齋藤健の発言 (本会議)

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○国務大臣(齋藤健君) 仁比聡平議員にお答え申し上げます。
 まず、ウィシュマ・サンダマリさんに対する医療的対応等についてお尋ねがありました。
 入管庁が外部有識者の意見を踏まえつつ取りまとめた調査報告書では、御指摘のように、ウィシュマさんの体調不良の訴えやバイタルチェックの結果等に関する対応について問題点として指摘しており、これを踏まえた改善策として、人権と尊厳を尊重しつつ職務を行うための使命と心得の策定、被収容者の生命と健康を守ることを最優先に考え行動することを心構えとする救急対応マニュアルの策定などを行い、職員の意識の改革等を図ってきたところです。
 次に、入管庁における拘禁反応の研究についてお尋ねがありました。
 被収容者に対しては、その状態に応じて医師の診療や臨床心理士のカウンセリングを受けさせるなどの対応を行っていることに加え、職員に対しても、精神科医師等による研修を実施するなどして適切な対応が行われるよう努めていることから、入管庁においては、拘禁反応に関する研究等を行った実績はないものと承知しています。
 次に、入管収容施設の死亡事案についてお尋ねがありました。
 入管収容施設の死亡事案については重く受け止めなければならず、死亡事案等が生じないよう適切に処遇を行うことは国の責務であると認識しています。
 過去の死亡事案については、発生の都度、事実確認等を行い、その結果につき、個人に関する情報であることにも配慮しながら必要に応じて公表するなど、適切に対応しており、更なる調査、報告は必要ないと考えています。
 次に、ビデオ映像の国会提出についてお尋ねがありました。
 御指摘のビデオ映像については、これまで国会からの御要請や裁判所の訴訟指揮に適切に従うなどして対応してきましたが、更に広くその全てを国会に提出することについては、保安上の支障の問題やウィシュマさんの名誉、尊厳の問題があることに加え、係属中の訴訟に与える影響も考慮すると、慎重にならざるを得ないと考えます。
 次に、入管当局の判断による収容についてお尋ねがありました。
 現行法下では、被収容者ごとに個別の事情に応じて仮放免を柔軟に活用し収容を解いているため、被収容者は自ら帰国の意思を示すまで自由を奪われ続けるとの御指摘は当たりません。また、御指摘の行政当局の裁量、判断による収容の制度について、網羅的、一般的には把握していないことから、その有無につきお答えすることは困難です。
 次に、監理措置や仮放免についてお尋ねがありました。
 本法案は、監理措置及び仮放免について、判断基準や考慮事情を法律上明確化し、不許可とする場合などにはその理由の告知を行うこととするなど、判断の透明性を高めるための様々な仕組みを整備しています。これにより、合理的な理由のない不許可などを抑止し、判断の公平、適正さを確保できるので、現行法下と収容の在り方が全く変わらないとの御指摘は当たりません。
 次に、入管行政と憲法などについてお尋ねがありました。
 我が国では、憲法や我が国の締結する人権諸条約に従い、出入国在留管理行政を行っています。
 その上で、最高裁判所昭和五十三年十月四日大法廷判決は、憲法二十二条一項は、省略がありますが、国際慣習法上、国家は外国人を受け入れる義務を負うものではなく、特別の条約がない限り、外国人を自国内に受け入れるかどうか、また、これを受け入れる場合にいかなる条件を付するかを、当該国家が自由に決定することができるものとされていることと、その考えを同じくするものと解されると判示しており、現在においても先例性を有しているものと認識しています。
 次に、ノン・ルフールマン原則についてお尋ねがありました。
 送還先はノン・ルフールマン原則を担保する入管法第五十三条第三項に従って決定されるため、同原則に反する送還が行われることはありません。
 次に、送還忌避者や難民認定申請の濫用事案等についてお尋ねがありました。
 一般論として、難民認定手続中である者も、自らの意思に基づき退去を拒んでいる場合は送還忌避者に含まれます。その上で、我が国では、例えば、殺人や強姦致傷等の重大犯罪での服役後に複数回にわたり難民認定申請をする者、観光、留学、技能実習などの在留資格で入国した後に本来の目的から外れた段階で難民認定申請をする者など、難民認定制度の誤用、濫用が疑われる事案もあるものと承知しています。
 最後に、我が国の難民行政についてお尋ねがありました。
 御質問の前提事実が抽象的であることからお答えすることは困難ですが、我が国では、個別の申請者ごとに難民条約の定義に従い難民と認定すべき者は適切に難民と認定しており、難民条約や国際人権水準に照らし許されないとの御指摘は当たりません。(拍手)

発言情報

speech_id: 121115254X02120230512_018

発言者: 齋藤健

speaker_id: 14267

日付: 2023-05-12

院: 参議院

会議名: 本会議