様々な困難がございます。具体的には、事業資産の取得、保有、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税など税制の問題がございます。この鉄道事業の再構築については、持続可能な鉄道として再生を図るため、地元は本当に努力をしております。
そこで、質問四です。国土交通大臣にお聞きします。
上下分離を採用し、地方自治体等が第三種鉄道事業者となった場合、輸送の安全の確保、鉄道施設の保有、管理には不安も伴います。国による人的あるいは物的支援が求められます。国土交通大臣の見解をお示しください。
また、滋賀県では、地域公共交通ネットワークの維持のための財源として、三日月大造知事が全国で初めて自治体としての交通税を提案しております。今後、県民や県議会での議論がなされることとなりますが、三日月知事は、去年の七月に三期目の知事選挙に臨むに当たってマニフェストに交通税を入れました。選挙の中で住民の負担増を表明することは大変決意の要ることです。
そこで、質問五です。総務大臣にお聞きします。
地域公共交通ネットワークを維持するための財源確保に向けて行われている自治体や事業者、地域の皆様の努力に対して、国としてどのような支援を行っていくお考えでしょうか。
また、これは最後の質問です。財務大臣にお伺いします。
地域公共交通ネットワークを全国的に維持するため、国民一人一人が広く浅く負担をするというような税制を導入することは考えられませんでしょうか。財務大臣の御見解をお聞きしたいのですが、本日外遊中ということでございますので、議事録に残すために代理でお願いしたいと思います。
以上六点の質問とさせていただきますが、それぞれ明確で分かりやすい御答弁をお願いいたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕