猪瀬直樹の発言 (本会議)
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○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。
会派を代表して、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案、いわゆるGX推進法案について質問します。
折しも、明日四月十五日から開かれる、札幌でG7気候・エネルギー・環境大臣会合が開かれます。日本は、議長国として世界各国のGX推進を牽引すべき立場にあります。その一つの鍵となる電気自動車、EV車ですね、EV車の普及促進についてまず伺います。
昨年十月二十七日の経済産業委員会において、霞が関の各省庁の公用車一千百台のうち、EV車がたったの十六台、全体の一・五%しかないと指摘しました。その際、西村大臣は電気自動車の調達を増やしたいと答弁しましたが、先月九日にその進捗について再度ただしたところ、全体で十一台増えて二十七台と、お膝元の経産省ではたった一台増です。各省庁でこんな状況が続いていては、政府のGXの取組には本気度が見られないと言われても仕方がありません。まず隗より始めよです。
新年度に入り、改めてGX推進を担当する立場として、この本会議の場で西村GX担当大臣に各省庁のEV車導入促進についての見解と具体的な数値目標を求めます。
政府の定義では、いまだに電動車の中にハイブリッド車も含まれております。これも合わせての普及目標の数字になるんですが、ハイブリッド車は、言わばガラケーにiモードを付けた、そういうようなものであって、それに対してEVは、抜本的な技術革新を基にした言わばスマートフォンに当たるわけです。全然違うんです。両者には大きな違いがあるにもかかわらず、自動車メーカーを気遣う余りに、これらを一緒くたにしたままでは本質的な政策目標が提示できず、今後、政府がGXを推進する上でも大きな障害となります。持続可能な脱炭素社会実現を目指す企業グループである日本気候リーダーズ・パートナーシップ、ここもハイブリッド車を含むべきではないとの意見書を出しています。
この電動車にハイブリッド車を含む現行の定義をGXの更なる促進と国際的な目標設定との整合性を取るためにも変更し、EV車としての普及目標を定めるべきだと考えますが、いかがですか。GX担当大臣に伺います。
今から十五年前の二〇〇八年一月、東京都副知事であった私は、石原都知事の代理として、世界経済フォーラム、いわゆるダボス会議に出席しました。そこで私は、東京は二〇二〇年までにCO2の排出量を二五%以上削減すると宣言しました。この年、東京都は、都内の大規模事業所、すなわち、工場だけではなく、それ以外のオフィスビル、ホテル、デパート、大学など、千四百か所に対してCO2排出総量の削減を義務付け、同時に、排出権取引制度を導入する条例を作り、二年後の二〇一〇年度に実施しました。参加を希望する事業所だけではなく、排出量が基準を上回る事業所には全て削減義務を負わせました。これは、当時、世界初の都市型キャップ・アンド・トレード制度であり、首都である東京が率先して先進的な施策を導入し、国全体における技術開発や産業育成につなげていくもくろみがありました。
実は、この二〇一〇年当時、キャップ・アンド・トレード方式による排出権取引の導入に関して、環境省の審議会において詳細な検討が行われていました。諸外国や東京都の事例なども詳しく参照して具体的な計画を立てていたようですが、結局、国策としては実現しませんでした。
なぜ導入が止まってしまったのか、当時の検討内容と、実現に至らなかった経緯について環境大臣に説明をお願いします。
二〇一五年十二月にCOP21が開催され、二〇二〇年以降の新たな温暖化対策であるパリ協定を採択しました。今世紀後半のカーボンニュートラルの実現を目指すことが掲げられ、欧米各国は再生可能エネルギーの比重を更に高めるべく、この数年間に新たな目標を設定し、その後現在まで目標達成に向けた努力を続けてきました。
しかしながら、我が国では、その後二〇一八年に作成された第五次エネルギー基本計画にこの内容は反映されませんでした。二〇三〇年の電源構成比率は、二〇一五年に定めた計画と同様、再生可能エネルギーは二二から二四%の目標のままでした。
パリ協定批准後も従前の目標設定を変えることなく、抜本的な施策も打ち出さずに数年間を無為に過ごし、二〇一九年六月にようやくパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略が閣議決定され、翌二〇二〇年に菅総理が二〇五〇年のカーボンニュートラルの達成を宣言したわけです。
振り返れば、このパリ協定から五年間の足踏み、取組の遅れを決定的にしてしまった最大の要因と、しまったのが最大の要因と考えていますが、なぜパリ協定を批准したのにその趣旨が反映されることなく、第五次基本計画においてエネルギーミックスを改定せず、足踏みがずっと続いたのか。経済産業大臣に、この間の経緯と足踏みの理由とその反省を込めて御答弁いただきたい。
翌二〇二一年に小泉進次郎環境大臣が打ち上げた二〇三〇年度にマイナス四六%の削減目標がそれまでとは違う意欲的な数値目標として評価されたが、同時に、本当に間に合わせられるのか、現在、その実効性を疑問視される状況と言わざるを得ません。
その後策定された第六次エネルギー基本計画で再エネの電源構成比率が三六から三八%と上方修正され現在に至るわけですが、二〇三〇年まではあと七年を残すのみです。本気で実現するならば、これまでの緩慢なやり方ではなく、まさに異次元の施策が必要となるはずです。CO2削減率と再エネの電源構成比について、二〇三〇年度目標の達成に向けた足下の状況、今後の具体的な道筋とその実現可能性についていま一度御説明をいただきたい。GX担当大臣に伺います。
東京都のキャップ・アンド・トレード制度は導入から十年以上経過したが、この間、対象事業所の総CO2排出量は年々削減され、二〇二一年度では基準年度に比べて三三%減の水準となりました。世界に宣言した二〇二〇年には二五%以上削減するという目標を既に達成しています。
先日の衆議院の論戦の中で、西村大臣は、義務付けを含めた制度を早急に導入すると、代替技術がないことや、導入すると、代替技術がないことやカーボンリーケージが起こるおそれがあると弁解したんですね。EUに二十年以上後れを取っている現状から更に十年もの時間を掛けて、やっと発電事業者のみに義務付けを行う方針と説明しています。
では、十年以上前に義務付けを始めた東京都から、それを嫌がって大規模事業所が撤退することが起こったのかと。そんなニュースは全く聞いたことがありません。本法案における化石燃料賦課金の導入及び排出権取引制度について、衆議院において二年以内に導入年次などを見直すことを明確にしたことは評価しますが、排出量取引制度について、遅く、狭くではなく、より早く、より幅広く事業者に義務付けを行い、既存の税体系の見直しも含めて早期に諸外国並みのカーボンプライシングを実現することが実効性の担保に不可欠と考えますが、一体やる気があるのか、GX担当大臣の見解を伺います。
最後になりますが、既存の業界や既得権益に配慮する余りGXの推進に本来必要なスピード感や肝腎の政策目標を見失うことがないよう、総理やGX担当大臣の強いリーダーシップを期待して質問を終えたいと思いますが。
ちょっと最後に、三十秒ぐらい余っているので付け加えたいんです。大陸から黄砂がどんどん来て、排気ガスと一緒になって複合汚染で花粉症がよりひどくなるわけですが、これを早くやめなければいけないんです。そもそも、東京がカーボンプライシングやったのは、石原慎太郎元知事がディーゼル車規制をやったからなんですね。こういうことをどんどんどんどんやっていかないと、せっかくコロナでマスク取れるようになっても、花粉症で取れないということになりますから。そういうことで、政府のとにかく強い姿勢を期待したいと思います。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣西村康稔君登壇、拍手〕