岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 岩渕友議員にお答えいたします。
 原発事故の反省と政府の責任の在り方についてお尋ねがありました。
 原子力については、東電福島第一原発事故が起きた反省を踏まえ、いかなる場合もゼロリスクはないとの認識に立ち、世界で最も厳しい水準の新規制基準の策定などの措置を講じてきました。
 今後とも、高い独立性を有する原子力規制委員会が厳格に規制を行っていくという方針に変わりはありません。
 今般の法案では、事故の反省を踏まえ、原子力基本法に、安全神話に陥り、事故を防止することができなかったことを真摯に反省という表現を盛り込み、政府として事故の防止に最善かつ最大の努力をしていく方針を明記しています。
 また、万が一の場合に備え、住民の方々の避難計画や損害賠償等についても、事故の反省と教訓も十分踏まえて、引き続き適切に対応してまいります。
 原発の運転期間についてお尋ねがありました。
 現行の原発の運転期間の定めについては、平成二十四年当時、安全性に関する科学的、技術的見地や政策上の判断も含めた幅広い観点から原子炉等規制法に盛り込まれたものと承知をしています。
 その後、令和二年に原子力規制委員会において、運転期間については、原子力利用政策の判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではないとの見解が決定をされました。これを受け、今般の制度改正は、運転期間に係る定めを利用と規制の観点から峻別し、電気事業法と原子炉等規制法の二つに再整理するものです。
 新たな高経年化規制の下では、利用政策の観点から、運転期間の判断がどうであろうとも、高い独立性を有する原子力規制委員会によって、より高い頻度で、より厳格な審査が法律に基づき行われることになると承知をしており、規制基準への適合性が確認できなければ運転は一切認められないという前提、これに変わりはありません。
 原発事故に対する国の法的責任や、原子力基本法の改正案と高市大臣の答弁との関係についてお尋ねがありました。
 原子力については、東京電力福島第一原子力発電所事故が起きた反省を踏まえ、政府において、いかなる場合もゼロリスクはないとの認識に立ち、世界で最も厳しい水準の新規制基準の策定などの措置を講じています。
 その上で、万が一事故が発生した場合には、原子力損害賠償法等の下、事業者に無限責任を負わせつつ、事業者間の相互扶助スキーム等を整備しており、被害者に対する賠償が迅速かつ適切になされるよう、政府として引き続き責任を持って対応してまいります。
 また、今般の改正は、安全神話に陥り、事故を防止できなかったことを真摯に反省という表現を盛り込み、事故の防止に最善かつ最大の努力をしていく方針を規定するとともに、エネルギーとしての原子力利用を行っていくに当たっての基本的な施策等を規定したものであり、原子力を支援することそのものを国の責務と規定するものではなく、御質問の高市大臣の答弁とは矛盾していないと承知をしております。
 本法案の検討過程についてお尋ねがありました。
 一般に、関係行政機関が関係する政策について必要に応じて情報交換を行うことは、業務の一環として自然なことと承知をしております。
 他方、原子力の規制と利用の分離を徹底する観点から、資源エネルギー庁と原子力規制庁の間におけるやり取りについては、国民に疑念を抱かせることがないよう厳格に対応することが必要であると考えております。
 その上で、原子力規制制度の変更を伴う判断は、公開の原子力規制委員会の場で議論の上決定されることとなっており、御指摘のあったやり取りで規制と利用の分離に問題が生じたとは考えておりません。
 事故の反省と教訓を踏まえて原子力政策に取り組んでいくことは大前提です。今般の法案の目的や内容について国会において御審議いただくとともに、今後とも、国民の皆様の御理解が得られるよう、説明会や意見交換会など様々な手段を通じて政府の方針を分かりやすく説明をしてまいります。
 再エネの出力制御及び系統利用ルールについてお尋ねがありました。
 再エネの出力制御は、電力供給、失礼、電力需給バランスを維持するためのものであり、まずは火力発電の最大限制御や揚水発電等による需要創出、さらには他地域への送電などを行ってもなお供給が需要を上回ってしまう際に限定的に行うものです。出力制御の順番については、コストのみならず、安定供給の観点から各電源の特性を踏まえて決定をされています。今後、出力制御を更に低減するために、蓄電池の導入や地域間連系線の整備などを加速してまいります。
 また、送電線の利用ルールについても、再エネの系統接続がより円滑にできるよう見直しを行いました。こうした取組を通じて、再エネの更なる導入を積極的に進めてまいります。
 我が国の温室効果ガス削減目標とその実現に向けた取組についてお尋ねがありました。
 我が国は、IPCC報告書が示す科学的知見も踏まえ、パリ協定の一・五度目標と整合的な形で、二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年度四六%削減と、五〇%の高みに向けた挑戦、これを掲げております。
 我が国の目標の在り方については、目標年度や具体的な対策、施策の内容等も含め不断に検討していきますが、目標を設定した以上は、あらゆる施策を総動員し、しっかりと実現していくことが重要であると認識をしております。
 政府としては、Sプラス3Eの原則の下、あらゆる選択肢を追求することを前提に、GX基本方針等に基づき、徹底した省エネの推進や再エネの最大限導入、原子力の活用など脱炭素電源への転換を進め、気候変動への対応とエネルギー安定供給を両立してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-05-10

院: 参議院

会議名: 本会議