岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大塚耕平議員からの御質問にお答えいたします。
防衛力の抜本的強化についてお尋ねがありました。
今回の防衛力強化の検討に際しては、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行いました。率直に申し上げて、現状では十分ではありません。
例えば、近年、我が国周辺では、質、量共にミサイル戦力が著しく増強され、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあるという現実があります。
ミサイル攻撃に対しては、イージス艦やPAC3に加えて、警戒管制レーダーや地対空誘導弾など、迎撃能力の更なる能力向上に努めます。加えて、統合防衛、統合防空ミサイル防衛能力の下、ミサイル防衛システムと反撃能力を組み合わせて、ミサイル攻撃そのものを抑止していきます。
また、現状では十分ではなかったミサイルや弾薬についても、必要な装備、数量を積み上げ、継戦能力を高めていきます。
これらの取組により、抑止力、対処力を向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させていく考えであります。
国力として防衛力を総合的に考える有識者会議についてお尋ねがありました。
防衛力の抜本的強化に当たっては、その内容、予算、財源を一体的に国民にお示しするとの方針を昨年の通常国会から一貫して申し上げてきました。また、防衛力の強化は一過性のものではなく、一定の水準を維持、そして継続する必要があり、そのためには経済力の強化も不可欠です。
有識者会議の設置に際しては、こうした観点から、総合的な防衛体制を強化するに当たって、それを支える経済財政の在り方、基本的な考え方についても御議論いただくよう有識者の皆様にお願いをし、御意見をいただいたところです。
その上で、有識者会議のみならず、与党ワーキングチームや与党税制調査会などで活発な議論を積み重ね、政権与党としての方針を三文書や税制改正大綱の閣議決定の形でお示しをし、国会でも御議論をいただいているものであり、進め方は適切であったと考えております。
財源確保法案の第一条第三項の規定についてお尋ねがありました。
財源確保法案の第一条第三項は、本法案における財源確保の対象として、防衛力整備計画の対象となる経費の範囲を規定したものです。
お尋ねの在日米軍の駐留に関する経費については、防衛力整備計画の対象に含まれていますが、これは、日米同盟による抑止力、対処力の強化が我が国の防衛そのものに資する極めて重要かつ不可欠な取組であるからです。
その上で、防衛力整備計画においては、我が国の防衛生産・技術基盤を言わば防衛力そのものと位置付けた上で、FMSへの国内企業の参画促進を含め、これを維持強化することとしており、政府として、こうした取組もしっかりと進めてまいります。
決算剰余金についてお尋ねがありました。
今般の防衛力強化のための財源確保に当たっては、国民の皆様の御負担をできるだけ抑えるべく、決算剰余金について、過去の実績を踏まえた上でその活用に取り組むこととしております。その際、予備費を含めた歳出に不用が生じることが見込まれる場合には、税収等の動向も見極めながら、特例公債法の規定に基づき、特例公債の発行額の抑制に努めることとしております。
したがって、予備費の不用額と決算剰余金の金額が対応するわけではなく、議員御指摘のように、予備費を含む予算を過大に編成し、決算剰余金を意図的に膨らませることで防衛力強化の財源として考えているわけではありません。
今後とも、こうした方針に基づいて適切に対応してまいります。
防衛力を安定的に維持するために必要な追加財源についてお尋ねがありました。
防衛力を安定的に維持するために必要とは、五年後の令和九年度までに防衛力を緊急的に強化し、それ以降もその水準を確保し続けることを意味しており、令和四年度当初予算五・二兆円を基準として、令和九年度以降、毎年度約四兆円の追加的な財源が必要と考えております。
また、新たな防衛力整備計画で定めた五年間の防衛力整備の水準四十三兆円程度には、各年度の後年度負担額のうち令和九年度までに支払を予定している金額を含んでいます。他方、五年間の契約額は四十三・五兆円程度を計画しており、そのうち期間外の令和十年度以降に支払を予定している金額は十六・五兆円となります。
日銀保有国債の永久国債化についてお尋ねがありました。
財源確保のために日銀保有国債の一部を永久国債化することは、財政の信認確保の観点から慎重に検討する必要があると認識をしております。
今般の防衛力強化のための財源確保に当たっては、徹底した行財政改革の努力を大前提とし、現下の家計の所得や九四%の法人にとって負担増とならないようにしております。
また、私は一貫して経済あっての財政との立場であり、防衛力強化と併せて新しい資本主義を前に進め、構造的な賃上げの実現を始めとする経済再生にしっかりと取り組んでまいります。
NATOによる日本事務所の設置について、また、日本のNATO加盟についてお尋ねがありました。
NATOによる日本への事務所の設置については、NATOにおいて種々の検討が行われているものの、現時点で設置が決まったとは承知しておりません。また、日本がNATOに加盟や準加盟する計画はありません。
政府としては、国際秩序が深刻な挑戦を受けている今、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化するため、NATO及びその加盟国、パートナー国を始めとする同志国と引き続き協力をしていく考えです。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕