岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 高木真理議員の御質問にお答えいたします。
国家公務員の再就職の実態解明についてお尋ねがありました。
まず、今回の件については、国土交通省において対処されており、その調査の結果、国土交通省の関与は確認できなかったと聞いております。
政府としては、職員OBの既に公務を離れた予算や権限を有していない民間人としての活動に関して調査を実施することは予定しておりません。いずれにせよ、公務の公正性やそれに対する国民の信頼を確保することは重要であり、引き続き、再就職等の規制の遵守、これは徹底を図ってまいります。
なお、御指摘の予備的調査の要請書が衆議院議長に提出されたことは承知をしており、今後、これについて協力要請があった場合には、政府として適切に対応してまいります。
本法案の改正方式についてお尋ねがありました。
本法案は、本格的な少子高齢化、人口減少時代を迎える中で、人口動態の変化等や今後の医療・介護ニーズを踏まえ、医療保険制度と医療・介護提供体制の両制度を総合的に改正するものです。
具体的には、出産育児一時金を五十万円に大幅に増額し、あわせて、子育てを全世代で支援する観点から、出産育児一時金に要する費用の一部を後期高齢者医療制度が支援する仕組みを導入するとともに、高齢者医療を全世代で公平に支え合うための高齢者医療制度の見直しを行うこととしております。あわせて、医療、介護の連携機能や、かかりつけ医機能の制度化を含む医療・介護提供体制の基盤強化等を図ることとしております。
こうした改革により、医療保険制度の持続可能性を確保するとともに、地域完結型の医療・介護提供体制の構築を図るものであり、医療保険各法、医療法、介護保険法等を一体的に改正する必要があることから、一体での御審議をお願いしたいと考えています。
出産の保険適用と出産育児一時金等についてお尋ねがありました。
妊婦の方々が安心して出産できる環境を整備することは極めて重要であり、今月から出産育児一時金を大幅に増額するとともに、出産費用の徹底した見える化を進めてまいります。
その上で、出産に向けた支援を更に進めるため、国会での審議や与野党の御提言などを踏まえ、出産費用の見える化を進めて、その効果等の検証を行った上で、次の段階として、妊婦が自由にサービス内容を選択できる環境を生かしながら、出産の保険適用について検討をしていくこととしております。
また、後期高齢者医療制度は、公費、現役世代からの支援金、後期高齢者の保険料、これらで支え合う仕組みであり、このうち、世代間の支え合いに当たる現役世代からの支援金は、後期高齢者の医療費を国民全体で支え合うべきという考えに基づいて実施をしているものです。
本法案では、この支援金と同様に、出産育児一時金に要する費用の一部を後期高齢者医療制度が支援する仕組みを導入することとしておりますが、これは子育てを全世代で支えていく観点から重要であり、仮に出産の保険適用を行ったとしても、こうした仕組みは維持されるものと考えており、制度の自己否定という御指摘は当たらないと考えています。
健康保険組合の財政についてお尋ねがありました。
本法案では、前期高齢者の医療給付費を保険者間で財政調整する仕組みにおいて、現役世代の中で負担能力に応じた負担とする観点から、被用者保険者間において総報酬に応じた調整を導入するとともに、現役世代の負担の上昇を抑制するため、後期高齢者医療制度の創設以来、後期高齢者の保険料の伸びを現役世代が負担する支援金の伸びが大きく上回っている、このことを踏まえて、後期高齢者一人当たりの保険料と現役世代一人当たりの後期高齢者支援金の伸び率が同じとなるような仕組みに見直す、このようにしております。
あわせて、企業の賃上げ努力を促進する形で、健康保険組合に対する既存の支援を見直し、国費による更なる支援を行うこととしており、こうした取組を通じて、健康保険組合の安定的な運営につなげてまいりたいと考えています。
かかりつけ医機能と医療従事者の養成増の必要性についてお尋ねがありました。
本法案では、身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能を一般的なかかりつけ医機能と規定した上で、国民、患者が自ら適切に医療機関を選択できるよう、情報提供の充実を図るとともに、日常的な診療の総合的、継続的な実施、在宅医療の提供、介護サービス等との連携など、今後地域で確保していく必要がある具体的なかかりつけ医機能を定めて、医療機関に対して報告を求め、都道府県がその体制を有することを確認、公表し、これらを踏まえ、地域の関係者との協議の場で必要な機能を確保するための具体的方策を検討、公表する仕組みを創設することとしております。
こうした制度整備を進めることにより、国民、患者が適切に医療機関を選択できるようになるとともに、医療機関がかかりつけ医機能の内容を強化し、地域において必要なかかりつけ医機能の確保が進むことで医療サービスの向上につながるものであると考えています。
また、医師については、地域枠を中心として医学部定員を増員し、直近三年間で毎年約九千人を養成し、そして、看護師については、看護師養成所に対する財政支援を行い、直近三年間で毎年六万人を養成しています。政府としては、今後とも、将来の医療需要を見据えた上で、医療人材の確保に向けた取組、これを適切に進めてまいります。
持続可能な社会保障制度と少子化対策の財源についてお尋ねがありました。
昨年末に取りまとめられた全世代型社会保障構築会議の報告書に示されているとおり、本格的な少子高齢化、人口減少時代を迎える中で、給付と負担のバランスを確保しつつ、全ての世代が能力に応じて社会保障制度を支え合う仕組みを構築することが重要であり、本法案を含め、政府として着実に取組を進めてまいります。
あわせて、税制についても、経済成長と財政健全化の両立を図るとともに、少子高齢化、グローバル化等の経済社会の構造変化に対応したあるべき税制の具体化に向け、包括的な検討を進めてまいります。
子ども・子育て政策の強化のために必要となる財源については、まずは子ども・子育て政策の内容を具体化し、その内容に応じて、各種の社会保険との関係、国と地方の役割、高等教育の支援の在り方など、様々な工夫をしながら社会全体でどのように安定的に支えていくか、これを丁寧に考えてまいります。その際にも、徹底した歳出の見直し、これは大前提であります。
いずれにせよ、こども未来戦略会議において議論を進め、六月の骨太方針までに将来的な子供予算倍増に向けた大枠をお示しします。
なお、防衛力強化のための財源としての歳出改革については、社会保障関係費以外の経費を対象としております。
防衛費と社会保障のバランスについてお尋ねがありました。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、防衛力を抜本的に強化する決断をいたしました。国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行った上で、必要となる防衛力の内容を積み上げ、防衛費の規模を導き出しており、必要な予算であると考えています。
同時に、少子高齢化が急速に進む中で、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいくことが重要です。こうした考え方に基づき、令和五年度予算では社会保障関係費を約三十七兆円計上しており、これは一般歳出の五割を占めるものです。
さらに、子ども・子育て政策の抜本的強化に取り組んでおり、六月の骨太方針までに将来的な子ども・子育て予算の倍増に向けた大枠を提示いたします。
岸田政権は、安全保障と社会保障、どちらか一方という二者択一の問題ではなく、政府の責任として、共に必要な予算額を措置し、必要な政策、実現してまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕