石井章の発言 (本会議)

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○石井章君 日本維新の会、石井章です。会派を代表して質問いたします。
 総理は、政府が掲げる二〇三〇年度の脱炭素電源比率を約六割とする目標と、昨年のG7サミットでの二〇三五年までの完全に又は大宗が脱炭素化された電源部門という合意内容との関連について、二〇三五年に向けては二〇三〇年の目標よりも更に脱炭素化を進めていくと答弁されました。
 二〇三〇年までの各電源構成比目標ですら自らかなりチャレンジングな目標と明言している中、G7合意達成に向けて、二〇三〇年から五年間で脱炭素電源比率を六割から更に完全又は大宗まで高めるためにどのような方策をお持ちなのか、総理、お答えください。
 総理は、G7合意について、各国が自国のエネルギーをめぐる状況や技術動向を踏まえ適切に対応していくものであり、大宗についての定量的な定義はないと答弁しましたが、フランスでは現時点で既に脱炭素電源が九一%を占め、ドイツは二〇三五年に一〇〇%、他国も八〇%近くにする目標を掲げております。既にEUは炭素国境調整措置の導入を進めていますし、他国でも同様の制度の導入が検討されております。
 政府は、化石燃料賦課金の導入を二〇二八年度とする理由について、代替技術の有無や国際競争力への影響を挙げていますが、日本だけ脱炭素化への取組が遅れ、輸出する際に調整金が課せられれば、それこそ国際競争力や経済への悪影響が起こることが危惧されますけれども、総理の見解をお伺いいたします。
 国民の原子力発電に対する信頼の確保、理解と協力は不可欠であり、国はそのために必要な取組を推進するという国の責務が法案に明記されました。一方で、総理は、これまでの国会審議において、今後原発を新増設するという基本方針を明確にしたことについて、方針の大転換ではなく、一昨年決定した第六次エネルギー基本計画でも必要な規模を持続的に活用していくと記載しており、方針は変わっていないと答弁しております。
 しかし、福島第一原発の事故以来、原発の新増設、建て替えを凍結してきた歴代の政権の方針と、改めることが必要であると思います。総理自らが決定した新増設に関わる決断について、総理の覚悟をいま一度しっかりと国民に示すべきと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 再エネを一層拡大するには、自由な市場を実現するための公正な取引環境が担保されていることが必須です。しかし、大手電力会社において、電力市場の公正な競争を阻害する重大な違法行為事案が次々と発覚しており、抜本的な電力システム改革は不可避です。
 総理は、発送電の所有権分離について、衆議院本会議で、送配電事業の中立性の確保の一つの手法としながらも、法的分離のメリットもあるとして、中立性確保のための再発防止策の検討を行う旨の答弁をされました。
 総理が法的分離のメリットとして述べられた安定供給やネットワーク環境の変化への対応は所有権分離では担保されないのか、また、所有権分離を行った場合、法的分離では得られないメリットについて、総理の見解をお伺いいたします。
 発送電分離について、元々、二〇一三年の電力システム改革専門委員会の報告書で、中立性を実現する最も分かりやすい形態として所有権分離があり得るが、改革の効果を見極め、それが不十分な場合の将来的な検討課題とするとされ、まずは法的分離でスタートした経緯があります。今回の発覚した事案によって、現状では公正な競争案件の確保ができないことが明らかになったわけでありますが、総理はこうした経緯を認識されているのでしょうか。御答弁願います。
 また、電力自由化の当初より、公正取引委員会は、発電事業者と売電事業者の分離、いわゆる発販分離の必要性を指摘していましたが、公取の指摘について総理の認識をお伺いいたします。
 総理は、電力卸取引市場の活性化や取引条件の適正化等により、公正な卸取引の環境整備は着実に進んでいるとの認識を述べていますが、幾ら不公平な取引を事後に指摘して改善策を講じても、過去の取引は消せないわけであります。こうしたことが起こり得ない仕組みを構築することこそが対策であり、少なくとも発販事業の法的分離の必要と考えますが、総理の認識をお尋ねいたします。
 本法案により、原子力規制委員会は、三十年を超えて原発を運転しようとする際に作成する長期施設管理計画の認可を行うこととなりますが、業務が増大する中にあっても、審査に遅れが生じることは、電力の安定供給の観点からも避けられないわけであります。
 そこで、我が党が主導して、法施行後五年以内に政府が行う検討の対象として、原子力規制委員会による審査の効率化及び審査体制の充実を含めた原発の安全の確保のための規制の在り方等を追加する修正案を衆議院に提出し、可決されました。
 しかし、先月、規制委員会では、敦賀原発第二号機に関し日本原電に申請書の再提出を求める行政指導文書を出したり、六ケ所再処理工場の申請書類の不備などで日本原燃に指導を行うといった事案が発生しております。
 総理は、審査に際して、事業者と双方のコミュニケーションの強化が図られているとの旨の答弁をしておりますが、今回の事案でも、依然コミュニケーションの問題に起因すると思われる事案も多く見受けられます。
 原燃では、六万ページに及ぶ申請書のうち三千百ページで不備があり、その内容は落丁や古い設計情報の記載といった事業者側の考えられないようなミスから、ルール浸透やルール整備の不足、設計図書の解釈の誤りによる記載漏れ、記載の誤り、様式不備といったコミュニケーション不足や認識の差によるものまで幅広くあります。原電のケースでは、観察方式を変更した際の理由が記載されていないなど、事前に事務的に確認できていれば防げているような事項で審査が中断した有様です。
 これだけの数のデータ、試験結果に関わる資料を規制委員会が不備とするのであれば、ただ一方的に事業者に非を追求するのではなく、事業者側にそうした間違いが発生しないよう、規制委員会側も、例えば解釈に違いが出ないような統一基準の策定や明示、提出フォーラムの統一化など、工夫を行うべきではないかと考えますが、総理の考えをお伺いいたします。
 日本維新の会は、三月に提言書を経産大臣に手交し、原発責任明確化法案、電力市場自由化促進法案を提出した上でGX推進法や本法案の審議に臨み、政府案をより良いものにすべく衆議院において修正を行ってまいりました。
 これからも、国民にとってより良い実効性のある対案、修正案を提示し、国会審議を通じて政府と真っ正面から向き合い、政策の実現に向けて努力していくことをお約束し、私の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石井章

speaker_id: 8195

日付: 2023-05-10

院: 参議院

会議名: 本会議