高木かおりの発言 (本会議)

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○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 私は、会派を代表して、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案について、後藤国務大臣に質問いたします。
 我が国では人生百年時代と言われ、誰しもセカンドキャリアがある時代になりつつあります。今、まさに、私たちは日本社会における働き方をどう考えていくのかが問われているのです。
 今までの長期安定雇用を前提とした終身雇用や年功序列といった日本型雇用慣行システムは、生産性の違いほどには賃金がさほど変わらないという平等思考に基づいており、企業内では安定が保障されてきました。
 しかし、経済社会のグローバル化に伴い、激しい環境の変化や実力主義が広がり、企業は従業員の将来を保障することが難しくなってきた結果、時間や場所を拘束する従来の働き方は時代にそぐわなくなってきました。
 この現状から、我々は、いかに新しい社会に向けて転換していくのかを考えていかなければなりません。
 その上で、以下、お尋ねいたします。
 今回の法律案は、既存の労働法制による適正化の対象とならなかったフリーランスについて、取引適正化や就業環境の整備を行うものであります。ポストコロナの中で、個人が自由度の高い働き方や暮らしを通じ、安心してやりがいのある仕事をすることによって生産性を高めることができるのです。企業においても、ダイバーシティーを推進することによって多種多様な人材が集まり、イノベーションを起こすことによって経済成長へとつながっていくのではないでしょうか。
 そこで、まず、政府としてフリーランスという働き方を日本社会の中でどのように位置付けていくのか、また、本法律案により日本社会にとってどのようなメリットがあると考えているのか、伺います。
 多様な働き方を選択しやすくなる環境整備を進めていくに当たっては、能力向上のための支援や学びの機会の確保、そして、それらに対する適切なアドバイスを受けられる仕組みが必要だと考えます。キャリアコンサルタントなど、働き手の立場に立った良質なアドバイザーの育成が鍵となると思料しますが、既存の労働法制の枠組みに入らない、フリーランスを始めとする働き手に対してどのような支援を行うべきだとお考えでしょうか。
 また、働き方いかんで不利益とならないような社会保障や税の仕組みを構築していくための改革、さらに並行して雇用の流動化促進やミスマッチ解消の観点から、解雇規制の緩和などを含めた労働市場の抜本改革が必要だと考えますが、これに対する政府の見解、取組方針を併せてお尋ねします。
 次に、本法律案の各論について御質問いたします。
 まず、本法律案における取引適正化に関する規制は、公正取引委員会及び中小企業庁が所管するものとされています。取引適正化に関する規制については、いわゆる競争法として、既に独占禁止法及び同法の補完法として下請取引を規制する下請法が存在する中で、新たに本法律案による規制が必要とされた理由をお聞かせください。
 従来、下請法の適用範囲、すなわち資本金一千万円超の法人の事業者には、フリーランスに製造委託等をする場合、書面の交付義務や禁止行為等の規制が及んでおりました。これに対し本法律案では、資本金の規模にかかわらず、特定受託事業者に業務委託を行う事業者に対し、禁止行為や就業環境整備の規制、さらに、書面又は電磁的方法による契約内容の明示義務は、従業員を雇用していない事業者、つまり、フリーランス同士の取引にまで及びます。
 このように、非常に広範にわたる規制を掛けるものとなりますが、政府としてどのように規制の影響を分析し、制度設計に反映させたのか、お示しください。
 また、特に、発注事業者には少なからず負担が生じるものと考えます。フリーランスへの発注を萎縮させるような懸念が生じないのか、御見解を求めます。
 次に、特定業務委託事業者の禁止行為については、政令で定める期間以上の継続的な業務委託に限り適用されます。衆議院における議論の中で、契約期間が長くなるほど発注事業者と受注事業者との間で経済的な依存関係が生じ、それを利用されて不利益を受けやすい傾向にあると政府から答弁がございました。しかし、個々の業務委託の契約期間の長さだけで対象を区切ってしまうと、本来保護されるべき方がその対象から抜け落ちてしまう懸念は拭えないのではないでしょうか。
 例えば、特定の発注事業者の業務委託に専属的に従事していても、個々の業務委託の期間自体はそれほど長くないようなケースもあり得ます。政令を定めるに当たっては、一律に数か月以上などという形で定めるのではなく、例えば、一定期間内での同じ事業者との契約回数に着目することも検討してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
 本法律案の規制対象に該当していなくても、禁止行為に関してあってはならない行為であることは十分に周知すべきと考えます。また、悪質な事案には何らかの対応を検討すべきと考えますが、御所見を伺います。
 次に、育児介護等の配慮義務規定について伺います。
 フリーランスの方々が妊娠、出産、育児、介護等と業務を両立できる環境を整備することは重要と考えます。本規定は、フリーランスの方々からの申出があった場合に、発注事業者に一定の配慮をお願いするものとなっております。
 しかし、フリーランスの方々の中には、発注事業者に配慮を申し出ることにためらう気持ちを持つことを想定されますが、申出を要件とした理由は何でしょうか。
 また、少しでも申出しやすい環境とするためには、モデルケースとして、どのような配慮をお願いしてよいものなのか、あるいは発注事業者はどのような配慮をすべきなのか、できるだけ多くの事例を示すことや、発注事業者にとって育児介護等の配慮をすることにどのような意義があるのかを示すことが有効と考えます。
 政府として、本規定の実効性を高めるためどのような方策を考えておられるのか、お聞かせください。
 次に、ハラスメント対策を講じる義務規定について伺います。
 労働者に対するパワハラ、セクハラ、マタハラ等のハラスメント対策については既に事業者の義務とされる中、これまでフリーランスの方々に対するハラスメントについて何ら対策義務がなかったことからすれば、当然必要な規制と言えます。
 ただし、実際に各事業者において実効性ある防止対策が講じられなければ、何の意味もありません。特に、フリーランスの方々は、取引上弱い立場に置かれやすく、仮にハラスメントがあっても、それを相談すると仕事を打ち切られるのではないかなどの懸念から、泣き寝入りせざるを得ないといったことも容易に想像されます。
 政府として、本規定の実効性を高めるためにどのような対策をお考えなのか、御説明ください。
 以上申し上げた育児介護等の配慮義務規定、ハラスメント対策を講じる義務規定等については、厚生労働大臣は、特定業務委託事業者が適切に対処するために必要な指針を公表することとされています。これらの規定は、実効性はこの指針に懸かっていると言っても過言ではありません。
 指針の策定に当たっては、フリーランスが多種多様な業界、業種で働かれていることも踏まえて、できる限り多くの関係者の意見を踏まえ、御検討いただきたいと考えます。指針の具体的な内容や検討方法について、政府の方針をお聞かせください。
 最後に、本法律案は、非常に広範にわたる規制を及ぼすものであり、解釈に幅のある規定も多く、実際にどのような影響があるのか、不透明な面もあります。施行後三年見直しの規定も置かれておりますので、施行後の取引実態をきめ細かに調査いただき、関係者の意見も幅広く聴取して、規制内容に磨きを掛けていく必要があると考えますが、施行後三年見直しに向けた対応方針をお尋ねします。
 最後に、私たち日本維新の会は、新しい時代に合った税制、社会保障、労働市場の抜本的改革を行い、フレキシキュリティー、いわゆる柔軟性と安全性を担保した働きやすい環境を整備し、持続可能な社会を目指していくことをお誓い申し上げ、私の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣後藤茂之君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121115254X01720230421_011

発言者: 高木かおり

speaker_id: 2578

日付: 2023-04-21

院: 参議院

会議名: 本会議