倉林明子の発言 (本会議)

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○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等改正案について質問します。
 本法案は、全世代型社会保障の名の下に、十一本もの法律を束ねたものです。高齢者医療、子育て支援、医療提供体制など多岐にわたりますが、一貫しているのは、現状を給付は高齢者中心、負担は現役世代中心だとし、世代間対立を喚起し、負担増を求めることです。
 今の高齢者福祉は、それほど充実し、高齢者の生活は保障されているのでしょうか。
 年金者組合京都府本部女性部のアンケートでは、今まで経験したことのない息苦しさが語られています。食べることを我慢し、コロナ、熱中症の中でもエアコンを我慢、医者通いも回数を減らしているなど悲痛な声が続きます。これは、世代間の公平、能力に応じた負担のうたい文句で、年金を減額し、医療も介護も大幅負担増と給付の削減が繰り返された結果です。
 高齢者の命綱は限界まで切り縮められています。総理、高齢者への給付は、憲法が保障する生存権を保障する水準だと言えますか。
 昨年十月から、後期高齢者医療の窓口負担が二割になりました。全日本民医連が実施した影響調査では、八割が重いと回答しています。大半の人が、貯金を切り崩し、食費、水光熱費などを削ることを余儀なくされています。
 受診を控える、食費を削る、これが能力に応じた負担なのでしょうか。年を重ねるほど有病率は高まります。受診の負担軽減を図ることは当然ではありませんか。一割負担に戻すべきです。厚労大臣の答弁を求めます。
 法案は、後期高齢者の負担を更に重くするものです。
 後期高齢者の保険料の伸び率を現役世代の伸び率と同じにし、出産一時金の一部を負担することで、来年度は一人当たり平均八千四百円の負担増になります。低所得者は負担増にならないと言いますが、対象は年金収入百五十三万円、月十二万七千円以下です。
 厚労大臣、百五十三万円以上なら暮らしに影響しないと検証したのでしょうか。負担可能と判断した根拠をお示しください。
 政府の家計調査で見ても、高齢単身世帯では毎月二ないし三万円以上の赤字となっています。貯金がなくなったときのことを考えると苦しくなるとの声は、大半の高齢者の共通する思いです。ただでさえ負担の重い保険料をこれ以上引き上げるなど、到底容認できません。現役世代の負担軽減は、この間引き下げられた国庫負担比率を引き上げることで実施すべきです。大臣の答弁を求めます。
 介護保険でも大幅な負担増が待ち受けています。政府は、その一歩として、二割負担の対象拡大と老健施設などの多床室の室料負担の新設について、今年夏までに結論を出すとしています。
 厚労大臣、二割負担の対象は、後期高齢者医療と同様、所得上位三〇%まで拡大するのですか。
 そもそも、二割負担導入の際、厚労省が負担能力を示したデータは誤りで、撤回を余儀なくされました。にもかかわらず、二割負担は強行され、施設退所や利用抑制が生じました。年金十二万、介護費用は二十万など、本人の負担能力を大きく超える負担を強いられても、他を犠牲にして利用を続けなければならない利用者、家族も多くいます。こうした状況の検証もなく、更なる負担増を強行すれば、家族も含めた生活を破壊することにつながります。二割負担の対象拡大は撤回すべきです。厚労大臣の答弁を求めます。
 負担増は現役世代にも及びます。国民健康保険法について質問します。
 法案は、都道府県国保運営方針の対象期間を六年間とするとともに、医療費適正化、市町村国保事業の効率的な運営等を必須事項に加えるとしています。政府は、国保の都道府県化により、自治体に公費の独自繰入れをやめさせ、高過ぎる国保料の更なる引上げ圧力を強めています。さらに、二三年度中に保険料水準統一加速化プランを策定するとしています。
 都道府県単位の保険料完全統一の期限を明示した都道府県はどこになるのか示してください。法改正と加速化プランにより、保険料統一を期限を切って強固に推進することになるのではありませんか。
 全国に先駆けて二四年に保険料の完全統一を掲げている大阪府では、保険料が大幅に引き上げられました。一人当たりの必要保険料額は、二三年度十六万二千四百十七円と、前年から一割近い値上げです。大阪社保協の試算では、所得三百万の四十代夫婦と子供二人の世帯の保険料は六十五万五千円、月五万五千円近い負担となります。
 保険料統一を強行すれば、全国で同様の事態になりかねません。国の圧力で自治体を住民負担増、給付削減へと駆り立てる仕組みは撤廃すべきです。
 以上、厚労大臣の答弁を求めます。
 現役世代に高過ぎる国保料がのしかかるのは、収入のない子供にも保険料を掛ける均等割があるからです。総理、子供が増えるほど負担は重くなり、子育てすること自体に罰を与える子育て罰そのものではありませんか。異次元の少子化対策というなら、せめて子供に係る均等割は廃止すべきではありませんか。
 医療費適正化計画の見直しについて質問します。
 昨年五月の財政審建議は、医療・介護分野では、受益と負担の不均衡について、年金制度のような給付水準を自動的に調整する仕組みは導入されていないと批判し、更なる給付の削減を求めています。
 病床削減、看護師等医療従事者、介護職の圧倒的な不足が、コロナ禍の医療崩壊、介護崩壊をもたらし、福祉施設や自宅に留め置かれ、亡くなる事例が相次ぎました。今やるべきは、医療、介護の給付を自動的に削減することでは断じてありません。救える命が救えない痛恨の事態を招いた要因を検証し、適切な医療体制を構築することではありませんか。総理の答弁を求めます。
 かかりつけ医機能の法定化について質問します。
 法案は、医療機関が、夜間、休日の対応や在宅医療など、かかりつけ医機能の提供状況を都道府県に報告、公表する制度を創設します。
 都道府県は、報告どおりの医療提供体制があるか、基準に照らして確認するとしています。都道府県による確認が、医療機関の評価、認定につながることがあってはなりません。厚労省が定めるかかりつけ医機能を十分に提供できない医療機関に何らかのペナルティーを科すことはないと断言できますか。
 財政審は、かかりつけ医の認定、患者の事前登録とセットとなる患者負担などを提起、緩やかなゲートキーパー機能を求めています。全世代型社会保障構築会議等では、今回の法案は第一歩との認識が示され、医療現場からは制度の検討が続くことに懸念の声が上がっています。
 人頭払い、フリーアクセスの制限、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入など、かかりつけ医を医療費抑制の仕組みとすることがあってはなりません。厚労大臣の答弁を求めます。
 以上、本法案は、全世代型社会保障の名の下に、国民に負担増と給付削減を押し付け、国の責任を後退させるものにほかなりません。全世代型社会保障と称する医療、介護、福祉の制度改悪によって、世代を問わず貧困が拡大しました。少子高齢化による財政危機を強調し、高齢者優遇という幻想を振りまいて世代間の対立をあおるのはやめるべきです。国の責任を後退させ、世代間の助け合い、相互扶助を制度として強要する本法案の撤回を強く求めて、終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 倉林明子

speaker_id: 13807

日付: 2023-04-19

院: 参議院

会議名: 本会議