斉藤鉄夫の発言 (本会議)
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○国務大臣(斉藤鉄夫君) 田村智子議員にお答えいたします。
まず、平成二十三年の再就職等規制違反に係る事案についてお尋ねがありました。
御指摘の事案は、平成二十三年二月から三月にかけてなされた当時の国土交通審議官による言動が国家公務員法で禁止された再就職のあっせんに該当するのではないかとの点について、当時、再就職等監視委員会が立ち上がっていなかったことを踏まえ、国土交通省において調査を実施いたしました。
その後、平成二十五年三月二十六日に、再就職等監視委員会より国家公務員法第百六条の二第一項の規定に違反する行為に該当すると認定を受けたものと承知しております。
次に、再就職等監視委員会の調査などについてお尋ねがありました。
四月二十八日に公表された報告書を踏まえ、国土交通省において事実関係の確認を行った結果、現役職員から山口氏に対し異動情報の送付があった事実が確認されました。このうち、いわゆる線引きには退職予定者を含む内示対象者の異動情報が記されておりましたが、これは、再就職をあっせんし得るような地位にない若手職員が、内示を受けた者から開示された情報を基に異動前後における業務の円滑化等を目的として作成したものであり、省内職員を中心に慣習的に広く共有されてきたものでありました。また、作成者は、あっせんを目的としたものではなく、上司から指示を受けたものでもないと明言しております。
以上のことから、今回の異動情報の送付は、あっせん規制違反の要件である営利企業等の地位に就かせることを目的とした情報提供ではないため、再就職等規制違反には当たらないと認識しております。なお、この点については弁護士等にも速やかに確認することとしております。
国家公務員法において、任命権者は、現役職員や職員OBに再就職等規制違反行為を行った疑いがあると思料するときは、その旨を再就職等監視委員会に報告するものとされています。山口氏への異動情報の送付は、疑いがあると思料するときには当たらないことから、同委員会に報告すべき状況にはないと考えております。
今後、再就職等規制違反行為を行った疑いがあると思料するべき事実が明らかになった場合には、適切に対処してまいります。
次に、今般の改正法案に関する検討の経緯についてお尋ねがありました。
社会経済情勢などについては、約百年にわたる長期的な見通しを正確に予想することは困難です。このため、今般の改正法案については、現行の交通機関が続くことを前提に、人口減少などに伴う交通量減少など、現時点における見通しを踏まえた制度としたところでございます。
次に、更新事業の中長期計画についてお尋ねがありました。
有料道路制度においては、高速道路会社が更新などの計画を策定し、これを国土交通大臣が事業許可する仕組みとなっています。今般の改正法案は、明らかとなった更新需要に応じ、逐次、料金徴収期間を延長する制度としており、高速道路会社が具体の計画を策定するため、政府として、現時点で中長期的な計画を策定する予定はありません。
次に、百年先まで見越した法改正ができる理由についてお尋ねがありました。
今般の改正法案では、今後更新が必要となる蓋然性が高い箇所も含めた更新需要を賄うため、料金徴収を二一一五年まで継続する必要があるとの試算結果などを踏まえ、料金徴収期限を設定しております。
次に、二一一五年の料金徴収が終了する根拠についてお尋ねがありました。
今般の改正法案では、今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所を含めた更新需要を賄うことができるよう、料金徴収期限を二一一五年としています。なお、例えば、現在の橋梁設計基準では性能発揮を期待する期間を百年としているなど、今後新設される道路は長期の健全性が確保されます。
次に、今般の改正法案の妥当性についてお尋ねがありました。
今般の改正法案では、今後更新が必要となる蓋然性の高い箇所も含めた更新需要を賄うため、料金徴収期限を二一一五年としました。また、例えば、橋梁を現在の基準で取り替える方法により更新した場合、先ほど申し上げたとおり、長期の健全性が確保されます。更新により将来世代も受益することや、構造物の健全性が確保される期間と料金徴収期間とのバランスを踏まえ、今般の改正法案は妥当と認識しております。
次に、笹子トンネル天井板崩落事故の原因究明に対するNEXCO中日本への働きかけについてお尋ねがありました。
事故後、国土交通省に設置した有識者による調査・検討委員会において、天井板の落下原因とともに計画変更の理由なども報告がなされております。NEXCO中日本では、この報告書などを踏まえ、再発防止の徹底や安全、安心に向けた取組を進めるとともに、御遺族に対して計画変更の経緯を含めて事故の原因を説明するなど、真摯に対応してきたと承知しております。
国土交通省としましては、引き続き、御遺族や被害に遭われた方々に対し真摯に対応するようNEXCO中日本を指導してまいります。
次に、笹子トンネル天井板崩落事故の背景についてお尋ねがありました。
御指摘の民営化に伴うコスト縮減については、安全性を確保する前提の下で単価や組織などについて見直したものです。したがって、コスト縮減の方針がこの事故の原因であるとは認識していません。
次に、笹子トンネル天井板崩落事故に対する政府の責任についてお尋ねがありました。
この事故の発生前から高度成長期に整備された道路構造物の老朽化が今後集中的に進むと指摘されており、各道路管理者で必要な維持管理や修繕を進めてきました。この事故については、天井板をつり下げる部材の施工、経年劣化、点検体制の不十分さが原因とされており、高速道路会社の責任により適切な頻度での点検の実施など、再発防止に取り組んできたところです。
国土交通省としましては、引き続き、安全、安心な社会の構築に向けて、高速道路会社と連携して取り組んでまいります。
次に、新規建設への料金の充当と過去の説明との整合性についてお尋ねがありました。
平成二十六年の法改正時には、その時点の償還計画に含まれる新設、改築に係る債務は二〇五〇年までに返済するという民営化の方針を堅持することとしました。その後、地方自治体の提案を踏まえ、有識者委員会で御議論いただきつつ、料金徴収期限までの追加的な料金収入などを活用して、ネットワーク強化などの事業を追加しています。
次に、更新事業の法律上の担保についてお尋ねがありました。
更新事業は、適切に実施されなければ高速道路の安全が確保されません。このため、業務実施計画の認可の要件として、更新事業により貸付期間の満了の日においても道路構造が通常有すべき安全性を有すると見込まれることを法律に規定しています。これにより、法令上、必要な更新事業が優先して実施されることが担保されています。
次に、高規格幹線道路の建設についてお尋ねがありました。
高規格幹線道路網は、昭和六十二年の第四次全国総合開発計画において、長期的に約一万四千キロメートルのネットワークを形成することが構想されたものです。この計画をもってその全ての整備を決定するものではなく、個々の事業は、地域のニーズや交通課題などを踏まえ、客観的な事業評価を行った上で実施しています。
国土交通省として、経済社会情勢の変化や国民のニーズの変化などに対応できるよう、必要な道路整備を推進してまいります。
次に、暫定二車線区間の四車線化の事業化についてお尋ねがありました。
災害に強い道路ネットワークの構築に向けた暫定二車線区間の四車線化により、速達性や定時性、安全性などの機能を確保することは重要であると考えています。個別の区間の事業化については、財源の確保状況や箇所ごとの緊急性も踏まえ、有識者の御意見を伺った上で、高速道路会社と連携して適切に判断を行っていくものと考えています。
次に、個々の道路計画の必要性の精査についてお尋ねがありました。
各地域の個々の道路計画については、現状の交通課題や地域の将来ビジョンを踏まえた広域道路ネットワーク計画に基づき進めています。個々の事業実施に当たっては、地域のニーズや交通課題などを踏まえ、客観的な事業評価を行った上で実施してまいります。
次に、新規事業と更新事業の両立についてお尋ねがありました。
高速道路会社においては、現在、新規事業や更新事業に取り組んでおり、事業の展開に応じ、必要な資金、資材などを確保することにより事業を進めているところです。
また、今後の事業の全体像のうち着手済みの事業については、高速道路会社が事業の計画を反映した収支予算の明細を含んだ事業許可を申請し、国土交通大臣が協定との適合性などを確認した上で許可をしております。今後、新たに着手する事業についても、これらと同様の流れになります。
最後に、トラックから貨物鉄道輸送へのモーダルシフトについてお尋ねがありました。
貨物輸送については、自動車、船舶、鉄道、航空など、それぞれのモードのインフラや特性を生かした適切な役割分担の下で安定的な輸送が確保されることが重要と考えております。
その中で、貨物鉄道は、環境に優しく、効率的な大量輸送機関としてますます大きな役割を担っていくことが期待されます。こうした問題意識に立って、昨年、国土交通省に設置した有識者会議において、貨物鉄道輸送の拡大に向けて、十四の課題とその解決方策を提言いただいたところです。
国土交通省としては、基幹的な鉄道ネットワークを適切に維持しつつ、この提言に基づき、関係省庁やJR貨物等の関係者と連携して必要な取組を着実に進めてまいります。
以上です。(拍手)