岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石井章議員の御質問にお答えいたします。
 電源の脱炭素化についてお尋ねがありました。
 昨年のG7首脳声明で合意された二〇三五年までの電力部門の完全又は大宗の脱炭素化について、大宗の定義はないものの、各国が自国のエネルギーをめぐる状況や技術動向を踏まえ、適切に対応することが重要です。
 我が国としても、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて、まずは第六次エネルギー基本計画で示した二〇三〇年度の電源構成目標の実現に向けて、再エネの最大限導入を始め全力を挙げて取組を進めてまいります。
 化石燃料賦課金の導入についてお尋ねがありました。
 脱炭素に向けた着実な取組は重要である一方、十分な準備期間を設けた上でカーボンプライシングを導入しなければ、産業の空洞化など、経済、国民生活への悪影響が懸念されます。
 このため、成長志向型カーボンプライシング構想では、排出削減と経済成長を共に実現すべく、企業がGXに取り組む期間を設けた上で徐々に水準を引き上げていく方針をあらかじめ示すとともに、二十兆円規模の大胆な先行投資支援などを行うことでGX投資の前倒しを促進することとしております。
 EUが導入する予定の炭素国境調整措置については、日本企業への影響を把握し、日本の製品等に不適切な形で負担が賦課されないよう、EUとの対話をしっかり行ってまいります。
 原子力政策の方針についてお尋ねがありました。
 ロシアによるウクライナ侵略に伴い、歴史上初の世界エネルギー危機とも言われる状況に直面する中で、エネルギーの安定供給と気候変動問題への対応の両立が最重要の国家課題となっています。
 このような状況を踏まえれば、エネルギーを気候変動問題への対応と両立する形で、将来にわたり安定供給する体制を構築すべく、原子力を含め、あらゆる選択肢を確保しておくことが重要です。
 このため、GX基本方針において、原子力を持続的に活用していくべく、安全性向上を目指し、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発、建設に取り組むこととしたものです。
 引き続き、国民の皆様の御理解が深まるよう、国会審議や説明会、意見交換会など、様々な手段で政府の方針を分かりやすく説明してまいります。
 電力不正事案と発送電の所有権分離についてお尋ねがありました。
 一連の不正事案は、電力システム改革の趣旨に反するものであり、極めて遺憾です。経済産業省において、各事業者に対して業務改善命令を出すなど厳正な対応を行っており、また、公開の審議会での議論を踏まえ、今後、再発防止策の実施を含め、公正な競争条件の確保に向けて適切な対応を行うものと承知をしております。
 所有権分離に関しては、中立性を実現する最も分かりやすい形態であるとのメリットが指摘される一方で、エネルギーの安定供給に必要となる適切な電源投資に影響がある可能性や、災害発生時に現在行われているようなグループ一体での迅速な対応が困難になるなど、課題もあると指摘されているものと承知をしております。
 発販分離についてお尋ねがありました。
 公正取引委員会から、以前、小売電気事業者間の競争確保の一つの方策として発販分離が指摘されていたことについて承知をしています。
 一方で、今般の不正事案はいずれもこの発電部門と小売部門との間で発生したものではなく、発販事業の法的分離が事案を受けた改善の取組として必要なものとは承知しておりませんが、いずれにせよ、小売電気事業者間の健全な競争環境を整備すること、これは重要な課題です。
 このため、現在、経済産業省において、公正で安定的な電力取引を実現するための仕組みの構築などについて検討が進んでおり、今後、その結果を踏まえて適切な対応が行われていくものと承知をしております。
 原子力規制委員会の審査についてお尋ねがありました。
 規制委員会において、規制基準をより分かりやすいものにする観点から、基準の更なる具体化や表現の改善を行うため、原子力規制庁や事業者からの意見、提案を収集し、反映させる取組が行われており、また、実際の審査に際しても、公開の会合で指摘事項を事業者と双方で確認し、共通理解を得るなど、コミュニケーションの強化が図られているものと承知をしております。
 今後とも、原子力施設の審査は、高い独立性を有する規制委員会において、審査プロセスの改善、これを図りつつ適切に対応されるものと考えております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-05-10

院: 参議院

会議名: 本会議