猪瀬直樹の発言 (本会議)
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○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。
会派を代表して、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部改正をする法律案、いわゆるマイナンバー法の一部改正案について、関係大臣に質問します。
二〇一六年一月に行政手続におけるマイナンバーの利用が始まって、実に七年がたちました。当初、普及がなかなか進まなかったマイナンバーカードも、二〇二〇年十月に普及率が二〇%を超えた辺りから加速し、本年四月二十三日時点で人口に対する申請件数の率は七六・六%まで上がりました。
本来、普及率が一〇〇%となれば様々な行政の効率化が進み、そこから新たな財源を生み出すことが可能となるはずです。そのゴールに向けてはまだ道半ばですが、マイナンバーポイント事業で大盤振る舞いがあったにせよ、短い期間でここまで進んできたことは率直に立派な成果であると考えます。河野デジタル大臣はどのように評価されているか、伺います。
カードの普及が進んだ今、マイナンバー、マイナンバーカードの両方について、実際の利用範囲や活用方法の拡大が更に重要となるが、こちらはまだ十分とは言えない。
総務省がマイナンバー制度を紹介しているホームページにはこう書かれている。「マイナンバー制度は行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現のための社会基盤です。」。
一つ目の行政の効率化、二つ目の国民の利便性の向上は、徐々にではあるがその活用は進んでいると考えます。カードを取得した国民も、日々の生活で必要となる様々な手続の利便性向上を実感していると考えます。しかし、三つ目の公平公正な社会の実現については、歩みが遅過ぎると言わざるを得ません。
総務省のホームページには、国民の所得状況が把握しやすくなり、税や社会保障の負担を不当に免れることや不正受給の防止、さらに本当に困っている方へのきめ細かな支援が可能になりますとあるが、この目的の実現には、日本維新の会が以前より主張してきたように、マイナンバーと全ての銀行口座でひも付けを義務化し、収入や資産を捕捉することが必要です。この点について全く進展が見られないのでは、制度の根幹に手を着けずに枝葉のことで成果をアピールしているだけに見えます。総務省が掲げる公平公正な社会の実現、そのための所得状況等の把握をいつどのように行っていくのか、その計画について、責任者である松本総務大臣に伺います。
次に、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について伺います。
これは、医療DXの第一歩として非常に重要な取組であり、薬剤情報などが各医療機関で共有されることでより良い医療が受けられること、投薬の重複を防ぎ医療費の削減につながること、また転職時等に保険証の切替えが不要となることなど、国民にとっては数々のメリットがあります。医療機関側ではオンライン資格確認システムの導入が必要となるが、国民にとってのメリットは明らかで、また医療機関側にも投資を求めるのであれば、マイナンバーカードの取得と保険証の一体化について義務化を進めるべきと考えるが、河野大臣の見解を求めます。
また、今後、更なる医療DXを進めるためには、診察券機能をマイナンバーカードに付加することや、電子カルテとマイナンバーの連動が重要であると考えるが、加藤厚生労働大臣の見解を求めます。
以下、河野大臣に伺います。
今回の改正のポイントの一つであるマイナンバーの利用範囲の拡大と、情報連携の推進に関して幾つか伺います。
これまで、マイナンバーを効率的に利用できないケースとして、例えば、東京都民が地方で地元企業に就職するときに移住支援金を支給する際にマイナンバーの利用ができない、あるいは、結婚して新生活を始める新婚世帯を応援するため、住宅の購入費、建築費や、家賃、引っ越し費用の一部を補助する際にマイナンバーの利用ができないなどがありました。
これは、マイナンバー法が、マイナンバーの利用、情報連携について、マイナンバーの利用及び情報連携について、社会保障、税、災害の三分野の行政事務において個別に列挙するものに限定してきたためであります。これらのケースは、今回のマイナンバー利用範囲の拡大と情報連携に係る規定の見直しによって利用可能となるのか。
自治体等でマイナンバーの利用が考えられる業務は多く存在するので、個別の主体や業務の指定をあらかじめ行うことは難しい。今回の改正により、法律でマイナンバーの利用が認められている事務について、主務省令に規定することで情報連携を可能とするとのことだが、これによって自治体等が機動的にマイナンバーの新たな利用をできるようになるのか。
一方で、自治体の個人情報保護条例、いわゆる二千個問題というものがあり、自治体のルールがばらばらで個人情報の利用ができないという問題が生じていたため、二〇二一年に個人情報保護法が改正されました。このような問題を繰り返さないように、自治体ごとにまちまちの条例ができてしまわないよう、その対策はどうしているのか。
続いて、住民、企業の手続負担の軽減についても伺いたい。
自動車登録や在留資格に関わる許可に関する事務において、マイナンバーの利用が可能となることは一歩前進と評価するが、それ以外にも、例えば経団連の二〇二二年四月十二日の提言、ソサエティー五・〇の扉を開くにおいて、行政手続での無駄な書類添付が指摘されています。
例として、警備業法ほか各業法に基づく役職員の住民票の添付、育児休業給付金手続における母子手帳の写しの添付、そして、雇用継続給付、育児休業給付に関する申請手続における確認書類の添付などです。
また、同じ提言の中で、民間の手続においても、住宅ローン手続時の住民票の写しや相続手続代行時の固定資産税評価証明などが情報提供の対象になっていないと指摘しています。これらの無駄な書類添付の解消について、今回の改正案は十分に対応できているのか。
行政、民間、それぞれの書類提出の重複を避け、デジタルでの業務推進、負担軽減を実現するために、できる限り幅広い手続において、添付書類の省略、電子的な情報が提供されるマイナンバー関連の施策を整理し、できる限り網羅的に、今後も必要な法令等の改正やシステムの改修を進めるべきでしょう。見解を求めます。
これまで、社会保障、税、災害の三分野以外への利用範囲の拡大について伺いましたが、この三分野こそが本丸で、十分に活用が進んでいるとは言えません。
現在の地方税に基づく所得情報は、当該年から半年、一年程度経過したものとなり、迅速な情報取得を行うことが難しいが、国税庁及び地方税当局との情報連携を強化し、所得把握の早期化を検討し、支援金などの迅速な給付についてつなげるべきではないのか。
また、現在利用可能な所得情報は他の情報に十分ひも付いておらず、きめ細かな制度設計等を行うことは困難です。コロナ支援等で活用された住民税非課税情報だけでなく、制度設計や給付において、世帯所得も含め、より詳細な情報も活用できるよう制度や体制の整備を図るべきと思いますが、見解を求めます。
デジタル庁は他省庁への勧告権という強力な権限を持っています。規制改革を推進しようとすれば必ず既得権の壁にぶつかり、改革が骨抜きにされることが頻発してきた我が国においては、大変画期的な権限と考えます。
この勧告権について、これまで発動事例はないと、衆議院で我が日本維新の会の中司議員の質問に対してそういうふうに答弁していますが、中央及び地方税当局との情報連携強化や世帯所得も含めた詳細な情報を活用できるよう、今後仮に他省庁が改革の障壁となる場合にはちゅうちょなくこの勧告を発動すべきだが、その意思はおありでしょうか。決意を明確にした答弁をお願いしたい。
以上、これまで達成したマイナンバーカードの高普及率を追い風とし、カードの取得、保険証一体化、預貯金口座とのひも付けなどの義務化に向け更なる努力を続けていただくよう求めまして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕