斉藤鉄夫の発言 (本会議)
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○国務大臣(斉藤鉄夫君) 浜口誠議員の御質問にお答えします。
まず、高速道路に対する基本認識についてお尋ねがありました。
高速道路は、極めて公共性が高い国民共有の財産であると認識しております。生産財か消費財かについては、企業が利用する場合は生産財となり、家庭が旅行する場合は消費財となるなど、利用者の用途により位置付けが変わると認識しております。
次に、高速道路のあるべき姿についてお尋ねがありました。
高速道路については、我が国の経済活動や国民生活を支える重要なインフラであり、その機能を将来にわたって維持するとともに、社会的要請を踏まえて進化していく必要があると、このように考えております。
次に、高速道路の無料開放は認められないとの意見に対する見解についてお尋ねがありました。
平成二十六年の法改正の附帯決議では、債務完済後の渋滞対策のため料金徴収を継続すべきとの御意見と、有効活用の観点から無料化すべきとの御意見があったことも踏まえ、今般の改正法案は、従来と同様、債務完済後に無料公開する仕組みといたしました。
一方、維持管理や修繕は永続的に必要なため、渋滞対策や有効活用の観点も含め、有識者などの御意見を伺いつつ、将来の有料道路制度について議論してまいりたいと思います。
次に、民営化の検証方法についてお尋ねがありました。
民営化から十年後の平成二十七年に有識者会議を設置し、高速道路機構と高速道路会社のそれまでの成果や課題などを取りまとめたところでございます。
次に、民営化の成果と課題についてお尋ねがありました。
先ほど申し上げた有識者会議の検証結果によれば、民営化の成果としては、有利子負債の着実な減少や休憩施設の売上増加などが挙げられます。一方、課題としては、高速道路機構と高速道路会社は、安全、安心など民営化時に明示されていない役割も含め、これまで以上に社会的役割を果たすことが必要との御意見を有識者からいただいているところでございます。
次に、償還主義と料金プール制についてお尋ねがありました。
道路は、国民共有の財産で、極めて公共性が高く、無料公開が原則であることを踏まえ、有料道路制度は、一定期間内の料金収入で建設に要した債務などを完済する償還主義を採用しています。また、全国路線網などにおいては、整備時期の違いなどにより路線ごとに料金差を生じさせないため、負担の公平性の観点からプール制を活用しています。
償還主義については、無料公開後の維持管理などのための財源確保が課題であると認識しています。プール制については、過去、不採算路線の建設につながるとの批判もあり、客観的な評価などにより必要性を確認しつつ、ネットワークの整備を進めていくこととしております。
次に、過去の料金徴収期間の延長についてお尋ねがありました。
全国路線網においては、昭和四十七年にプール制を導入した際の償還期間は三十年でした。その後、新規建設路線の増加などに伴い、償還期間を四十年、四十五年と延長し、民営化時には、債務の確実な返済や道路建設への歯止めの観点から、料金徴収期限を二〇五〇年と法定化しました。また、平成二十六年の法改正において、更新需要を賄うため、料金徴収期限を十五年延長しています。全国路線網を例として、このような償還期間の延長、料金徴収期限の法定化及び延長を数えますと、四回改定したことになります。
次に、永久有料化による料金引下げについてお尋ねがありました。
仮に永久有料化した場合は、今後の更新事業などの規模にもよりますが、高速道路会社が高速道路機構に支払う年間の貸付料を減額できる可能性があり、それに応じた料金引下げも考えられます。一方、料金引下げは、激しい渋滞の発生や他の交通機関への悪影響などのデメリットがあると考えています。また、料金を取り続けることについては賛否両面の意見があることから、引き続き検討が必要であると考えております。
次に、対距離制料金の課題についてお尋ねがありました。
対距離制の課題としては、定額制と比較して料金徴収事務の負担が増加することや、出口料金所の設置のため、道路の構造が大きくなることなどが挙げられます。
なお、有識者から、受益者負担や原因者負担の考えに立ち、公平性の観点から対距離制を基本とすべきとの御意見をいただいております。
次に、高速道路の分担率についてお尋ねがありました。
高速道路の分担率について、欧米の約三割に対し、日本は約二割と低い状況です。これは、ミッシングリンクが存在することや暫定二車線であること、地形的制約の中での建設コストに起因する高速道路料金などが原因であると考えております。これに対し、ミッシングリンクの解消、暫定二車線区間の四車線化、利用しやすい高速道路料金などの取組を進め、高速道路の利用促進を図ってまいりたいと思っております。
次に、高速道路の分担率の引上げ効果についてお尋ねがありました。
過去の試算によれば、高速道路の分担率を三割に引き上げた場合、死傷事故率の減少により、年間死者数は約一〇%、年間負傷者数は約二五%減少すると見込まれます。また、燃費の向上により、自動車の年間消費燃料は約五%減少し、一般道路の渋滞緩和により、年間の渋滞損失時間は約一〇%減少すると見込まれます。
次に、割引制度についてお尋ねがありました。
高速道路の料金については、観光振興や沿道環境の改善など、それぞれの政策課題の解決のため、きめ細やかな割引を導入しています。具体的には、休日割引や深夜割引などを導入しており、これらの割引の総額は、令和元年度において約九千億円となっています。
次に、割引に代えた料金全体の引下げについてお尋ねがありました。
仮に割引を廃止し一律に料金を引き下げた場合、政策課題が十分に解決されないことに加え、激しい渋滞の発生や他の交通機関への悪影響などのデメリットがあると考えています。
次に、過去に実施した試算についてお尋ねがありました。
議員御指摘の試算については、平成三十年度において、将来の調達金利が一・一六%で続くと仮定して実施したものであり、それ以降試算を行っておりません。
次に、将来の調達金利の引下げによる料金引下げについてお尋ねがありました。
将来の調達金利については、償還期間内の確実に債務を返済する必要があることから、将来の金利上昇にも備え、中長期的な観点から、現時点の水準から四%まで徐々に引き上げ、その後一定となるよう設定しており、この設定が妥当であると考えております。
次に、定額料金制の社会実験についてお尋ねがありました。
御提案の定額制料金の導入は、激しい渋滞の発生や他の交通機関への悪影響、安定的な債務返済が難しくなる可能性があるなどデメリットがあると考えています。このため、御提案の社会実験を直ちに実施することは困難であると認識しております。
次に、定額制料金の効果についてお尋ねがありました。
御提案の定額制料金を導入した場合、地域間交流を通じた地域経済の活性化などの効果が期待されると考えています。
なお、定額制料金については、先ほど申し上げたデメリットもあると考えております。
次に、高速道路における充電器などのインフラ整備計画についてお尋ねがありました。
充電器につきましては、NEXCOの休憩施設で現在五百十一口が整備されており、令和七年度までに約千百口まで拡充することとしています。また、水素ステーションについては、東名高速道路の足柄サービスエリアで、年内の開業を目指し、整備を進めております。
国土交通省としては、関係機関や高速道路会社などと連携し、技術の進展や社会的要請などを踏まえ、高速道路の機能を高めるためのインフラ整備を促進してまいります。
最後に、総合的な交通ネットワークの構築についてお尋ねがありました。
交通ネットワークは安全、安心で利便性の高い国民生活や社会経済の健全な発展を支える社会基盤であると考えており、高速交通ネットワークの整備や地域公共交通のリデザインなどの取組を進めているところです。
また、交通ネットワークがその機能を十分に発揮するためには、各交通モードがそれぞれの特性に応じて役割を分担した上で、有機的かつ効率的に連携することにより、シームレスな総合交通体系としていく必要があると考えております。こうした考え方を本年夏に策定予定の新たな国土形成計画に位置付けた上で、国として必要な取組をしっかりと進めてまいります。
以上です。(拍手)
〔国務大臣岡田直樹君登壇、拍手〕