岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 宮口治子議員の御質問にお答えいたします。
 広島における二〇一九年の参議院議員通常選挙をめぐる事件についてお尋ねがありました。
 お尋ねの件については、一昨年九月、当時の執行部において、河井夫妻側が作成した収支報告書について、党の公認会計士、税理士が、党の内規に照らして監査をし、そして領収書等の必要書類を添付した上で、法令に基づき広島県選挙管理委員会及び総務省に提出が済んだ等の説明が行われたと承知をしております。説明は行われたと認識をしております。
 谷国家公安委員会委員長の発言についてお尋ねがありました。
 谷大臣にあっては、出張先において和歌山での爆発物投擲事件の発生について報告を受け、必要な指示、情報収集を行いながら用務を継続したものと聞いております。引き続き職務に当たってもらいたいと考えております。
 私の外務大臣時代の実績と反省点、そして外交と防衛力の関係についてお尋ねがありました。
 四年八か月にわたる私の外務大臣就任期間中、外交の三本柱である日米同盟の強化、近隣諸国との関係推進、そして経済外交の推進と併せて、軍縮・不拡散等のグローバルな諸課題の解決に取り組み、二国間及び国連を含む多国間の外交を主導してきました。そして、今日、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれる中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化することの重要性、これが一層高まっていると認識をしております。
 こうした中、まず優先されるべきは積極的な外交の展開です。力による一方的な現状変更や核兵器による威嚇や使用は断固として許さないとの観点から、首脳レベルを始め多層的、多面的な外交を各国、各レベルとの間でしっかりと展開をしてまいります。そのためにも、人的体制、在外公館の整備を含めた外交力の強化に努めてまいります。
 防衛力の強化は、こうした外交を実現する上での裏付けとなるものです。外交力、防衛力を含む総合的な国力を最大限活用しつつ、力強い外交を展開し、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出してまいります。
 反撃能力についてお尋ねがありました。
 近年、我が国周辺で質、量共にミサイル戦力が著しく増強される中で、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあります。こうした状況の変化により、武力の行使の三要件の、他に手段がないを満たす場合もあり得ると考えています。
 このため、政府としては、米国が日米安保条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いていますが、これに加えて、我が国として反撃能力を保有することで、日米同盟の抑止力、対処力を一層向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えております。
 なお、従来から繰り返し申し上げているとおり、一九五六年の政府見解で述べたような措置を行うことは法理上可能であり、そうである以上、そのための必要最小限度の能力を保持することも法理上許されるものと考えてきております。
 日米の役割分担についてお尋ねがありました。
 政府としては、米国が日米安保条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いていますが、先ほど申し上げた状況の変化を踏まえ、我が国としても反撃能力を保有し、日米同盟の抑止力、対処力を一層向上させることといたしました。他方、これは、あらゆる種類の能力を有する米国の打撃力とは異なるものであり、また、日米の基本的な役割分担にも変更はありません。
 武力攻撃の着手と存立危機事態における反撃能力の行使についてお尋ねがありました。
 どの時点で武力攻撃の着手があったと見るべきかについては、その時点の国際情勢、攻撃国の明示された意図、攻撃の手段、態様等によるものであり、個別具体的な状況に即して判断すべきものであると考えてきておりますが、先制攻撃はいずれにせよ許されない、これは言うまでもないことであります。
 また、存立危機事態は、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したからといって無条件で認定されるものではなく、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に認定され、自衛の措置として武力を行使することが許容されます。
 その上で、事態認定後の反撃能力の運用については、実際に発生した状況に即して、弾道ミサイル等による攻撃を防ぐために他に手段がなく、やむを得ない必要最小限度の措置としていかなる措置をとるかという観点から、個別具体的に判断することとなります。
 いずれにせよ、反撃能力は、あくまで国民の命と暮らしを守り抜くために、憲法、国際法、国内法の範囲内で運用されるものであり、憲法違反の武力行使を行わないことは言うまでもありません。
 防衛費の規模についてお尋ねがありました。
 防衛力の抜本的強化に当たっては、その内容の積み上げとあわせて、これらを補完する取組として、研究開発、公共インフラ整備を始めとする総合的な防衛体制を強化するための経費等を積み上げました。
 その積み上げの結果として、二〇二七年度において、防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組をあわせ、そのための予算水準が現在のGDPの二%に達するよう所要の措置を講ずることとしたものであり、GDP比二%にする目的で積み上げたとの指摘は当たりません。
 防衛費を確保するための措置についてお尋ねがありました。
 御指摘の一・六兆円程度については、例えば隊舎、庁舎等の整備を進めるに当たり、事業の進捗に応じ、整備を早期化する必要がある場合に対応することを想定しています。このため、一・六兆円については、その財源の在り方も含め、その時々の予算編成の過程で具体的な予算を検討してまいります。
 また、御指摘の〇・九兆円程度については、財源確保の一つの方法として想定しているものですが、仮に決算剰余金が増加しない場合にも、防衛力整備の一層の効率化、合理化により実質的な財源確保を図ることとしており、必要な防衛力を整備するため、妥当なものです。
 なお、この規模は、前中期防期間中に装備調達等の最適化による縮減額約一・七兆円を捻出したことを踏まえますと、可能であると考えております。
 防衛費の財源についてお尋ねがありました。
 抜本的に強化される防衛力は、将来にわたって維持強化していかねばならず、この防衛力を安定的に支えるためには、令和九年度以降もしっかりとした財源が必要です。こうした点について、防衛力整備計画にも記載をしたところです。
 その財源確保に当たっては、国民の御負担をできるだけ抑えるため、あらゆる工夫を検討した結果、歳出改革、決算剰余金の活用、そして、様々な取組により確保した税外収入等を令和十年度以降も含めて防衛力整備に計画的、安定的に充てるための防衛力強化資金の創設、これらの取組により、必要な財源の約四分の三を確保することといたしました。
 それでも足りない四分の一については、将来の世代に先送りすることなく、令和九年度に向けて、今を生きる我々の将来世代への責任として、税制措置での協力をお願いしたいと考えております。
 政府としては、こうした方針に沿って、あらゆる行財政改革の徹底などを通じて必要な財源の捻出に最大限取り組むこととしており、更なる増税は考えておりません。
 そして、広島市教育委員会及び広島市の対応と、核兵器のない世界に向けた取組の関係についてお尋ねがありました。
 広島市等の対応について政府としてコメントすることは控えますが、例えば平和学習教材の改訂については、広島市教育委員会において、その責任の下、児童生徒がより被爆の実相を理解し、その事実を基に考えられるような内容とするために行われたと説明されていると承知をしております。
 政府としては、核兵器のない世界の実現に向けて、ヒロシマ・アクション・プランを始め、これまでの取組の上に立って、引き続き、現実的かつ実践的な取組を進めてまいります。
 来るG7広島サミットでは、広島と長崎に原爆が投下されてから七十七年間、核兵器が使用されていない歴史をないがしろにすることは決して許されないとのメッセージを力強く世界に発信していきたいと考えております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-04-26

院: 参議院

会議名: 本会議