岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 山下芳生議員の御質問にお答えいたします。
ウクライナ侵略についての認識と地域における対話の枠組みについてお尋ねがありました。
ロシアのウクライナ侵略については、プーチン大統領が、平和的解決に向けた各国からの働きかけを聞き入れず、一方的な要求を実現すべく武力行使に及んだことが問題の本質です。
いずれにせよ、ロシアによるウクライナ侵略は、原因のいかんを問わず、国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、明白な国際法違反として厳しく非難されるべきものです。
アジアでは、ASEANが地域協力の中心として重要な役割を担っており、多層的な地域協力の枠組みがあります。引き続き、我が国として、日米同盟を基軸としつつ、ASEAN中心性を尊重し、積極的な貢献を行いながら、自由で開かれたインド太平洋を実現するための協力を一層強化していく考えです。
東アジア外交及び日中関係についてお尋ねがありました。
我が国は、自由で開かれたインド太平洋、FOIPと本質的な原則を共有するインド太平洋に関するASEANアウトルック、AOIPを一貫して支持をしています。今後とも、ASEANを含む関係国と緊密に連携しつつ、AOIPに示されているような地域の平和と繁栄に積極的に貢献をしていく考えです。
また、中国との間では、昨年十一月の日中首脳会談で得られた前向きなモメンタムを維持しながら、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含めて対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力をする建設的かつ安定的な関係を日中双方の努力で構築してまいります。
日米同盟の在り方についてお尋ねがありました。
国家安全保障戦略においては、外交の基軸として、同盟国である米国と様々な分野で緊密に連携する必要性を示しております。その上で、同志国との連携強化や、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組等、様々な施策を示しています。また、中国については、先ほど述べたとおり、建設的かつ安定的な関係を日中双方の努力で構築してまいります。
我が国は、こうした安全保障に関する施策を重層的に実施していくことにより、地域及び国際社会の平和と安定を確保し、国際社会の共存共栄を実現していく考えであり、米国の中国包囲網づくりに全面的に協力する、地域の対立と分断を広げ戦争の危険を高めるといった指摘は当たりません。
統合防空ミサイル防衛と指揮統制についてお尋ねがありました。
日米間では安全保障政策について平素から様々な協議を行っていますが、反撃能力の保有は我が国が主体的に決定をしたものであります。
その上で、国家防衛戦略に記載されているように、統合防空ミサイル防衛能力の下、ミサイル防衛システムと反撃能力を組み合わせて、ミサイル攻撃そのものを抑止していきます。その際、情報収集を含め、日米が連携することが重要です。
一方、統合防空ミサイル防衛能力は、米国の要求に基づくものではなく、また米国が推進するIAMDとも異なる我が国の主体的な取組です。自衛隊及び米軍は各々独立した指揮系統に従って行動すること、これは言うまでもありません。
空港、港湾と米軍の利用についてお尋ねがありました。
国家安全保障戦略において、空港、港湾等の公共インフラの整備や機能を強化する政府横断的な仕組みを創設することといたしましたが、これは我が国の総合的な防衛体制の強化を図るためのものであり、米国の軍事戦略の具体化との指摘は当たりません。
先般の日米2プラス2でも、空港、港湾の柔軟な使用に関しては、今後の日米間の議論を通じて、その必要性や日米での協力の在り方を含め検討することとしており、地方公共団体や住民等の協力を得つつ推進していきたいと考えております。
我が国にとり望ましい安全保障環境等についてお尋ねがありました。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、我が国の主権と独立の維持、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化、国際社会が共存共栄できる環境の実現など、望ましい安全保障環境の創出に向けて取り組むことが必要であると考えています。
そのための手段として、防衛装備移転の推進やOSAの創設等を国家安全保障戦略等で示したところです。
これらは、あくまで地域における平和と安定を確保すること等を目的として実施される施策であり、戦争で自国の経済を潤すような国にするといった指摘は当たりません。(拍手)