岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 東徹議員にお答えいたします。
 我が国のこの三十年間の経済情勢と政治の対応についてお尋ねがありました。
 我が国は、一九九〇年代のバブル崩壊以降、長引くデフレ等を背景に、他国と比べて低い経済成長が続きました。この間、企業は投資や賃金を抑制し、消費者は所得の伸び悩みなどから消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷し、デフレが継続する、こうした悪循環であったと認識をしております。
 岸田政権においては、新しい資本主義の下、官民が連携し、社会課題を成長のエンジンへと転換する中で、企業が収益を上げて、労働者にその果実を賃上げとして分配し、消費が伸び、更なる経済成長が生まれるという成長と分配の好循環を実現してまいります。
 国民負担率については、少子高齢化に伴う社会保障給付の増大に伴って、そのための負担も増加し、給付と負担の両面において上昇傾向が続いているものであり、受益と負担を考慮していない江戸時代の年貢と同列に論ずることは不適当であると考えています。
 また、少子化対策については、少子化トレンドの反転に向け、私を議長とするこども未来戦略会議において、必要な政策強化の内容、予算、財源について更に具体的な検討を深め、六月の骨太方針までに将来的な子供予算倍増に向けた大枠をお示ししてまいります。
 なお、過去三十年の結果は政治の怠慢という御指摘については、我が国が直面する様々な指摘や課題、これを真摯に受け止め、先送りせず、一つ一つ答えを出していくことが政治の責任であると考えております。
 防衛費及び子ども・子育て予算の財源についてお尋ねがありました。
 防衛財源については、御指摘のとおり、税外収入の確保や歳出改革の徹底などあらゆる工夫を最大限行った上で、それでもなお不足する財源については、将来世代に先送りすることなく、今を生きる我々の責任として、税制措置での協力をお願いしたいと考えております。
 子ども・子育て政策の強化のために必要となる財源については、まずは子ども・子育て政策の内容を具体化し、その内容に応じて、各種の社会保険との関係、国と地方の役割、高等教育の支援の在り方など、様々な工夫をしながら、社会全体でどのように安定的に支えていくのか丁寧に考えてまいります。その際にも、徹底した歳出の見直し、これが大前提であります。
 いずれにせよ、こども未来戦略会議において議論を進め、六月の骨太方針までに将来的な子供予算倍増に向けた大枠、示してまいります。
 参議院の議員定数等についてお尋ねがありました。
 議員定数の在り方については、これは民主主義の根幹に関わる問題であり、これは国会において真剣な議論を重ねていくべき課題であると認識をしております。
 また、参議院の組織及び運営についての議論が行われているところと承知しておりますが、いずれにせよ、参議院に係る経費の節減については、参議院において御議論いただくべき課題であると考えております。
 歳入庁の創設についてお尋ねがありました。
 いわゆる歳入庁については、政府が平成二十五年に取りまとめた論点整理において、組織を統合して歳入庁を創設すれば年金保険料の納付率向上等の課題が解決するものではないと整理されたと承知をしています。
 政府としては、この論点整理も踏まえ、悪質な年金滞納者について委任要件を見直すこと等による国税庁への強制徴収委任の強化、厚生年金の適用対策や保険料徴収について国税庁が保有する情報の厚生労働省への提供といった関係当局間の連携の強化などの取組を着実に進めており、今後とも、デジタルの活用等により更にこうした取組を強化していくことが重要であると考えております。
 持続可能な社会保障制度の構築についてお尋ねがありました。
 本格的な少子高齢化、人口減少時代を迎える中で、給付と負担のバランスを確保しつつ、全ての世代が能力に応じて社会保障制度を支え合う仕組みを構築することが重要です。
 このため、今回の改革では、出産育児一時金の五十万円への増額と併せて、子育てを全世代で支援する観点から、出産育児一時金に要する費用の一部を後期高齢者医療制度が支援する仕組みを導入するとともに、高齢者医療を全世代で公平に支え合うための高齢者医療制度の見直しを行うこととしております。あわせて、医療費適正化計画の記載事項の充実など医療費適正化に向けた実効性のある取組を推進するとともに、医療、介護の連携機能や、かかりつけ医機能の制度化を含む医療提供体制等の基盤強化等を図ることとしております。
 こうした改革を通じ、全ての国民が能力に応じて支え合い、人生のステージに応じて必要な保障がバランスよく提供され、国民が安心して生活することができる全世代対応型の持続可能な社会保障制度、これを構築してまいります。
 かかりつけ医の制度整備についてお尋ねがありました。
 今回の法案では、医療サービスの質の向上につながるよう、国民、患者が自ら適切に医療機関を選択できるよう情報提供の充実を図るとともに、日常的な診療の総合的、継続的な実施、在宅医療の提供、介護サービス等との連携など、今後地域で確保していく必要がある具体的なかかりつけ医機能を定めて、医療機関に対して報告を求め、都道府県がその体制を有することを確認、公表する仕組みなどを創設することとしております。
 制度整備に当たっては、御指摘の認定制度や登録制についても様々な議論が行われましたが、政府としては、全世代型社会保障構築会議の報告書において、必要なときに迅速に必要な医療を受けられるフリーアクセスの考え方の下で、地域のそれぞれの医療機関が、地域の実情に応じて、その機能や専門性に応じて連携しつつ、かかりつけ医機能を発揮するよう促すべきであるとされたことを踏まえて、今回の制度を法案化したものです。
 同時に、同報告書では、国民一人一人のニーズを満たすかかりつけ医機能が実現するまでには、各医療機関、各地域の取組が必要であり、今回の制度整備はそれに向けた第一歩と捉えるべきであるとされています。
 本法案の附則には検討規定が設けられており、これに基づき、改正後の各法律の施行状況等を勘案しつつ、各規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講じてまいります。
 いわゆる年収の壁と第三号被保険者制度についてお尋ねがありました。
 いわゆる百六万円、百三十万円の壁によって、就業調整が行われ、希望どおり働くことが阻害されているとの指摘を踏まえ、壁を意識せず働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げに取り組むことに加え、被用者が新たに百六万円の壁を超えても手取りの逆転を生じさせない取組の支援などをまず導入し、更に制度の見直しに取り組んでまいります。
 第三号被用者、失礼、第三号被保険者制度については、過去の年金制度改正において行われた議論を踏まえ、関係者の御理解を丁寧に得ながら、こうした被用者保険の適用拡大等の取組を進め、第三号被保険者制度の縮小、見直しに向けたステップを踏んでいくことが重要であると考えております。
 そして、医療法人の経営情報のデータベースや勤務医等の処遇改善についてお尋ねがありました。
 本法案で新たに整備する医療法人の経営情報のデータベースについては、医療従事者の処遇の適正化を検討するため、各医療法人の職種別の給与水準も把握することとしております。
 医療法人によっては必ずしも職種別に給与水準を管理していないため、早期に施行する観点から、まずは任意での報告を求めることとしておりますが、公的価格評価検討委員会での議論も踏まえ、施行後の報告等の状況を速やかに検証し、活用可能な規模のデータ数が提出されていない場合には、更に報告の義務化を含め必要な対応の強化、これを検討してまいります。
 また、診療報酬における勤務医の評価については、働き方改革を推進する観点から充実を図ってきたところですが、今後、見える化を進めるとともに、令和六年度診療報酬改定に向けて、実態を踏まえて検討してまいります。
 出産の保険適用についてお尋ねがありました。
 妊婦の方々が安心して出産できる環境を整備することは極めて重要であり、今月から出産育児一時金を大幅に増額するとともに、出産費用の徹底した見える化、これを進めてまいります。まずは来年四月から見える化を本格的に実施しつつ、その後、集積されたサービス内容や費用のデータについて検証を行った上で、次の段階として、妊婦が自由にサービス内容を選択できる環境を生かしながら出産の保険適用について検討を行っていく必要があることから、二〇二六年度をめどに検討を進めることとしております。
 また、出産費用の自己負担については、出産育児一時金を大幅に引き上げることにより平均的な標準費用を全て賄えるようにすることとしており、保険適用に当たってもこうした基本的な考え方は踏襲したいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-04-19

院: 参議院

会議名: 本会議