清水貴之の発言 (本会議)

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○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 今回の改正では、刑法百七十七条の強制性交等罪と百七十八条二項の準強制性交等罪を統合し、不同意性交等罪に、百七十六条の強制わいせつ罪と百七十八条一項の準強制わいせつ罪を統合し、不同意わいせつ罪に改めるものとされています。
 この強制という言葉を不同意という言葉に変更することが今回の法改正の大きなポイントであると思います。その意味や目的について、まず法務大臣に伺いたいと思います。
 処罰対象となる具体的な行為や状況については、暴行、脅迫に加えて、地位に基づく影響力の利用など八項目を規定し、被害者の意思を重視したより厳格な処罰を行えるよう見直されています。性暴力被害者団体からは、明確な性犯罪規定にすべきという当事者などの声に応えたものであり、前進といった声が上がっています。
 公訴時効も原則五年延ばし、十八歳未満で被害に遭った場合は被害時から十八歳に達するまでの年月を時効に加算するなど、より厳しい内容となっていますが、ただ、時効の延長期間が五年では足りないといった意見も上がっています。この意見について、法務大臣はどのように応えますか。
 一方、本来は刑事罰として処罰することになじまない行為でも罪が成立するおそれがあり、加害者側の冤罪になりかねないケースもあるのではないかという指摘もあります。
 被害者の内心で罪が成立するという要件により、処罰対象が広がり過ぎると不安視されていることについて、法務大臣の見解をお聞かせください。
 次に、性交同意年齢について伺います。
 日本の性交同意年齢は、刑法が制定された一九〇七年から変わっておらず、明治時代から十三歳という年齢設定のままです。今回の改正案では、いわゆる性交同意年齢を十六歳としつつも、十三歳以上十六歳未満の者に対しては、当該者より五歳以上年長の者がわいせつな行為又は性交等をしたとき処罰対象になるとされています。つまり、十三歳から十六歳未満に関しては、五歳以上の年齢差がある場合のみ規定が適用されます。
 このように五歳差を要件とした趣旨は何でしょうか。また、性交同意年齢が引き上げられたことをどのように若年層に周知するのでしょうか。法務大臣に伺います。
 日本維新の会は、国際的な基準も参考に、学習指導要領を適切に見直した上で、生きるための性教育を行い、自他の心身や人生を大切にできる子供を育むことを政策に掲げています。子供たちを性被害から守るため、また加害者にならないためにも、子供たち自身に正しい知識を身に付けてもらうことが必要です。
 しかし、現在の学習指導要領では、十三歳以上十六歳未満に該当する中学生であっても、全ての中学生に共通に指導する内容としては妊娠の経過は取り扱わないこととされています。性交同意年齢の引上げに合わせ、国際的な基準に沿った性教育の在り方への見直しについて、先ほどの答弁では余り前向きな回答ではなかったように感じましたが、文部科学大臣はどのように考えますでしょうか。
 刑法と同様に提出されている、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律案について質問します。
 まずは、いわゆる撮影罪について伺います。現在、刑法に盗撮の規定はなく、捜査機関は条例や軽犯罪法、児童買春・ポルノ禁止法などで取り締まっていましたが、盗撮の疑いで逮捕、送検した件数は二〇二一年に五千件を突破するなど、スマートフォンの普及により、この十年で倍増しています。これまで盗撮は、自治体ごとの条例によって規制対象の範囲が異なるなど、ばらつきがあり、全国一律で適用できる撮影罪については評価の声も上がっています。
   〔議長退席、副議長着席〕
 そこで、今回新設される撮影罪について、正当な理由がなく画像を加工された場合、そもそも誰が加工したのか判別が難しくなった場合の対応について、法務大臣に伺います。
 十八歳未満の子供に対する性犯罪に対して、大阪府では、子どもを性犯罪から守る条例が制定されています。平成二十四年に全国で初めて施行されたこの条例は、子供への性犯罪の前歴がある者に、刑期を終えた後の住所の届出を義務付けました。この条例では、元受刑者が罪に係る刑期の満了の日から五年を経過しない者で、府の区域内に住所を定めた者は、名前や住所、性別、生年月日、連絡先、届出に係る罪名、加えて刑期の満了した日を届け出なければならないと定められています。また、届出を行わなかったり、虚偽の届出をした場合は五万円以下の過料を科すこととされています。こうした地方公共団体の取組について、政府はどのように評価されているのでしょうか。法務大臣に伺います。
 この大阪府の条例については、法務省が個人情報の取扱いに配慮しながら、性犯罪により受刑した者に係る情報を適切に提供することとしています。しかし、個人の犯罪経歴に関する情報については、特に慎重な取扱いが必要という理由により、府内を帰住先とした出所者の全体数などの帰住者情報が得られません。届出が自己申告制である中で、国と地方の情報共有に壁があることで、条例を活用し切れていないといった課題が生じています。実効的な政策にするために、条例の周知や、国と地方が情報共有できる法整備が必要と考えますが、法務大臣の見解をお聞かせください。
 大阪府の条例に関し、これまでに住所の届出件数は百九十七件、社会復帰支援の実施人数は七十二人、社会復帰支援の延べ実施回数は千三百三十六回に上ります。全国で同様の条例は福岡県と茨城県にとどまります。
 政府の性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針においては、地方公共団体による再犯防止施策の支援が盛り込まれています。その中で、必要な体制ができた地方公共団体に対しては、引き続き、出所者に関する情報を含め、必要な情報提供を行うとの記載があります。出所後の住所の届出義務を課す自治体が三つしかない状況で、必要な体制ができた地方公共団体に対してと言わず、国が地方公共団体に対し、積極的に働きかける必要性があるのではないでしょうか。法務大臣に伺います。
 続いて、日本版DBS制度について質問します。
 日本維新の会は、保育士や教員から子供へのわいせつ事件が後を絶たない事態を重く受け止め、免許を再交付しないことを可能とする立法に続き、過去の性犯罪経歴の照会や無罪証明書の発行ができる日本版DBSの創設を政策提言に掲げています。
 政府は、昨年五月、犯罪対策閣僚会議において、子供の性被害防止プランを決定しました。この中で、教育・保育施設や、放課後児童クラブ、学習塾、スポーツクラブ、部活動などの子供が活動する場において働く際に、性犯罪歴についての証明を求める仕組み、いわゆる日本版DBSの導入に向けた検討を進めると明記しています。そして、本年四月に発足したこども家庭庁において、日本版DBS設置の法制化に向けた検討を開始していると承知しています。
 まず、この制度の必要性と、スピード感を持った日本版DBS創設への決意について、こども政策担当大臣の見解をお聞かせください。
 先進事例であるイギリスでは、内務省の関連団体のDBS事務局が犯罪歴をデータベースで管理し、子供や障害者らに関わる仕事の雇用主が、求職者の情報を照会し、求職者が受け取った証明書を雇用主に提出する仕組みになっています。雇用主による照会は、求職者本人が申請書に記入し、証明書は求職者本人が受け取ることとなっています。
 政府は、職業選択の自由や、プライバシー権との関係等の懸念があるとして慎重な姿勢を見せてきましたが、イギリスの制度では、無罪証明書が必要となる職種は限定されており、また採用する側や他人が本人の許可なく勝手に犯罪歴を調査したり、他人の目に触れることはなく、やみくもに犯罪歴を公開するような制度にはなっていません。
 子供と関わる職業は多岐にわたり、無罪証明書を発行する対象を広げれば規制効果は高まる一方、対象の範囲をどう絞るのかが課題であると考えますが、こども政策担当大臣、日本版DBSの対象の範囲をどのようにお考えでしょうか。
 我々日本維新の会は、性犯罪の未然防止と被害の根絶、加害者を生み出さない社会の実現にしっかりと取り組んでいきます。
 以上で質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 清水貴之

speaker_id: 28400

日付: 2023-06-09

院: 参議院

会議名: 本会議