野田国義の発言 (本会議)

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○野田国義君 立憲民主・社民の野田国義です。
 私は、会派を代表して、令和三年度、二〇二一年度の決算並びに国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、国有財産無償貸付状況総計算書の是認及び内閣に対する警告案に賛成の立場から討論を行います。
 昨日、岸田総理の記者会見を聞いておりました。全く、岸田政権の目玉政策と言われるいわゆる子育て支援、防衛費増強、その財源確保が先送りされたということではなかったのかなと思っているところでございます。
 参議院決算委員会でも何度も指摘され、野方図に繰り返される予算の無駄遣いに対し、改めて強烈な危機感を表明し、以下、二〇二一年度決算に対する反対の理由を述べさせていただきます。
 第一の理由は、財政健全化に対する政府の姿勢が不誠実な点です。
 政府は、二〇二三年度から二〇二七年度までの防衛費の総額を四十三兆円に大幅拡大するとしております。これにより、日本の防衛費は、二〇二一年時点の世界第九位から二〇二七年には米中に次ぐ第三位となります。さらに、政府の抗議により変更される前のタイム誌の見出し、岸田総理は平和主義だった日本を軍事大国に変えるのとおりではありませんか。
 政府は、この膨大な防衛費の財源として決算剰余金を活用する方針を示し、直近十年間で、平均である一・四兆円を根拠に、毎年度、財政法上の活用限度であるその半分の七千億程度、五年間で計三・五兆円の確保をできるとしています。しかし、この平均一・四兆円は、本来異常値として除外すべきである二〇二〇年度の四・五兆円を含めて計算したものであり、平均とされる根拠そのものが説得力に欠けています。
 問題はそれだけではありません。
 そもそも、決算剰余金の仕組み自体が国民を欺く欺瞞的なものであるという点です。決算剰余金と聞くと、予算を使い残したお金というイメージを抱くのですが、実態は大きく異なっています。
 二〇二一年度決算では一・三兆円の決算剰余金が発生し、政府は半分を二〇二二年度第二次補正予算の財源に充てました。この一・三兆円は、税収などの上振れ分三兆円といわゆる予算の使い残しである不用額六・三兆円の合計額九・三兆円から発行を取りやめた国債八兆円を差し引いた金額です。このうち、九・三兆円はその年度の経済状況や事業の実施状況に応じて言わば他律的に決まる数字ですが、一方の八兆円、すなわち国債の発行取りやめ額は、政府のさじ加減で決めることができるのです。
 したがって、仮に国債の発行取りやめ額を可能な限り九・三兆円に近づけていれば、決算剰余金が減少する代わりに、その分だけ国債発行を行わずに済んだのです。
 逆に、国債の発行取りやめ額を意図的に少なくすれば、その分決算剰余金を増やすこともできます。つまり、一定の範囲内において政府の裁量で決算剰余金の額を操作できるというからくりがあるのです。
 可能な限り国債発行を取りやめることで一層の財政健全化を進められるにもかかわりませず、意図的に決算剰余金を膨らませ、また、余り金のように見せかけた巨額の補正予算の財源にしたり、今後の防衛費の財源にしようとしている政府の姿勢は不誠実であると言わざるを得ません。
 第二の理由は、決算とともに国会に提出される国税収納金整理資金受払計算書の情報開示が不十分な点であります。
 国税収納金整理資金は、国税収入に関する経理の合理化と過誤納金の還付金等の支払事務の円滑化を図ることを目的として設置されており、この資金に国税収納金等を受け入れ、過誤納金の還付金等を支払い、その差引き額を国税収入その他の収入として国の歳入に組み入れることとしています。当然、消費税に係る収納と還付金の支払もこの資金を通じて行われますが、消費税の最終的な負担者である消費者、すなわち国民にとって必要な情報が隠蔽されている実態があります。
 課税事業者が日本国内で仕入れた商品を全て輸出した場合、国際的なルールにより売上げに係る消費税が生じない一方、仕入れの際に支払った消費税が控除されるため、輸出免税還付金として全額還付される仕組みとなっております。
 専門家の推計では、大手自動車メーカーなどは一社だけで数千億にも上る還付金を受け取っているとされております。消費税の納税義務者は事業者でありますが、仕入れ税額控除方式により実質的な負担を免れているため、最終的に消費者が肩代わりして負担することになり、巨額の輸出免税還付金も消費者の税金で支払われております。
 ところが、現状の国税収納金整理資金の仕組みでは、輸出を原因とした還付額が区別をされていません。そのため、国税収納金整理資金受払計算書や決算書においても輸出免税還付金が幾ら支払われたのか明らかにされておらず、納税者である国民に対する説明責任を果たしているとは言えません。
 第三の理由は、DXの時代にもかかわらず、国の決算や財務書類の作成、提出スケジュールが見直されていない点です。
 決算審査を重視する参議院は、これまで、内閣に対し決算の早期提出を求め、自らも早期審査に努めるなど、決算審査を充実させるため様々な改革を行ってまいりました。その結果、二〇〇四年十一月、前年度決算の秋の臨時会への早期提出が実現し、翌年度予算の政府案決定前の審査開始が可能となりました。しかし、十一月の時点でおおむね政府案は固まっており、決算審査における議論を翌年度予算に反映させるのは事実上不可能であります。
 秋の臨時会への早期提出が実現してから今年の十一月でもう十九年が経過しますが、この間、デジタル技術が日進月歩で進展しているということは言うまでもありません。DXの活用や発生主義ベースでの会計処理等を積極的に取り入れることで、更なる早期提出が可能となるのではないでしょうか。
 先ほど第一の理由の際、指摘した国債の発行取りやめ額についても、現状は税収や不用の状況を見つつ、一定の予測の下で決めざるを得ないようですが、税収等がより早期に把握できれば、より一層の国債の発行抑制につながると考えます。したがって、国の決算の早期作成は政府が進める財政健全化に直結するものであり、政府自ら見直しに動いてもおかしくないと言えますが、なぜ一向に動こうとしないのか理解に苦しみます。
 また、財務書類についても同じ問題があります。国の財務書類の公表は、年度が終わってから約十か月後、独立行政法人等を含む連結財務書類の公表約一年後の、非常に時間が掛かっており、こんなに遅いタイミングで公表してPDCAサイクルにどう活用できるのでしょうか。甚だ疑問であります。
 最後に、決算重視の参議院において、立憲民主・社民は、これからも行政に対して厳しく意見し、改善を求めていくことを申し上げ、討論を終わりとさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 野田国義

speaker_id: 19909

日付: 2023-06-14

院: 参議院

会議名: 本会議