芳賀道也の発言 (本会議)

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○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
 会派を代表して、令和三年度決算外二件について反対、内閣に対する警告に賛成の立場より討論をいたします。
 決算に反対する理由は、このほかにもありますが、特に五つの点を挙げて反対をいたします。
 第一に、二〇二一年八月開催の東京パラリンピック・オリンピックをめぐって大会関係者が不正を行い、罪に問われるなど、オリンピック精神が失われ、利益、利権優先となったことです。
 コロナ禍で、医療関係者を中心にオリパラ開催には慎重な意見も多数ありました。また、経費七千三百億円のコンパクト五輪だったはずでしたが、結局三兆七千億円もの巨額のプロジェクトとなり、国立競技場始め、当初計画を上回る経費を使って巨額な施設ができ上がってしまいました。決算委員会の中でもオリンピック経費をめぐる質疑があり、警告決議にも挙げられています。
 コロナ禍での強引なオリパラ開催、巨額の箱物建設、オリパラ後の東京神宮外苑周辺の再開発と神宮の森の伐採を考えると、余りにも利益、利権を重視し、国民の命や健康を軽視する姿勢であり、そして、自然破壊の容認は二十一世紀に私たちが目指すべき持続可能な発展の理念と相反するもので、到底受け入れられません。
 第二の反対の理由は、二〇二一年度の実質賃金の上昇が僅か〇・五%にとどまったことです。
 私たちの国は豊かな先進国のはずなのに、多くの国民が豊かさを実感できない理由の一つが、長らく実質賃金が上がらないことです。コロナの影響が無視できないとはいえ、長年にわたり賃金が上がらない状況が続き、二〇二一年度も実質賃金が上がらなかったことは、政府の予算執行が適切ではなかったと言わざるを得ません。
 この年は、国家公務員の人件費も八月の閣議決定で期末手当の支給月数を減らすことを決めました。国の行政を支える国家公務員の皆さんの給与が抑えられれば、右に倣えで民間や全国の自治体も同じ動きをする傾向にあります。
 私たち国民民主党会派は、給料が上がる経済の実現を強く求めています。
 第三の反対の理由は、エネルギー価格高騰対策です。
 二〇二二年二月、ロシアはウクライナでの軍事作戦を開始し、これに伴ってエネルギー価格が更に高騰しました。岸田政権は確かに燃料費高騰対策を行いましたが、予備費から支出されたもので、燃料油価格激変緩和強化対策事業として約三千五百億円、タクシー事業者に対する液化石油ガス価格高騰対策事業として八億円がそれぞれ支出されました。本来なら、予備費ではなく、しっかりと補正予算を組むべきでした。
 また、ウクライナ戦争以前から価格高騰が続いていたガソリンや軽油について、私たち国民民主党はこの年、揮発油税、軽油引取税のトリガー条項解除によってガソリン税と軽油引取税を下げて自動車ユーザーの皆さんが燃料高騰対策を実感できる仕組みを重ねて提案してまいりましたが、政府は自動車ユーザーよりも元売業者を優遇する姿勢を示しました。
 また、エネルギー政策に関連して、同じ会派の竹詰仁議員が措置要求として提案した電力小売自由化、電力小売全面自由化の検証について、本来必要な検証なのにもかかわらず、全会派の合意ができず、今回の措置要求に盛り込めなかったことは極めて残念です。
 第四に反対する理由は、米価の下落への対策が全く欠けていることで、ますます稲作の担い手を減らし、耕作放棄地が増える結果を招いたことです。
 農水省統計部の資料によれば、二〇二一年度の主食用米六十キロ当たりの相対取引価格は一万二千八百四円で、かつての戸別所得補償制度の基準となった平均コスト一万三千七百円を下回っています。単純に言えば、全国の半分以上の米農家が赤字に陥りました。確かに、政府はナラシ対策や収入保険で米農家の収入を支えることになっていますが、五年間の平均収入より下がった差額の八一%を補償するとしても、米の価格が下がり続けている局面では、基準となる五年間の平均収入も下がり続けているため、補償額も毎年少なくなる構造になっています。これでは、将来の経営計画の見通しが立たず、離農される方が増え、耕作放棄地が増えてしまいます。
 具体的に言えば、六十キロ当たりの米の相対取引価格は、二〇一九年の一万五千七百十六円をピークに、二〇二〇年一万四千五百二十九円、そして二〇二一年には一万二千八百四円まで下がり続けており、ナラシ対策や収入保険での補償額も毎年減る構造になっています。これでは農家が農業から離れていくことを止められません。事実、二〇一七年以降毎年三万ヘクタールの農地が農地以外に変わる壊廃となっていて、その主な要因は耕作放棄です。
 この二〇二一年にあった衆議院選挙で、与党自民党の公約は、国の基、農林水産業を守り、成長産業にと威勢が良いのですが、中身が伴っておらず、産業としての稲作の成長どころか衰退を抑えることしか、抑えることすらできておりません。
 第五の理由は、外務省による対ロシア日本センターの問題です。
 対ロシア日本センターは、日ロ平和条約締結の環境整備として、一九九〇年代から市場経済改革支援の目的でロシア国内の六つの都市に設置されました。
 さて、二〇二二年二月二十四日にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、これを非難する岸田総理の会見が翌日二月二十五日にもあったにもかかわらず、ロシアのニジニー・ノブゴロド日本センターでは、侵攻二日後の二月二十六日に、虹の会という日本人とロシア人の料理交流会をオンラインで開催。当日は、日本料理とロシア料理の特徴というテーマで、日本人十二人、ロシア人十二人の合計二十四人が参加したということです。
 岸田総理が会見で、ロシアによるウクライナ侵攻について、国際秩序の根幹を揺るがす行為として断じて容認できないと非難した後のタイミングで、のんきに料理の交流会を開いているというのは驚きです。さらに、この日ロの交流会の様子を三月一日にこのセンターのホームページにアップしていたのも、国際情勢を考えると余りにも無神経ではないでしょうか。
 そして、この事業で数値目標として外務省が自ら掲げていた日ロのビジネスマッチング成立件数ですが、この指標を集計し始めた二〇一三年度以外、一度も目標の百件を超えておらず、低調と言わなければなりません。
 また、二〇〇七年度から二〇二〇年度まで対ロシア日本センター予算の執行率がほぼ一〇〇%であることも不自然ですし、私たち国会議員が国会審議の際に活用する行政事業レビューシートで、予算額が四・三億円なのに、予算執行額が四・五億円になっていたのも極めて問題があります。
 ウクライナ戦争もあって日ロ平和条約の締結は望み薄になっており、この事業の継続にも疑問が残りますが、今年度の二〇二三年度予算にも計上されています。
 これら対ロシア日本センターの問題に関して、会計検査院による検査要請を我が会派から提案しましたが、与党の反対によって項目から削除されました。確かに、ウクライナ戦争のさなか、会計検査院の調査員の方がロシアに入るのが難しいのは分かりますが、現地に入らなくとも検査をする方法はあるはずです。
 以上五つの理由などから、令和三年度決算外二件に反対、内閣に対する警告には賛成することを申し上げて、私、芳賀道也の反対討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 芳賀道也

speaker_id: 3714

日付: 2023-06-14

院: 参議院

会議名: 本会議