岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 金子道仁議員の御質問にお答えいたします。
 外交上の大目標と安保三文書との関係についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、私は、先般のインド訪問時に実施したスピーチの中で、国際社会を分断と対立ではなく協調に導くという目標の実現に向けて、自由で開かれたインド太平洋、FOIPを発展させていく新たなプラン、これを表明いたしました。
 この点、昨年策定した国家安全保障戦略においては、我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主な要素の一つとしてまず外交力を掲げ、また、FOIPの重要性についても明示をしております。
 政府としては、今後とも、積極的な外交を着実に推進することで、我が国の安全保障にとって死活的に重要な地域の平和と安定、これを確保してまいりたいと考えています。
 そして、三文書における外交、経済安全保障の位置付けについてお尋ねがありました。
 国家安全保障戦略は、他の二文書と一体となって、防衛のみならず、外交、経済安保、技術等、我が国の安全保障に関する分野の諸政策に戦略的な指針を与えるものです。
 その中で、外交については、例えば日米同盟の強化、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組や同盟国、同志国等との連携強化などについて記述をしております。
 また、経済安全保障についても、我が国の自律性の向上、優位性、不可欠性の確保等に向け、経済安全保障推進法の着実な実施を始めとした各種措置に取り組むことを記述しております。
 政府としては、国家安全保障戦略等を指針としつつ、外交、経済安全保障等の各分野の性質や状況等に応じて、適切な形で各種施策を実施してまいります。
 防衛力の抜本的強化についてお尋ねがありました。
 防衛力の抜本的強化に際しては、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行い、必要となる防衛力の内容を積み上げています。これにより、自衛隊の抑止力、対処力を向上させ、我が国を守り抜くことができると考えております。
 また、自衛隊の強化された機動展開能力を住民避難に活用するなど、国民保護の任務も実施していく考えです。
 さらに、防衛力を抜本的に強化し、これを将来にわたって維持していく中で、国際情勢等の変化にも機動的に対応してまいります。
 歳出改革についてお尋ねがありました。
 防衛力強化のための財源確保に当たっては、決して増税ありきではなく、国民の負担をできるだけ抑えるべく、徹底した行財政改革の努力、これは不可欠です。
 その中で、議員御指摘の歳出改革については、防衛関係費が非社会保障関係費であることを踏まえ、社会保障関係費以外の経費を対象とし、骨太方針に基づき、これまでの歳出改革の取組を継続する中で財源を確保することとしております。
 こうした考え方に基づき、令和五年度予算においては二千百億円程度の防衛関係費の増額を確保いたしました。令和六年度以降も、毎年度の予算編成において、政府・与党連携して歳出改革を継続し、令和九年度時点において、令和四年度と比べて一兆円強の財源を確保してまいります。
 行政の無駄や非効率を排除し、行財政改革の努力を尽くすことで、将来にわたって維持強化していく防衛力を支えるしっかりとした財源を確保することができるよう、最大限取り組んでまいります。
 国民保護の体制強化についてお尋ねがありました。
 国民保護の体制強化に向け、昨年度は、民間事業者や住民の皆様に必要に応じて参画いただく訓練を全国で四十七回行ったほか、沖縄県では初めて武力攻撃予測事態を想定した図上訓練を実施したところです。今年度は、こうした国民保護に係る訓練を六十回以上行う予定としております。
 また、武力攻撃を想定した緊急一時避難施設の指定を着実に進めるとともに、より過酷な攻撃を想定した施設について、必要な機能や課題の検討を進めているところです。
 今後とも、迅速な住民避難につながる検討、訓練を積み重ねるとともに、様々な種類の避難施設の確保等に取り組み、国民保護の実効性の向上に努めてまいります。
 国会審議における外務大臣の負担軽減についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のように、ますます厳しさを増す国際環境にあって、各種の外交活動を積極的に実施していく重要性は言うまでもありません。同時に、そのような外交活動を実施していく上で、国民の理解と支持を得ることは重要であり、国会における説明も重要であると認識をしております。
 こうした認識に立ち、これまでも閣僚と国会との関係について国会関係者と協議、調整を重ねてきたところであり、今後、外交活動の必要性及び閣僚と国会との関係について丁寧に国会関係者に説明をし、理解を得ていくよう努めたいと考えております。
 いずれにせよ、大臣、副大臣間の分担も適切に図りながら、今後とも、国会の御理解を得つつ、積極的な外交を展開してまいりたいと考えております。
 そして、ODAの国際的目標と開発協力大綱についてお尋ねがありました。
 現在の我が国の厳しい財政状況を鑑みれば、ODA実績の対GNI比〇・七%という国際的目標について直ちに達成の見通しを示すことは困難ですが、新たな開発協力大綱の下でもODAの戦略的活用を一層進めるとともに、引き続き、官民協力など様々な形でODAを拡充し、外交的取組の強化に努めていく考えです。
 市民社会組織、CSOを経由した二国間援助についてお尋ねがありました。
 NGO等のCSOは、開発現場の多様な考え方やニーズをきめ細かく酌み取り、状況に応じて迅速かつ柔軟に対応しているODAを実施する上での重要なパートナーです。NGOの知見や経験を活用することで、政府間の支援では手の届かない住民一人一人に対し、より効果的かつ効率的なODAの実施が可能となります。
 厳しい財政状況の中、現時点で具体的な数値目標を示すことは容易ではありませんが、新たな開発協力大綱の下でもCSO経由の開発協力を更に強化してまいりたいと考えます。
 そして、国際刑事裁判所、ICCについてお尋ねがありました。
 ウクライナで起こっている戦争犯罪及びその他の残虐行為に関する不処罰は認められてはならず、我が国を含むG7は、これまでの声明等において国際人道法を遵守するよう求めてきています。ウクライナはICCの管轄権を受諾しており、現在、ICCによる捜査が続けられています。
 我が国は、これまでもICC非締約国に対し、国連総会等の機会に、ロシア、中国及び米国も出席する場でICCローマ規程の締結を呼びかけてきており、引き続きこうした取組を進めてまいります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-04-26

院: 参議院

会議名: 本会議