岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 梅村聡議員からの御質問にお答えいたします。
G7広島サミットを踏まえた防衛力整備の計画についてお尋ねがありました。
国民の命や暮らしを守り抜く上で、まず優先されるべきは外交努力です。G7広島サミットでは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くとのG7の強い意志を示すことができました。
同時に、外交には裏付けとなる防衛力が必要です。今般の防衛力の抜本的強化については、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行い、必要な防衛力の内容を積み上げました。この取組を着実に実施し、抑止力、対処力を向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させていく考えであり、防衛力整備計画を含め、こうした方針には変わりはありません。
先般のG7広島サミット及び日米首脳会談における核抑止に関する議論についてお尋ねがありました。
今次サミットでは、G7や招待国等の首脳とともに、被爆の実相に触れ、これを粛然と胸に刻む時を共有いたしました。
今般発出したG7首脳広島ビジョンでは、核兵器のない世界へのコミットメント、これを再確認するとともに、厳しい安全保障環境を踏まえ、核兵器が存在する限りにおいて、その果たすべき安全保障上の役割についてのG7の認識、これを示しました。
今回の日米首脳会談では、バイデン大統領から、核を含む米国の能力によって裏付けられた、日米安保条約下での日本防衛に対する米国のコミットメントが改めて表明され、私とバイデン大統領は、そうした文脈で、あらゆる段階において二国間の十分な調整を確保する意思や、拡大抑止に関する議論の一層の強化の重要性、これを改めて確認をいたしました。
今次日米首脳会談でも改めて確認したとおり、米国の拡大抑止は現状の我が国の安全保障にとり不可欠です。国民の生命と財産を守り抜くため、こうした現実を直視し、国の安全保障を確保しつつ、同時に、現実を核兵器のない世界という理想に近づけていくべく取り組むこと、これは決して矛盾するものではありません。
核抑止の維持強化を含め、現実の安全保障の脅威に適切に対処しながら、核兵器のない世界に向けて現実的かつ実践的な取組を進めてまいります。
防衛力強化をめぐる様々な意見に対する受け止めについてお尋ねがありました。
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、防衛力を抜本的に強化する決断をいたしました。この強化される防衛力は、将来にわたって維持強化していかなければならず、これを安定的に支えるため、令和九年度以降、裏付けとなる毎年度約四兆円のしっかりとした財源が不可欠です。
防衛力強化のための財源確保については、国民の御負担をできるだけ抑えるべく、行財政改革を徹底して行うこととし、それでも足りない分について、将来世代に先送りすることなく、今を生きる我々の責任として対応すべきものと考えており、国民の皆様に税制措置での御協力をお願いしたいと考えております。また、その際にも、現下の家計の所得や九四%の法人にとって負担増とならないよう十分な配慮をすることとしております。
御指摘の世論調査を含め様々な意見があることは承知しておりますが、こうした政府の方針について国民の皆様に御理解いただけるよう、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。
歳出改革についてお尋ねがありました。
防衛力強化のための財源確保に当たっては、決して増税ありきではなく、国民の御負担をできるだけ抑えるべく、徹底した行財政改革の努力が不可欠です。
その中で、議員御指摘の歳出改革については、防衛関係費が非社会保障関係費であることを踏まえ、社会保障関係費以外の経費を対象とし、骨太方針に基づき、これまでの歳出改革の取組を継続する中で財源を確保することとしております。
その上で、少子化対策の財源確保に当たっては、全世代型社会保障を構築する観点から、歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用を行うこととしており、こうした歳出改革の徹底等により国民の実質的な負担を最大限抑制してまいります。
いずれにせよ、六月の骨太方針に向けて、こども未来戦略会議において議論を進め、将来的な子供予算倍増に向けた大枠をお示しいたします。
防衛力強化に必要な財源確保のための税制措置についてお尋ねがありました。
防衛力強化に必要な財源確保のための税制措置については、令和九年度に向けて複数年掛けて段階的に実施をし、令和九年度において法人税、所得税及びたばこ税により一兆円強を確保することとしております。
御指摘の経済成長と税収増に関しては、常々、経済あっての財政と申し上げているとおり、まずは経済を立て直すことが重要であり、その結果として、経済成長などにより見込み以上の税収が伸び、決算剰余金に反映されれば、防衛力強化の財源として活用されることになるものと考えております。
こうした観点も踏まえ、政府として、新しい資本主義の下、官民連携で成長分野への投資や人への投資を推進することで、成長と分配の好循環を拡大し、力強い成長の実現に向けて取り組んでまいります。
無人アセット防衛能力の強化についてお尋ねがありました。
無人アセットには、安価な費用、人的損耗の局限、長期連続運用といった利点があると考えております。今後、情報収集、警戒監視や戦闘支援等の幅広い任務に活用するとともに、自衛隊の装備体系や組織により効果的、組織をより効果的、効率的なものに見直してまいります。
防衛力整備計画の下で、各種無人機や無人車両、無人潜水艦等の研究開発を進め、積極的に導入をしてまいります。
自律型致死兵器システム、LAWSに関する日本の立場や規制の在り方についてお尋ねがありました。
LAWSについては、現在、特定通常兵器使用禁止制限条約、CCWの枠組みの下で、その定義、特徴、そして国際人道法上の課題、規制の在り方等について議論が行われています。そうした主要論点につき各国間でいまだ立場に隔たりがあることから、主要国が参加する形で粘り強く議論を継続することが重要です。
我が国としては、引き続き、人道と安全保障の視点を勘案したバランスの取れた議論を通じ、広く国際社会において共通の認識が得られるよう、LAWSに関する国際的なルール作りに積極的かつ建設的に参加していく考えです。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕