岩渕友の発言 (本会議)

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○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案、GX推進法案について質問します。
 電気料金の高騰が暮らしと営業を直撃する下で、大手電力会社による不正が相次いで発覚しました。
 公正取引委員会は、カルテルを結んでいた電力三社に、過去最大となる一千十億円の課徴金を課しました。また、関西電力など七社の社員が、子会社である送配電会社が持つ新電力の顧客情報七十五万件余りを不正に閲覧、利用していました。驚くべきことに、新電力から顧客を奪い、競争相手を不当に排除し、エリアごとに市場を独占していました。
 これらは、いわゆる電力自由化、電力システム改革の前提を根底から揺るがす大問題であり、報道にあるような処分で済む問題ではありません。徹底した検証を行い、少なくとも大手電力から送配電部門を完全に別会社とする資本関係の分離にいよいよ踏み出すべきです。いかがですか。
 真相も明らかにならないまま大手電力の電気料金の値上げを認可するなど、国民の理解は到底得られません。電気料金の値上げは凍結するべきではありませんか。
 以上、西村経産大臣の答弁を求めます。
 明日からG7気候・エネルギー・環境大臣会合が札幌で開催されます。国連気候変動に関する政府間パネル、IPCCが発表した最新の報告書は、この十年の選択と行動が、今後、数千年に決定的な影響を与えると強調しました。パリ協定が掲げた一・五度目標を達成するには、CO2の排出量を一九年比で三五年までに六〇%、五〇年に八四%削減することが必要だと明示しており、一刻の猶予もありません。国連のグテーレス事務総長は、今回の報告書について、もう無駄にできる時間はないと訴え、主要国に今年のCOP28までに目標を更新するよう呼びかけています。
 日本の削減目標は余りにも不十分です。少なくとも二〇三〇年に六〇%まで削減目標を引き上げるべきではありませんか。西村環境大臣と西村経産大臣に伺います。
 G7の中で石炭火力発電の廃止期限を明らかにしていないのは日本だけです。昨年のG7会合では、事前協議で三〇年までに段階的廃止とすることを提案されたのに対し、日本が最後まで反対し、共同声明に廃止の期限が盛り込まれず、世界中から批判されました。
 まさか今年の議長国である日本が、石炭火力発電の廃止期限も決めず、世界の足を引っ張るようなことはありませんね。経産大臣、お答えください。
 GX実現のための基本方針は、原発の最大限活用、六十年を超える運転、新増設を進めるとしています。東京電力福島第一原発事故の被害は終わったと言わんばかりに、パブリックコメントでの圧倒的な反対の声も聞かず、福島の声も聞かずに原発回帰への大転換を進めるなど許されません。徹底した国民的な議論が必要ではありませんか。西村GX担当大臣に伺います。
 福島第一原発事故後、脱原発を決断したドイツは、明日、全ての原発の稼働を完全に停止します。一方、岸田政権は、原子力基本法を改定し、将来にわたって原発を推進、支援することを国の責務として書き込みました。これは、福島第一原発事故の反省も教訓も忘れた暴走であり、新たな安全神話にほかなりません。
 原子力利用に係る基本理念や原則などを定める原子力基本法を原発推進基本法に変質させるものではありませんか。一体どこで議論されたのでしょうか。高市科学技術政策担当大臣の答弁を求めます。
 以下、西村GX担当大臣に伺います。
 GX基本方針では、今後十年間で百五十兆円を超える官民の投資を実現するとしています。本法案で創設するGX経済移行債はその具体化であり、その使途は経産省に白紙委任されています。十年間で二十兆円、原子力発電や、水素、アンモニアと化石燃料の混焼発電にも投資するとしていますが、グリーンを名のる国債でこのような投資をする国は世界にあるでしょうか。
 基本方針では、さらに、水素、アンモニアについて、火力発電からのCO2排出量を削減していくなど、カーボンニュートラルの実現に向けたトランジション、移行を支える役割と位置付けています。結局は原子力と石炭火力を延命することになり、CO2の排出削減にもならないのではありませんか。
 世界各国は、主に省エネと再生可能エネルギーに使途を限定した環境国債を発行し、民間投資を促進しています。原子力や石炭火力混焼発電に投資を呼び込むことは、CO2排出削減に貢献しない、見せかけの環境投資、グリーンウオッシュそのものではありませんか。
 政府は、アジア・ゼロエミッション共同体構想を掲げ、脱炭素の名で、アジア各国で水素やアンモニアの混焼、CCS、炭素貯留の普及に向けた技術開発を推進しようとしています。しかし、日本政府が日本企業と既に推進している支援でも、現地の方々から、地元のためにならないし、脱炭素にもならないという訴えを聞いてきました。支援の名で誤った気候変動対策を押し付けるのではなく、化石燃料からの公正で公平な移行こそ支援するべきではありませんか。
 本法案では、成長志向型カーボンプライシングを導入し、化石燃料の輸入事業者に課す賦課金と、発電事業者から徴収する負担金で償還するとしています。
 しかし、二酸化炭素の排出に価格を付ける炭素税、カーボンプライシングは、欧州と比べて既におよそ二十年遅れていることに加え、本格的に導入するのは二〇三〇年代です。しかも、その内容は企業の自主性に任されており、排出量の上限もありません。産業界の負担は、あらかじめ石油石炭税とFIT賦課金の減少の範囲内にとどめられ、排出削減につながりません。石油連盟の会長が大した負担にならないと発言しているように、これでは排出量削減の効果はとても期待できないのではありませんか。一定基準以上の事業所に制度への参加を義務付けるべきではありませんか。
 最後に、本法案について、若者たちも、気候変動の解決にならず、何のための法案なのか、日本の未来、自分たちの人生が左右される問題なのに将来世代の声をなぜ聞かないのかと訴えています。
 政府は、再エネも原子力も、あらゆる選択肢をと言いますが、国際的な研究報告では、原子力に熱心な国は再エネ導入量が少ないことが明らかになったとして、原子力発電と再エネの利用というのは相互に排除し合う傾向があると結論付けています。
 省エネを思い切って進め、一〇〇%国産の再生可能エネルギーへの速やかな転換こそ、エネルギーの安定供給にも、脱炭素にも、経済発展と雇用にもつながるということを述べて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣西村康稔君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121115254X01520230414_016

発言者: 岩渕友

speaker_id: 7023

日付: 2023-04-14

院: 参議院

会議名: 本会議