齋藤健の発言 (本会議)
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○国務大臣(齋藤健君) 牧山ひろえ議員にお答え申し上げます。
まず、名古屋入管における被収容者死亡事案などについてお尋ねがありました。
御指摘の事案については、外部有識者の方々の御指摘等に基づき幅広く問題点を検討し、その結果取りまとめられた改善策を中心として、医療体制の強化等の組織・業務改革に取り組んできました。また、本法案は、旧法案に対する様々な御指摘を真摯に受け止め、監理措置等の収容に関する制度や健康上の理由による仮放免判断の在り方について大きく修正を行ったものです。こうした組織・業務改革、本法案の適正な運用により、何としても再発を防止する覚悟で取り組んでまいります。
次に、野党対策や第三者機関の設置に、対案、野党対案や第三者機関の設置についてお尋ねがありました。
議員立法として提出された法案については、法務大臣として所感を述べることは差し控えます。
その上で、我が国の難民認定制度では、制度と運用の両面から手続の適正性を確保し、保護すべき者を確実に保護しており、第三者機関を設けないことが申請者の保護よりも出入国在留管理を優先しているとの御指摘は当たりません。
次に、難民等の認定手続の在り方についてお尋ねがありました。
我が国では、申請者ごとにその申請内容を審査した上で、難民条約の定義に基づき、難民と認定すべき者は適切に認定しているところです。引き続き、判断を誤ることなく、難民等と認定すべき者を確実に難民等と認定すべく、不断の努力をしてまいります。
次に、全件収容主義についてお尋ねがありました。
現行法下においても、収容の必要性が認められない者については運用上収容することなく手続を進めており、全件収容主義と呼ばれる状態にはありません。その上で、本法案では、収容しないで退去強制手続を進める監理措置制度を創設し、個々の事案ごとに監理措置に付すか収容するか選択することとするなど、条文上も全件収容主義を抜本的に改めることとしています。
次に、監理措置に関する見通しや運用についてお尋ねがありました。
監理措置決定の件数及び監理人確保の見通しについては、退去強制手続の対象となる者の推移にもよるので、一概にお答えすることは困難です。もっとも、できるだけ多くの方々に監理人になっていただくことは、監理措置制度を適正に運用する上で重要と考えています。
そのため、本法案では、旧法案での定期的な届出義務を削除するなど、監理人の負担を軽減したところであり、引き続き、その担い手となる方々に御理解をいただけるよう、丁寧に説明を尽くしてまいります。
次に、三か月ごとの収容の要否の見直しについてお尋ねがありました。
監理措置に付すか否かについては、逃亡等のおそれの程度、当該外国人が受ける不利益の程度等を総合的に考慮して判断することとなります。
次に、収容に関する司法審査や上限についてお尋ねがありました。
本法案においては、収容により本人が受ける不利益の程度等を考慮し、監理措置に付すか収容するか選択することとしており、現行法の原則収容を抜本的に改めるものとなっています。加えて、収容した場合でも、三か月ごとに収容の要否を必要的に見直し、収容判断の適正をチェックする仕組みを導入しています。また、判断に不服がある場合には、行政訴訟を提起して争うことができます。
こうした事前事後の仕組みにより、手続の適正は十分に図られており、事前の司法審査や収容期間の上限を設ける必要はないと考えています。
次に、在留特別許可の考慮事情についてお尋ねがありました。
与野党間で行われた修正協議については、法務大臣としてお答えを差し控えます。
本法案においては、在留特別許可の考慮事情として、家族関係や人道上の配慮の必要性を明記しており、この中で御指摘の子供の利益についても適切に考慮されるものと考えています。
次に、子供に対する在留特別許可等の措置についてお尋ねがありました。
御指摘の子供に関する在留特別許可等の在り方につきましては、重要な問題であると認識しており、現在、もろもろ対応を検討しています。
次に、送還拒否者についてお尋ねがありました。
送還忌避者は、退去強制令書が発付されたにもかかわらず退去を拒んでいる者全般を指しますが、退去強制令書が発付された者は、退去強制手続において在留特別許可の判断を経るとともに、難民該当性を主張する場合には、難民認定手続も経た上で難民に該当せず在留を特別に許可する事情も認められなかった者であり、保護すべき者は適切に保護しているところです。
次に、保護すべき対象及び法令違反者等の送還についてお尋ねがありました。
外国人の入国や在留を認める上で、一定のルールを設けて遵守を求め、これを遵守しない者を退去させることができることは、国際慣習法上確立した原則です。
そして、現行法上、反社会性の高い犯罪を犯した者等は原則として我が国から退去させることとされており、その中には在留外国人が当然遵守すべき入管法違反も含まれています。
ただし、法令違反者又は前科を有する者であっても、個々の事案ごとに諸般の事情を総合的に勘案し、在留を特別に許可される場合もあり得るところです。
次に、特別報告者らの共同書簡に対する対応等についてお尋ねがありました。
特別報告者の見解は国連やその機関である人権理事会の見解ではなく、法的拘束力はないものの、我が国はこれまで、特別報告者を含む特別手続による報告が客観的で正確な情報に基づき正しい理解の下になされるように協力してきました。
今回の書簡は、特別報告者らから本法案の内容を正しく理解せずに一方的に見解が公表されたため、政府として抗議を行ったものです。
次に、共同書簡に対する政府の態度についてお尋ねがありました。
本法案は、国際機関からの指摘を含む旧法案に対する様々な指摘を真摯に受け止め、修正すべき点は修正するとの方針で検討を重ねたものです。そして、特別手続の事務局に対し、一昨年、政府として法案内容を丁寧に説明する用意がある旨申し入れたにもかかわらず、今回、前回と同様に当方から意見を聞くことなく見解が公表されたため、抗議せざるを得なかったものです。
我が国としては、本書簡の回答に際し、本法案の内容やその適正性について十分御理解いただけるよう、丁寧に説明していくつもりです。
過去にも日本政府は、恣意的拘禁作業部会から、カルロス・ゴーン被告人の逮捕、勾留が恣意的拘禁に当たる旨の意見書が公表される場合など、一方的で限られた情報に基づいて不正確な意見が出された場合には、適切に異議の申立てをしてきているところです。
最後に、G7を機に入管、難民政策を抜本的に改善することについてお尋ねがありました。
本法案は、外国人の人権を尊重しつつ、適正な出入国在留管理を実現できるバランスの取れた制度として、日本人と外国人が安全、安心に暮らせる共生社会の実現のための基盤を整備して、我が国の入管、難民政策を改善するものです。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕