柴田巧の発言 (本会議)

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○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 私は、会派を代表して、令和三年度決算、国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対、そして、内閣に対する警告決議案には賛成の立場で討論をいたします。
 会計検査院がまとめた国の令和三年度決算の検査報告によれば、税金の使い方などに問題があると指摘したのは三百十件で、総額はおよそ四百五十億円に上りました。これまで繰り返し指摘を受けながら、相も変わらず事前の見積りや事後チェックが甘いがために国費の不適切な支出や国有財産の散漫な管理を許していることは、到底看過できません。
 国民に増税や新たな負担を求めておきながら、行政の無駄や不正が後を絶たないのでは示しが付かず、国民の理解を得ることは不可能です。
 まず、このことを申し上げ、以下、具体的な問題点を指摘しながら反対理由を述べます。
 反対する第一の理由は、新型コロナウイルス感染症対策予算の執行状況が極めてずさんだからであります。
 会計検査院が、令和元年度から三年度までの新型コロナウイルス感染症対策に関連する各種事業千五百二十九事業のうち、予算の執行が区分管理されていた千三百六十七事業を検査したところ、三か年度の予算総額は約九十四兆四千九百二十億円、そのうち、三年度から四年度への繰越額は十三兆三千二百五十四億円、三か年度の不用額は四兆六千七百四十四億円となっています。
 また、決算だけでは最終的にコロナ関連事業に充てられなかった補助金等の余剰額を把握できないこと、各府省等のコロナ関連事業の繰越額及び不用額については、特段公表すべき基準等がなく、コロナ関連事業と分かる形で公表されていないことなどが明らかになりました。
 コロナ禍とはいえ、多額の予算の使い残しや不透明な執行が相次ぐのは大きな問題です。原因分析を厳しく行い、予算の執行状況を示す基本的な情報である支出済額、繰越額及び不用額並びに補助金等の余剰額について分かりやすく国民に対し情報提供する必要があります。あわせて、事業の効果検証も徹底的に行って、その結果も公表することを強く求めます。
 反対の第二の理由は、予備費が極めて巨額で、財政民主主義をゆがめているからです。
 予備費は、国会による予算の事前議決の例外として限定的に憲法が認めています。しかし、一般の予備費とは別に数兆円もの予備費を計上して、予見し難く、かつ適正な支出と言えるか甚だ疑問な使途に自由に使うという近年の状況は、財政民主主義を損ない、放漫財政を生むおそれ大であります。
 予備費が計上されなかった昭和二十四年度を除き、昭和二十二年度から令和二年度までの当初予算に占める予備費の割合の平均は僅か〇・八三%ですが、令和三年度は、一般会計予備費五千億、新型コロナウイルス感染症対策予備費五兆円、合わせて五兆五千億円で、その割合は実に五%を超えています。
 予備費は決して政府・与党の便利な財布ではありません。コロナ禍を機に始まった巨額の予備費計上の常態化は、予算を審議する国会の権能が無視されているのに等しい事態です。このような政府への予備費の白紙委任は、憲法が定める財政民主主義を否定するものだと声を大にして申し上げます。
 反対する第三の理由は、基金の運営状況が不透明で、かつ、その残高が巨額になっていることです。
 岸田政権は、予算の単年度主義の弊害是正を表明し、その手段の一つとして基金を積極的に活用しています。国の基金への予算措置額は、令和元年度までは一兆円程度で推移していましたが、二年度は十一兆五千億円、三年度は五兆七千億円と大きく増加しています。また、三年度末の基金残高は十二兆九千二百二十八億円に上っています。
 これだけ巨額に積み上がった基金に対する説明責任として政府が主体的に国会に提出しているのは各目明細書だけで、この各目明細書は慣例で国会に提出している参考資料という位置付けにすぎず、国会の議決対象ではありません。また、国会の求めに応じて提出する資料は一般公開されておらず、国民が簡単に見ることはできません。
 さらに、執行状況については、基金シートや行政改革推進本部事務局のホームページに掲載した一覧表により公開していると、公表していると政府は説明していますが、それらは政府の自己点検のための資料であり、仮に記載内容に不備があったとしても責任を問われることはありません。
 このように、慣例で提出しているだけの資料や一般公開されていない資料、政府のお手盛りの自己点検資料だけで説明責任を果たしているとは毛頭言えないと思います。しかも、巨額の資金が滞留していることは、財政資金の効率的、効果的な使用となっていない証左であり、政策ニーズを十分精査せず、規模ありきで予算を編成したからにほかなりません。
 したがって、基金の透明性を確保するとともに、運営状況と効果の検証を徹底して、効果の見込まれない事業の廃止と国庫返納を促すことが必要だと指摘をしておきます。
 反対する第四の理由は、官民ファンドの赤字が増加していることです。
 官民ファンドは、民間が担うことが難しいリスクマネーを供給し、民間投資を喚起することを目的に、平成二十五年度以降相次いで設立をされました。令和三年度末時点で十三ファンドありますが、このうち八ファンドは累積赤字となっており、損失の合計は、令和元年度末時点で四百九十六億円、二年度末で五百七十五億円であったものが、三年度末には八百九十六億円に増加しています。
 官民ファンドに関しては、これまでも複数のファンドの機能や役割が重複しており非効率であることが指摘をされてきましたが、実質的な改革や再編がされたことはありません。黒字化への具体的な道筋が立たないのならば、追加投資や人件費などの固定費で損失が膨らまないうちに統廃合を決断していくべきです。
 とにかく、国の資金で設立された官民ファンドが漫然と赤字を積み重ねていくことにストップを掛けるべきだと強く申し上げます。
 反対する第五の理由は、政府開発援助、ODA事業の効果が発現しない事態が続いていることです。
 ODA事業について会計検査院が検査したところ、トルコの小学校改修計画において、大使館が事業実施機関に対して事業完了後の利用状況等の確認を行っておらず、児童数の減少を理由に改修後の小学校が閉鎖されていました。また、フィリピンの給水システム整備計画においては、大使館が事業実施機関に対して水量を回復できない原因を究明させるなどの働きを十分に行っておらず、多くの給水スタンドから水が出ない状況となるなどして、事業の効果が発現していないことが明らかになりました。
 ODAについては、ここ数年、会計検査院が同様の指摘をしてきました。それを受けて、決算委員会は、何度も措置要求決議を全会一致で可決し、改善を求めてきました。にもかかわらず、同じ事態が続いていることは極めて遺憾です。
 指摘が繰り返されることのないよう、事業を実施している全在外公館に対し、事業実施機関を通じた事業の進捗状況及び実施後の利用状況の適切な把握、そして課題が生じた場合の改善措置の実施を徹底させることを厳しく求めます。
 最後に申し上げます。
 日本維新の会は、結党以来、身を切る改革を断行してきました。発祥の地、大阪では、議員がそれまでの意識と行動を変え、自らの既得権に切り込んだことから、切り込んだからこそ、徹底した行政改革が可能になりました。そして、それによって捻出された財源で、住民に対し一円も増税をせず、新たな負担を求めずに教育の無償化を実現をしました。さらに、経済を活性化させ、財政を健全化させてきました。
 とにかく、隗より始めよです。まずは、国会議員の定数や報酬を削減し、旧文通費についても、日割り支給に加えて、領収書の添付による使途の公開と残金の国庫返納を早急に実現させるべきです。その上で、徹底した行革を行い、税金の無駄遣いをやめさせ、真に必要な政策に予算を振り向ける政治こそ、今こそ取り戻すときです。
 増税や新たな国民負担を求める前にやるべきことは山ほどあるということを申し上げ、討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 柴田巧

speaker_id: 1171

日付: 2023-06-14

院: 参議院

会議名: 本会議