鬼木誠の発言 (本会議)

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○鬼木誠君 立憲民主・社民の鬼木誠です。
 ただいま議題となりました法律案につきまして、会派を代表して質問をいたします。
 まず、国交省OBによる空港施設株式会社への人事介入問題についてです。
 四月二十八日、同社が外部有識者で構成をした役員指名等ガバナンスに関する独立検証委員会による報告書が公表され、国交省職員が、国交省OBで当時副社長に対し、国交省幹部との面談調整や人事に関わる内部調整について、複数回にわたってメールで連絡していたことが明らかになりました。
 大臣はこの間、この案件について、省として調査を行った結果として、現役職員は関与していないと繰り返し答弁なさってきましたが、その答弁が虚偽だったことになります。
 衆参国交委員会での、この案件の調査は第三者が厳格に行うべきとの声に応えず、内部調査にとどめた結果がこれです。大臣の調査指示が曖昧で緩いものだったのか、大臣の指示が省内で軽んじられたのか、どちらなのでしょうか。
 五月十日、そして十二日の衆議院国土交通委員会において、我が党の城井議員を始め複数の議員がこの件について問いただしたところ、空港施設だけでなく他の外部の者にも人事情報が送信されていることが答弁されたものの、その詳細は明らかにされず、全省における詳細な調査や再就職等監視委員会への申出については行わないという信じ難い答弁がなされています。これはまさに、省として全容を究明するつもりはない、省を挙げて隠蔽を図るという意思表明にほかならないのではないですか。
 大臣官房総務課から送付された人事情報は、どのような意図を持ってどこに送付されたのか、直ちに明らかにすべきと考えますが、いかがですか。
 その中には百七十三件の非政府系アドレスが含まれており、この間、慣習的に情報提供がなされてきた旨が答弁されていますが、問題は、退職者などの人事情報を国交省OB個人にもメールをしていることです。このような情報が、今回以外にも他の民間会社の人事介入に使われていた例はないのですか。違法性はないのか、そして、なぜ公表前の人事情報を民間団体や個人、OBに送付する必要があるのか、その合理的な理由をお答えください。また、少なくとも送付した全てのアドレスの属性は明らかにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 加えて、送付された人事情報には退職予定者も含まれており、再就職あっせんとの関連を疑わざるを得ません。否定されるのであれば、その根拠をお示しください。
 さらに、官製パソコンを使い、国交省のアドレスから発信し、省内各部署、出先機関が宛先となっている文書を、何と国交省は、公文書ではないと強弁しています。大臣は、この公文書ではないという国交省の説明を妥当だと本気でお考えですか。政治家の矜持に懸けて御答弁ください。
 また、公文書ではないので国会に示さないというのなら、これまで国交省において公文書以外の文書は何一つ国会に示したことはないと言い切れるのか、お答えをいただきたいと思います。
 これら以外にも明らかにすべき課題は数多くあります。OBも含めた組織的な再就職あっせん等の疑念がある中、国交省として再調査を否定されるのはなぜですか。改めて第三者による厳格かつ徹底的な調査を全省的に行い、全貌を明らかにしていただきたいと考えますが、国土交通大臣の見解を求めます。
 それでは、法案についてお尋ねをいたします。
 高速道路は、国民生活や社会経済活動を支える基幹的インフラであり、共有の財産です。したがって、その整備、適切かつ計画的な補修、更新等を行うことで、高速道路の機能を将来にわたり維持、継続し、良好な状態で次世代に継承していかなければなりません。そして、それを進めるに当たっては、利用者である国民の声を聞くことが肝要です。
 この点、高速道路政策に対する政府の基本認識を問うとともに、国民の声にしっかりと耳を傾ける必要性について、国土交通大臣の見解を伺います。
 戦後、我が国の高速道路は、建設等に要した費用を料金収入により賄う償還制度の下で整備が行われてきました。そして、建設等に要した債務の完済後に料金徴収を終了し、無料開放するとされてきました。
 しかし、実際には、道路公団時代から現在に至るまで、幾度も料金徴収期間が延長されてきました。二〇一四年には、高速道路の更新財源を確保するため、料金徴収期限を十五年延長する法改正が行われ、そして今回、更新、進化の財源を確保するためとして、料金徴収期限を更に五十年延長し、無料開放の期限を二一一五年とする法案が提出をされています。二一一五年といえば九十二年後です。ほとんどの国民にとって、今回の法案は永久有料化の宣言にほかなりません。
 抜本的な解決策を示すことなく、ただただ料金期限を九十二年後まで延長するという今回の法案は、国民に対して極めて不誠実です。二一一五年までに高速道路を無料開放するとの説明を国民は誰も信じないと考えますが、国土交通大臣の見解を求めます。
 本法律案では、料金徴収期限までの間、債務返済期間を五十年以内で設定しつつ、逐次、必要な事業を追加する仕組みとされています。つまり、債務返済期間の末日が二一一五年九月三十日に達するまでの間は、法改正を経ずに料金徴収を継続することが可能となります。
 つまり、本法律案は、法改正を通じた国会の高速道路事業への関与を逃れる作りとなっています。なぜ、二〇一四年の法改正時のように、追加する事業の費用を確保するために必要な期間について、国会での審議を経て、料金徴収を延長する形としなかったのか、国土交通大臣の説明を求めます。
 高速道路の更新事業について伺います。
 二〇一四年の法改正時の国会審議において、政府は、今回の対応以降、次々と更新需要が生じることにはならないと答弁していました。しかし、それから十年とたたず、計一・五兆円の新たな更新需要が明らかとなりました。そして、現在の料金徴収期限が四十年以上先であるにもかかわらず、これを更に五十年延長する法案が提出されました。次々と更新需要が生じることにはならないとの政府答弁はその場しのぎの言い逃れだったとしか思えません。あるいは、政府自らが次々と更新需要をつくり出しているようにしか見えません。
 前回の法改正から十年とたたず、再度料金徴収期限の延長を求めることの責任は誰にあるとお考えですか。国土交通大臣に伺います。
 また、二〇一四年の法改正時に政府は、法改正の理由を、高速道路の更新に必要な財源を確保するためであり、料金徴収期間を延長して確保した財源は、新規建設事業に充てることなく、更新事業のみに充てると答弁していました。
 しかし、実際には、NEXCO三社などの全国路線網や阪神高速道路において、十五年延長した追加的な料金負担分を活用して、更新事業以外の新規建設等の追加事業が実施をされています。
 これは、新規建設事業に充てることなく、更新事業のみに充てるとの政府答弁や、道路建設の歯止めの観点から料金徴収期限を法定し、民営化から四十五年以内に新規建設などによる債務を完済するとした道路公団民営化の趣旨に反するものです。このような事業を行うことについて、国民に対し十分な説明もなされていないと考えますが、国土交通大臣の説明を求めます。
 あわせて、NEXCO三社の追加事業について、事業費の大きい事業をその金額とともに具体的にお示しください。
 次に、機構が作成する償還計画の根拠となる将来調達金利の見通しと将来交通量の推計についてお尋ねします。
 まず、将来調達金利の見通しについて、機構は、二〇二二年度で一・一八%、二三年度で一・六一%、二四年度二・二四%、二五年度三・一二%、二六年度以降四%と設定をしています。民営化以降、償還計画の更新のたびに、およそ五年で四%に駆け上がる見通しを繰り返しています。機構はその理由を、過去の金利水準を参考に金利上昇リスクを勘案をしたと言いますが、そのような金利の急上昇は、民営化以降、生じていません。
 内閣府が今年一月に経済財政諮問会議に提出をした中長期の経済財政に関する試算によれば、名目長期金利は成長実現ケースでも二〇二六年で一・一%、推計最終年度の二〇三二年度でも三・六%にすぎません。
 なぜこの成長実現ケースですら想定し得ない速度で機構の調達金利が上昇するのか、全く分かりません。機構を所管する国土交通大臣にその理由をお伺いします。
 また、調達金利が四%に達するという事態が現実となった場合、国民生活に大きな影響が生じると思いますが、経済財政政策担当大臣の見解を伺います。
 機構は何十兆円もの債務を抱えており、将来金利の見通しが高速道路の債務返済へと直結し、国民の料金負担に多大な影響を与えます。にもかかわらず、機構の将来調達金利の見通しは、その根拠に乏しく、非常に雑に設定されているとしか見えません。
 将来金利の上昇速度は、実勢を踏まえた水準、明確な根拠に基づく水準に見直すべきだと思いますが、国土交通大臣の見解を伺います。
 また、機構による将来交通量の推計は、国土交通省が算出をした総交通需要予測に基づき各高速道路の利用割合を加味して作成をされており、将来調達金利と同様、債務返済の見通しの根拠となる重要な指標です。
 しかし、その実績値は十分に公表されておらず、なぜ公表していないのかの理由も不明です。実績値が分からなければ、国や機構の将来交通量の見通しが正しかったのか検証することもできず、償還計画の妥当性の評価もできません。全国路線網、地域路線網、一の路線の、それぞれの走行台キロベースの交通量の実績値は国民に対する説明として毎年公表すべきと思いますが、国土交通大臣の見解を伺います。
 橋梁、トンネル等の道路の構造物については、二〇一四年度から、五年に一回の頻度で定期点検が義務化をされました。同時に、高速道路整備の費用負担の仕組みや料金制度、追加する事業の妥当性、債務返済の状況などについても定期点検が必要です。そして、それは、国土交通省、機構、高速道路会社や有識者だけが行うのではなく、行政監視の機能を担う国会においても行われるべきだと考えます。
 本法律案が成立した場合、料金徴収や債務返済の期間の在り方について直接国会が関与する機会が少なくなります。したがって、改正を行うのであれば、国会において高速道路事業や制度の定期点検を行うため、政府は国会に対し高速道路事業の実情に関する情報を定期的に報告すべきではないでしょうか。国土交通大臣の見解を求めます。
 今後、我が国では、道路の老朽化の進行に加え、人口の減少なども見込まれており、高速道路を含む道路ネットワーク全体の維持管理、更新等に関し、社会経済情勢の変化を踏まえた持続可能な整備の在り方について議論を深め、国の考え方を明確に示すことが必要です。
 しかし、償還主義など、費用負担の基本的な考え方は、今回の法律案では何も変わっていません。この仕組みが二十二世紀まで持続できるとは思えません。構造物に基礎から造り替える更新が必要なように、その制度や仕組みについても抜本的な見直しが必要ではないでしょうか。
 将来世代に議論を先送りすることなく、今、私たちが、これからの時代に合った真に国民のためになる新たなスキームをつくり出すことが求められていると考えます。未来を見据え、高速道路制度の抜本的な見直しを行う必要性について、国土交通大臣の御認識をお伺いをいたします。
 高速道路の開通から約六十年。取り巻く環境は大きく変化してきました。より遠くへ、より早くの実現により獲得をした利便は成長と豊かさをもたらしましたが、その果実は全ての人には行き渡らず、格差を生み、社会のひずみを明らかにしました。
 一方で、与え続けた環境への負荷は閾値を超えつつあり、脱炭素という重たい課題が提起をされています。カーボンニュートラルの課題とは、私たちが何をしてきたのかという問いであり、高速道路もその文脈の中で在り方が問われています。
 過去との向き合いから目を背け、安易に課題を先に送るだけの本法案は、まさに岸田政権の本質を表しており、未来への責任を放棄するものであることを重ねて指摘をし、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121115254X02220230515_004

発言者: 鬼木誠

speaker_id: 19708

日付: 2023-05-15

院: 参議院

会議名: 本会議