岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 横沢高徳議員の御質問にお答えいたします。
 まず、核兵器のない世界に向けた具体的な取組についてお尋ねがありました。
 今次サミットでは、参加したG7首脳に被爆の実相に触れていただき、その上で胸襟を開いた議論を行って、核兵器のない世界へのコミットメント、これを確認いたしました。これらを踏まえ、今回、核軍縮に関する初めてのG7首脳独立文書となるG7首脳広島ビジョンを発出したことにより、核兵器のない世界に向けた国際的な機運、これをいま一度高めることができたと考えています。
 核兵器禁止条約は核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加しておりません。G7首脳広島ビジョンについて、様々な受け止め、御意見があることは承知しておりますが、G7首脳広島ビジョンを強固なステップ台として、核兵器国の関与を得るべく努力を継続するとともに、ヒロシマ・アクション・プランのこの内容を一つ一つ実行に移していくことを通じて、現実的で、そして実践的な取組を継続、強化してまいります。
 そして、サミットにおけるロシアによるウクライナ侵略に関する議論についてお尋ねがありました。
 G7では他国の発言は紹介しないことになっており、首脳間の議論の詳細を説明することは困難ですが、ウクライナに平和をもたらすための具体的な努力の在り方については様々な意見が交わされました。その上で、G7首脳は、厳しい対ロ制裁と強力なウクライナ支援を継続していくことを確認するとともに、ロシア軍の撤退なくしては平和の実現はあり得ないことを強調し、ウクライナに平和をもたらすため、あらゆる努力を行うことを確認をいたしました。同時に、G7首脳と招待国との間でも、世界のどこであっても力による一方的な現状変更の試みは許さず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くことが重要であるとの点で一致をいたしました。
 防衛財源の確保のための歳出改革についてお尋ねがありました。
 歳出改革については、社会保障関係費以外の経費を対象とし、これまでの歳出改革の取組を継続する中で、令和五年度予算において約〇・二兆円の防衛関係費の増額を確保したところです。令和六年度以降も、政府・与党連携して、毎年度の予算編成において新たな行政事業レビュー等を活用して歳出改革を継続し、令和九年度時点において令和四年度と比べて一兆円強の財源を確保してまいります。
 税制措置や歳出改革を含めた防衛力強化のための財源確保策の全体の方針については、昨年末に閣議決定した防衛力整備計画や政府税制大綱においてお示ししており、国会審議等においても御説明しているところです。
 今回の財源確保法案は法律上の手当てが必要となる措置に限って盛り込むこととしており、歳出改革についてはその実施に法律上の手当てが不要であるため本法案に規定はしておりませんが、方針が変わることはありません。引き続き、行政の無駄や非効率を排除し、行財政改革の努力を尽くすことで将来にわたって維持強化していく防衛力を支えるしっかりとした財源を確保することができるよう、歳出改革に取り組んでまいります。
 防衛力強化と子供予算倍増に向けた歳出改革についてお尋ねがありました。
 まず、防衛力の抜本的強化に当たっては、その具体的内容、予算、財源を一体的に国民にお示しするとの方針を昨年の通常国会から一貫して申し上げ、一年以上にわたって、有識者会議や与党ワーキングチーム、与党税制調査会など、活発な議論を積み重ねており、短い期間で決定したわけではありません。
 その上で、その財源確保に当たっては、決して増税ありきではなく、国民の御負担をできるだけ抑えるべく、社会保障関係費以外の経費を対象とした歳出改革等の取組を進めることとしております。
 また、少子化対策の財源確保に当たっては、全世代型社会保障を構築する観点から、歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用を行うこととしており、こうした歳出改革の徹底により、国民の実質的な負担を最大限抑制してまいります。
 こうした方向性に基づき、六月の骨太方針までに次元の異なる少子化対策を実行に移していくためのこども未来戦略方針を取りまとめ、国民の皆様にお示ししたいと考えております。
 復興特別所得税についてお尋ねがありました。
 防衛力強化のための税制措置については、復興特別所得税の税率を引き下げた上で、その下げた範囲内で新たな付加税をお願いすることとしており、現下の家計の所得の負担増にならないよう配慮しております。また、二〇三八年以降も付加税が続くことについて、経済成長と構造的な賃上げの好循環を実現することにより、経済全体の中で負担感を払拭できるよう、政府として努力をしてまいります。
 このことは、将来への、将来世代への先送りすることなく、今を生きる我々の将来世代への責任として、今回の税制措置での御協力をお願いすることと矛盾するものではないと考えております。
 加えて、復興特別所得税の課税期間の延長幅は、復興財源の総額を確実に確保するために必要な長さとされているため、復興事業に影響を及ぼすことはないと考えております。したがって、復興の理念をないがしろにしていないかという指摘は当たらないと考えております。
 政府としては、こうした方針について、今後も、様々な機会を通じて、被災地の皆様や若い世代の方々を含め御理解をいただけるよう、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。
 政策選択と予算配分の在り方についてお尋ねがありました。
 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、防衛力を抜本的に強化する決断をいたしました。国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行った上で、必要となる防衛力の内容を積み上げ、防衛費の規模を導き出しており、必要な予算であると考えております。
 同時に、少子高齢化が急速に進む中、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいくことが重要です。
 こうした考え方に基づき、令和五年度予算では、社会保障関係費を約三十七兆円計上しており、これは一般歳出の五割を占めるものです。さらに、子ども・子育て政策の抜本的強化に取り組んでおり、六月の骨太方針までに将来的な子ども・子育て予算倍増に向けた大枠、これを提示いたします。
 岸田政権は、安全保障と社会保障、どちらか一方という二者択一の問題ではなく、政治の責任として、共に必要な予算額を措置し、必要な政策、これを実現してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-05-24

院: 参議院

会議名: 本会議