田島麻衣子の発言 (本会議)

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○田島麻衣子君 立憲民主・社民の田島麻衣子です。
 ただいま議題となりました政府提出の脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案、いわゆるGX推進法案について、会派を代表して質問をいたします。
 GXは、百年に一度起こるエネルギー政策の抜本的な転換であると専門家が述べるように、今後の日本の将来に大きな影響を及ぼす重要課題の一つです。この取組の巧拙は、日本の未来のエネルギー価格を左右し、産業競争力を左右し、また地球規模課題の解決に対する姿勢を問うと言っても過言ではありません。ですから、今回、この法案の提出により政府のGXへの取組が一歩前進したことは、一定の評価に値すると考えます。
 しかし、なぜ二〇二三年の提出まで提出がなされなかったのでしょうか。今回のGX推進法案の提出は、やはり遅きに失したと言わなければならないのではないでしょうか。
 今回の法案で採用された基本的な政策の多くは、二〇一〇年代初めに民主党政権が既に唱えていたものです。例えば、今回のGX推進法案の目玉の一つである排出量取引制度は、民主党政権が地球温暖化対策基本法案の中で既に盛り込んでいたものです。同法案が二〇一〇年に国会に提出されてから、はや十三年。本格的な稼働は三年後の二〇二六年といいますから、実現までに十六年が経過することになります。これは余りに遅い対応ではないでしょうか。
 また、化石燃料賦課金や特定事業者負担金はFIT賦課金総額や石油石炭税収が減少する範囲内で導入すると政府は答弁されていますが、このFIT賦課金も、民主党政権時の二〇一一年のFIT法の成立により導入されたものです。
 西村大臣にまず伺います。
 西村大臣は、GX推進という重要かつ困難な諸課題に向き合う中で、民主党政権の環境経済政策をどう評価されていますか。民主党政権のこうしたイニシアチブが現在の政府のGX政策に連なっているとの御認識はありますか。答弁を求めます。
 大臣は、さきに審議入りした衆議院の経済産業委員会で、政府として非常にこのカーボンプライシングについての取組が慎重であった面は、私も否めないというふうに思っていますと答弁されており、これまで政府が慎重であった理由として、日本が先行的にアジアの中で突出して厳しくなると、多くのCO2排出産業がアジアに移転をする懸念があったからと述べておられます。
 しかし、中国では二〇一三年から排出量取引制度のパイロット事業を実施、韓国では二〇一五年から排出量取引制度を本格的に開始しています。また、シンガポールは二〇一九年に炭素税の導入を決定しています。
 西村大臣に伺います。
 日本のカーボンプライシングの取組がアジア諸国の中でもかなり遅れた理由は何でしょうか。また、今回スタートが遅れたことで日本の国際競争力に影響が出るようなことはないか、簡潔にお答えください。
 GX推進は日本の産業競争力や地域経済の在り方に影響を及ぼす可能性があるため、その政策の運用においては、様々な産業に関わる人々の意向を丁寧に聞く必要があります。
 昨年のGX実行会議では、構成員の意見を反映して、GX実現に向けた基本方針に脱炭素成長型経済構造への公正な移行という要素が新たな政策の柱に位置付けられました。しかし、今回の法案には、残念ながらこうした文言は含まれていません。
 西村大臣に伺います。
 政府は、GX推進法案の施行に関して、どのように脱炭素成長型経済構造への公正な移行を確保し、失業なき労働移動を実現しますか。
 また、こうした観点より、GX経済移行債の運用においては、付加価値の高いグリーンでディーセントな雇用創出につながる分野への支援も大事と考えますが、大臣の御認識を伺います。
 この法案では、GX推進のための目標や基本的な方向、GX経済移行債の発行に関する事項、成長型カーボンプライシングの導入に関する事項、GX推進機構が行う支援に関する事項など、国民が最も知りたい重要事項は全て、閣議決定で決められるGX推進戦略の中で定められる旨が規定されています。
 これまで、巨額の予備費の使用決定や安全保障関連三文書の決定など、政府は、国民の暮らしと雇用と安全に直結する課題の多くを、国会の審議を経ずに閣議決定で進めてきました。
 今回、GX推進に直結する重要事項の大半を閣議決定されるGX推進戦略に委ねたのはなぜでしょうか。GX推進戦略の策定に当たっては、どのように国会の関与を確保し、また、国民の知る権利を保障しますか。
 GX基本方針では、産業界や専門家も交えて、進捗評価や分析や、必要な見直しを進めていくとされましたが、産業界、労働団体、消費者団体などの外部有識者を含む会議体は設置されるのでしょうか。
 これらの点を網羅した上で、GX推進戦略はどのようなプロセスで民主的に策定されるか、大臣の見解を伺います。
 また、GX推進戦略は、いつ頃をめどに発表されますか。簡潔な答弁を求めます。
 今回の法案の大きな柱の一つは、GX推進機構の新設です。GX推進機構は、化石燃料賦課金の徴収、特定事業者負担金の徴収、排出量取引制度の運営、民間企業のGX投資の支援など、今回の法案で新設される制度全般の運営を担います。
 この機構による支援も含め、全体として、今後十年間で、国による二十兆円規模のGX経済移行債による先行投資支援や、百五十兆円を超える官民GX投資の実現を目指すとしています。
 経済産業省による新たな機構の設立と聞いてまず国民が思い出すのは、クールジャパン機構ではないでしょうか。二〇二一年度末の累積赤字が三百億円に達するなど、その運営は決して成功しているとは言えません。
 西村大臣に伺います。
 そもそも我々はこうした新たな行政機構をつくることに対して慎重であるべきと考えますが、GX推進機構の新設は、政府において、いつから、そしてどのようなプロセスで検討が進められたのでしょうか。
 また、新たな組織の設立が必要な理由は何でしょうか。なぜ既存の組織を活用することは検討されなかったのでしょうか。民間に任せられる分野は可能な限り民間に任せるべきと考えますが、大臣の御所見を伺います。
 GX推進機構の業務は、GX推進のための対象事業活動を行う者の発行する社債を引き受けたり、資金の借入れに関わる債務の保証を行ったり、対象事業活動に必要な資金の出資を行うなど、厳しいビジネス環境で事業を行う当事者にとって非常にセンシティブな内容を含みます。
 このGX推進機構に所属する役員が非常勤の場合、営利を目的とする他団体の役員となったり、また自ら営利事業に従事することが許される理由は何でしょうか。常勤の場合は経済産業大臣の承認があれば兼業が許されますが、それはどのような場合でしょうか。兼業を許された役員が自らの営利事業に有利になるような債務保証や出資を行った場合、どうなりますか。
 こうした疑問点を全て網羅した上で、GX推進機構の役員の兼業について、政府はどのような民主的コントロールを行使するか、お答えください。
 加えて、本法案にはGX推進機構の役員報酬の定めがありません。法案に役員報酬の定めがない理由と、今後どのようにいわゆるお手盛りを防ぐか、その見解をお答えください。
 また、GX推進機構は、経済産業大臣の認可を受け業務の一部を委託することが可能ですが、委託先の選定に当たっては一般競争入札の原則を徹底していただけますか。また、公募や入札の結果は経済産業省の基準に基づいて国民にきちんと公表していただけますか。お答えください。
 GX推進機構は、経済産業大臣の認可を受けて独自のGX機構債を発行することができるとあります。そもそも、このGX機構債とは何の目的で発行されるものでしょうか。GX推進法案の柱の一つであるGX経済移行債とはどのように異なりますか。
 法案には、政府はGX機構債の債務保証ができるとありますが、それはどのようなときでしょうか。答弁を求めます。
 最後に、GX経済移行債の投資基準は衆議院の経済産業委員会でも大きな論点でした。具体的な投資基準は今後どのように策定されますか。また、投資基準の策定及び実際の投資判断について、透明性、公平性をどのように確保するか、お答えください。
 現在、電力業界では、カルテルの問題や小売電気事業者間の公正な競争や一般送配電事業の中立性、信頼性に疑念を抱かせるような情報漏えい、不正閲覧の問題が起きております。電力市場の監視機能強化のために具体的にどのような取組を行うのか、経済産業省が行っている事実関係の調査及び検証の進捗状況をお聞きします。
 二〇三三年度に始まる排出量取引制度の有償オークションは発電事業者を対象に行われると理解しますが、公正な競争に疑念を抱かせるような事件が起こる中で、本当に機能する排出量取引制度を透明性を確保した形で創設できるのか、大臣の御見解を伺います。
 最後に、一言申し上げます。
 我々が参議院の本会議場で集う今このときも、国民の皆さんは必死に働き、学び、汗を流している現実を我々は忘れてはならないと思います。苦しいときも、つらいときも、くじけずに前を歩いていく。それを顔に出すこともしない。それは、誰もがこの厳しい努力はいつか報われるに違いないと心のどこかで思って毎日を生きているからではないでしょうか。
 どのような境遇に生まれるかを選択できる人間はいません。私たちは、挑戦する勇気と意欲を持つ人々がきちんと機会に手を伸ばすことができる社会をつくってまいります。失敗を忌み嫌うのではなくて、失敗を未成功と呼べる社会をつくってまいります。
 それは、このGX推進法案の場面においては、よりクリーンで安全なエネルギーの普及、エネルギーの安全保障、そして経済成長という、時に相反する三つの難しい課題を同時に解決しようという意欲を持つ人間が、権力へのそんたくや権力への近さではなくて、アイデアと熱意でGX推進の事業支援に公正にアクセスできる社会を意味します。
 それは、このGX推進法案の場面においては、黒塗りの資料の提出ばかりで、資金の流れが全く追えない今の不透明な行政の情報公開の在り方を改め、本当に公正な選定が行われているのかと疑念を抱かせるような今の補助金公募や入札の在り方を改め、GX社会実現のために挑戦をする意欲を持つ者が安心して新しい制度に参加できる社会を意味します。そうではありませんか、皆さん。
 四月十三日の東京新聞の朝刊では、経済産業省が管轄する電気・ガス代補助事業の管理費が、公募決定後のたった一か月で百億円も上乗せされ発注されていることが新聞報道されました。原資はもちろん国民の税金です。国民がエネルギー価格の高騰で苦しむ中、特定の団体が公金で恩恵を受けるかのような疑義を抱かせる今の政治は、我々の手で変えていかなければなりません。
 私たち立憲民主党は、国民の労働と汗と涙がきちんと報われる社会をつくってまいります。このことを強くお約束して、私の質問を終えたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣西村康稔君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 田島麻衣子

speaker_id: 32158

日付: 2023-04-14

院: 参議院

会議名: 本会議