東徹の発言 (本会議)

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○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 私は、会派を代表して、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について質問します。
 我が国は、この三十年間、GDPが伸びず、賃金は伸び悩み、競争力が低下する、まさに失われた三十年にありました。一方で、上がったものといえば、税金と社会保険料といった国民の負担です。国民負担率を見れば、三十年前が三六・三%で、直近では四七・五%、まさしく今や五公五民であり、まるで江戸時代に戻ったかのようです。
 あわせて、この間、少子高齢化と人口減少という国難を克服できなかったことは、政治の怠慢によるものです。このことは、政権与党のみでなく、野党にも責任があります。
 政治は結果責任だとよく言いますが、この三十年の結果から見れば、まさしく政治の怠慢に当たるという認識が総理にありますか。岸田総理に伺います。
 今、岸田政権では、防衛費を増やしたり、異次元の少子化対策を行おうとしていることには賛成いたしますが、その財源として増税したり、社会保険料を引き上げようとしていることには反対です。
 大阪では、知事と市長が一期四年間で四千万円の退職金をゼロ、府議会の議員定数は三割削減、府議、市議とも二五%から三〇%の報酬を削減しています。議員の身を切る改革から始めることで、まず議員の意識が変わり、行財政改革に本気で取り組むことができました。また、大阪・関西万博やIRの誘致をすることにより成長戦略を進めています。このような施策により、増税せずに、借金は逆に減らしながら、大学院までの教育無償化を実現しようとしています。
 国においても、国会議員の身を切る改革に始まり、行政改革、成長戦略と、政策を総動員し、それでも足りなければ最後に国民に負担をお願いすべきです。
 総理はそのように考えませんか。岸田総理の考えをお伺いします。
 参議院では、議員定数六増を行ったことにより、経費が年間四億五千二百万円も増えてしまいました。歳費法の附則では、国民の負担を増やさないよう参議院として経費削減に努力することが求められていますが、日本維新の会以外の会派の賛成によって議員宿舎の家賃が引き下げられるなど、やるべき改革に逆行し、法律に違反している状態です。
 そこで、岸田総理に伺います。
 参議院の議員定数削減についてどのようにお考えか、また、歳費法により求められている経費削減努力がなされていない状況をどのように御認識か、伺います。
 歳入庁について伺います。
 社会保障と税を一体的に運用するのであれば、当然、ほかの先進国と同じように、歳入庁を創設すべきです。海外ではスタンダードとなっている歳入庁が実現すれば、徴収業務を効率化できるだけでなく、保険料を給料から天引きしているのに納めないといった企業の不正も難しくなります。
 財務省の抵抗が特に強い歳入庁の創設について、いつまでも日本年金機構と国税庁の連携といった改革する気のない答弁ではなく、税金や社会保険料を増やす前に歳入庁ぐらい設置すると断言してはいかがですか。総理に答弁を求めます。
 今回の法案は、持続可能な社会保障制度を構築するという名称が付けられていますが、内容を見ると、給付と負担の見直しなど、将来に向けて社会保障制度を維持していくために必要な改革が含まれておらず、国民の将来の社会保障に対する不安を払拭するものとはなっていません。
 この法案では社会保障制度の将来の持続可能性を構築できないと考えますが、岸田総理に御見解をお伺いします。
 この法案では、かかりつけ医の制度整備に関し、医療機関の質を担保とする認定制や、担当患者を明確にする登録制の導入が見送られてしまいました。
 コロナ禍において、一部ではありますが、身近な開業医が患者本位の医療サービスを提供しなかったことを踏まえれば、かかりつけ医の認定制や登録制は、報告書が求める地域で医療、介護、福祉の包括的なケアを提供する体制をつくる上で必要な改革であることは間違いありません。これにより、診療の重複が避けられれば、患者の負担は軽減され、結果として医療費も効率化することができます。なぜ今回の法改正でこれらの制度の導入が見送られたのか、総理に伺います。
 年収の壁について伺います。
 現状、年収の壁の影響で労働時間を調整する人が多く、人手不足が生じており、その解消は待ったなしです。年収の壁をなくす方策が議論されていますが、収入が増えると、社会保険料の支払が発生することにより減ってしまう手取り額分を国が負担する案が検討されています。しかし、問題の本質は、配偶者の扶養に入っていれば保険料を払わずに国民年金が受けられる第三号被保険者制度にあり、この見直しも必要です。
 いつまでにこの問題について結論を出すのか、総理に伺います。
 診療報酬について伺います。
 日本医師会の会長が、四月十一日に岸田総理と会談し、医療従事者の賃上げを行うため、来年の診療報酬改定で人件費に係る部分を引き上げるよう求めたと言われています。
 物価高への対応は検討に値しますが、診療報酬の財源は、患者の窓口負担のほか、税金と保険料で賄われており、診療報酬の引上げは国民の負担に直結します。ましてや、コロナ禍で医療機関に支払った金額は莫大で、その検証すらできていないのにもかかわらず、診療報酬の引上げには納得がいきません。
 今回の法案では、医療法人の経営情報に関するデータベースの創設に関し、医師会への配慮と聞きますが、職種別の給与情報の提出が任意とされています。税金など国民の負担で成り立っている以上、人件費に係る診療報酬の引上げをするのであれば、情報の提出を義務化し、本当に引上げが必要かどうか、正確な情報を基に検討すべきではないですか。総理に伺います。
 また、将来、診療報酬を引き上げるのであれば、単純に引き上げるのではなくて、勤務医等の処遇改善により人材の確保や働き方改革を進めるため、開業医に偏り過ぎた診療報酬を改めるべきです。難易度の高い医療行為により多くの額を出し、簡易なものには額を下げることは同時に行われるべきと考えますが、総理のお考えをお伺いします。
 出産費用の保険適用について伺います。
 政府が出産費用の保険適用の方針を示したことは、我が党がこれまで求めてきたことであり、評価いたします。
 保険適用となれば自己負担が生じることから、自己負担部分についてクーポン等の支給で出産費用の実質無償化を実現すべきと考えますが、総理の考えをお伺いします。
 また、政府の方針では、出産費用の保険適用は二〇二六年度とまだ三年以上先の話です。これを早めるべきではないですか。また、保険適用までの間、出産費用の実質無償化を実現するためにどのような対策を講じるのか、総理に伺います。
 データベースの創設について伺います。
 今回の法案では、介護サービス事業者の経営情報に関するデータベースを創設するとありますが、これまで介護人材の確保のために行ってきた処遇改善の効果を把握するためには、今の法案だと任意とされている給与情報の提出を義務化すべきではないですか。加藤大臣に伺います。
 冒頭に述べましたように、日本は社会経済そのものが危機的状況にあり、国難であり、有事であります。岸田総理が本気で持続可能で世代間で公平な社会保障制度を実現しなければならないとの覚悟があるならば、政治と官僚と業界団体とのなれ合い、もたれ合い、ぬるま湯の政治から脱却して、批判や反論を恐れず、選挙も恐れずに、改革に邁進していただくことをお願い申し上げ、そして我々もそのことには全力で協力することを申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121115254X01620230419_017

発言者: 東徹

speaker_id: 17811

日付: 2023-04-19

院: 参議院

会議名: 本会議