齋藤健の発言 (本会議)

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○国務大臣(齋藤健君) 清水貴之議員にお答え申し上げます。
 まず、強制わいせつ罪等の要件を改め、罪名を変更する意味や目的についてお尋ねがありました。
 本法律案においては、現行の強制わいせつ罪及び準強制わいせつ罪並びに強制性交等罪及び準強制性交等罪について、より明確で判断のばらつきが生じない規定とするため、性犯罪の本質的な要素が自由な意思決定が困難な状態でなされる性的行為であるという点を、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態という文言を用いて統一的な要件として規定し、これに伴い、強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪を、また強制性交等罪と準強制性交等罪を、それぞれ一つの罪に統合することとしています。そして、このような文言を用いた要件とすることに鑑み、いわゆる罪名については不同意わいせつ、不同意性交等とすることとしています。
 次に、性犯罪についての公訴時効期間を延長する期間についてお尋ねがありました。
 本法律案においては、他の犯罪と比較して類型的に被害が潜在化しやすいという性犯罪の特性を踏まえ、その公訴時効期間を延長することとしています。そして、延長する期間については、実証的な根拠に基づいて定めるという観点から、内閣府の調査において、無理やりに性交等をされたことがあり被害を誰かに相談した方について、被害に遭ってから相談するまでに掛かった期間がどの程度であったかを踏まえて、五年としています。
 もっとも、この点に関しましては、衆議院における御審議の中で、性犯罪についての被害申告の実態が十分に踏まえられていないとの御意見が示され、御審議の結果、附則が修正され、政府において施行後五年を経過した場合の検討や性的被害の申告の困難さ等についての必要な調査を行うことが定められるなどしたところです。
 法務省としては、こうした御審議の結果を踏まえ、本法律案が成立した場合には、関係府省庁とも連携し、適切に対応してまいりたいと考えています。
 次に、改正後の不同意わいせつ罪、不同意性交等罪の要件と処罰対象についてお尋ねがありました。
 これらの罪の、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態との要件は、被害者の内心そのものではなく、性的行為がなされるときの状態を要件とするものであり、同意しない意思の有無自体ではなく、その意思の形成、表明、全うが困難な状態であったか否かで処罰を画するものです。そして、被害者がそのような状態にあるかどうかは、列挙事由、列挙行為と相まって、客観的、外形的に判断することが可能であると考えています。
 したがって、処罰対象が不当に拡大するようなことはないと考えています。
 次に、いわゆる性交同意年齢を引き上げる改正における年齢差の要件についてお尋ねがありました。
 まず、十三歳以上十六歳未満の者は、おおむね中学生の年齢層であり、性的行為に関する能力のうち、相手方との関係において、性的行為が自己に及ぼす影響を理解し対処する能力が十分に備わっておらず、対等な関係の下でなければ、性的行為について有効に自由な意思決定をする前提となる能力に欠けると考えられることから、対象となる年齢を十六歳未満に引き上げることとしています。
 そして、一般に、相手方との年齢差が大きくなるほど、両者の社会経験等の差異により対等な関係でなくなると考えられるところ、いわゆる性交同意年齢の規定は、性的行為をしたこと自体で性犯罪が成立するものとする規定であることから、その年齢差要件については、刑罰の謙抑性の観点から、双方の年齢が要件を満たすだけでなく、例外なく、対等な関係はおよそあり得ず、有効に自由な意思決定をする前提となる能力に欠けると言えるものであることが必要と考えられます。
 そこで、本法律案においては、心理学的、精神医学的知見も踏まえ、五歳以上年長であることを要件としているものです。
 次に、いわゆる性交同意年齢が引き上げられた場合の若年層への周知についてお尋ねがありました。
 本法律案については、衆議院における御審議の結果、附則について一部修正が行われ、政府は、改正後の規定等の趣旨及び内容について国民に周知を図るものとされています。
 その具体的な方法等について現段階で確たることをお答えすることは困難ですが、法務省としては、本法律案が成立した場合には、附則の趣旨を踏まえ、いわゆる性交同意年齢の引上げの趣旨や内容についても、関係府省庁、機関や団体と連携しつつ、適切に周知広報してまいりたいと考えています。
 次に、性的姿態等撮影罪に関し、画像が加工された場合等の対応についてお尋ねがありました。
 画像の加工に関するお尋ねの具体的状況が必ずしも明らかではありませんが、性的姿態撮影等処罰法においては、性的姿態等を撮影する行為や画像を提供する行為などを処罰することとしているものの、画像を加工する行為自体は処罰対象としていません。
 もっとも、性的姿態等撮影罪に当たる行為により画像が生成された後、それが加工された場合であっても、同一性が失われていない限り、加工された画像を提供する行為や公然と陳列する行為は、性的撮影記録提供罪や性的影像、ああ、済みません、性的影像記録提供罪や性的影像記録公然陳列罪として処罰対象になり得ます。そして、誰が加工したのかの判別が困難な場合においても、その画像が性的姿態等撮影罪に当たる行為により生成されたものかどうかや、加工の前後における同一性については、捜査機関により収集された証拠に基づき判断されることになります。
 次に、地方公共団体の性犯罪者に対する取組に関する評価についてお尋ねがありました。
 お尋ねの大阪府子どもを性犯罪から守る条例は、大阪府がその自治権に基づき制定したものであるため、法務大臣として見解を述べることは差し控えたいと思います。
 その上で、一般論として申し上げるならば、性犯罪者の再犯を防止するためには、刑事司法手続の終了後も地域社会において必要な支援が受けられるようにすることが重要であると考えております。その観点からしますと、大阪府は、性犯罪者の再犯を防止するため、大変意欲的な取組をされているものと認識をしています。
 次に、大阪府の条例の周知及び地方との情報共有のための法整備についてお尋ねがありました。
 大阪府子どもを性犯罪から守る条例の施行に当たり、大阪府の依頼を受け、法務省では、大阪府に対し、届出者の同意を前提として出所者の情報を提供しています。
 また、受刑者及び保護観察対象者に条例の内容を周知するため、刑事施設及び保護観察所内にポスターを掲示したり、刑事施設での性犯罪再犯防止指導の実施の際に資料を閲覧させたりするなどの対応を行っております。
 次に、地方公共団体への情報提供について、一般論として申し上げれば、個人の犯罪の経歴に関する情報は、人の名誉あるいは信用に直接関わるものであり、個人情報としてもその取扱いに特に配慮を要するものと承知をしています。
 その上で、受刑者の帰住先に係る情報については、そもそも法務省として網羅的に把握しているものではないこともあり、情報提供には慎重を期するべきものと認識しています。
 今後とも、条例による届出対象者に条例内容を周知するとともに、関係法令に基づき、地方公共団体に対する適切な情報提供を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、地方における再犯防止施策推進のための情報提供についてお尋ねがありました。
 法務省としても、地方公共団体が再犯防止の取組を行うために必要となる情報の提供は重要であると考えています。一方で、出所者等に関する情報は、犯罪の経歴等が含まれる個人情報であって、その取扱いについては特に配慮を要するところであり、各地方公共団体においてそのための必要な体制を構築していただくことも重要であると考えています。
 法務省においては、これまで、全ての都道府県及び指定都市に対し、地方公共団体における再犯防止等施策に必要な情報提供に係る執務参考資料を配付するなど、そのような体制の構築を含む地方における再犯防止施策推進のための働きかけを行ってまいりました。
 今後とも、議員の御指摘を踏まえ、地方公共団体において必要な体制が構築され、情報提供がなされるよう、国としても積極的な働きかけに努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣永岡桂子君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 齋藤健

speaker_id: 14267

日付: 2023-06-09

院: 参議院

会議名: 本会議