舞立昇治の発言 (本会議)
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○舞立昇治君 自由民主党の舞立昇治です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました令和四年度政策評価実施状況等報告について質問いたします。
まず、社会の変化に対応した行政評価の在り方について伺います。
コロナ禍の影響も加わり、我が国は本格的な少子高齢化、人口減少社会の国難に直面しています。今後、労働力の減少、消費力の縮小、大都市における高齢者の増加など、これまで経験したことがないほどの変化が訪れます。同時に、地球環境問題の深刻化等もあり、新自由主義的経済重視の社会から持続可能性重視の社会等への変革にも迫られています。これらの変革に的確に対応していくためには、政策の方向性も抜本的に変えていかなければなりません。
そこで、総務省では、本年三月に、政策評価に関する基本方針を改正するとともに、政策評価制度の運用の見直しを行っていますが、今後、急激な人口減少社会やこれまでの延長線にはない政策立案が求められる社会の中で、これからの行政評価はどうあるべきと考え、今回の改正や見直しに臨んだのでしょうか。さらに、変革が求められる時代にあっては、行政も失敗を恐れず、失敗も糧とし、挑戦なくして成功なしの姿勢で臨むことが大切だと考えますが、この点をどう行政評価に具体的に反映させていくお考えか、松本総務大臣にお伺いします。
次に、地方議会からの意見書に関して伺います。
平成十二年の地方自治法の改正により、地方議会意見書の提出先に国会が明記され、令和四年には参議院に四千百七十八件の意見書が提出されています。この地方議会からの意見書に基づき、国会では、海の日を設ける祝日法の改正のほか、兵庫県議会から全ての都道府県議会へと要望が広がっていった被災者生活再建支援法の一部改正、さらに地震防災対策特別措置法の一部改正が行われてきました。
現在、合区対象県からは、平等な都道府県制度の下、特定の四県だけが半人前として扱われ、不条理で不平等な状態が続いているという怒りの声が上がっていますが、そもそも参議院では、創設以来、全国を一つの選挙区とする選挙とともに、各都道府県から選出する選挙から成り立ってきたことから、全国の地方議会や地方六団体からの意見をしっかりと伺って、更なる国政への反映が求められています。
この点、平成十四年に成立した行政手続オンライン法により、行政機関に対しては地方議会意見書の提出のオンライン化が認められましたが、国会への提出は同法の対象外であったため、全国都道府県議会議長会から改善要望が出され、今国会において地方自治法が改正され、令和六年度からは、地方議会からの意見書は国会にもオンライン提出できるようになりました。この機会に、参議院では地方議会の意見をより国政に反映させる手だてについて検討してはどうかという声が上がっています。
そこで、行政府においても、政策立案や行政監視の際、地方議会からの要請等に基づき、必要に応じてリモート会議や視察等を通じ、政務三役も手分けして対応するなど、地方議会からの意見書の更なる活用を検討してはどうかと考えますが、地方自治を所管する総務大臣の御見解を伺います。
次に、参議院に提出された地方議会からの意見書の中で、三百近く寄せられた地方財政の充実強化について伺います。
令和五年度地方財政計画では、交付税不交付団体の水準超経費が約二・九兆円計上されました。大半を東京が占めるこの水準超経費は、自治体間の財政力、経済力、施策実行力の格差の大きさを如実に表しますが、この水準超経費が数十年ぶりに三兆円近くに膨れ上がり、東京と地方、そして各地域間の格差がまた一段と増しつつあります。
昨年の出生率は一・二六と、平成十七年以来再び過去最低を記録し、少子化が止まらない中、先般閣議決定されたこども未来戦略方針では、今後三年掛けて年間三兆円台半ばの予算を確保し、加速化プランとして集中的に取組を進め、その財源は年末までに示すこととされましたが、その際、地方財源の確保と財政力格差の是正について十分留意する必要があります。
例えば、児童手当は三分の一が地方負担であるように、自治体が用意すべき額は相当な規模になるため、財政力が弱い団体にも確実に財源確保するとともに、国の歳出改革、特に歳出削減が地方に悪影響を与えないようにしなければなりません。
さらに、子育て政策の現場は自治体であり、少子化対策の拡充には、国が全国的な制度として進める事業と地方独自の事業とが相乗効果を発揮して取り組むことが効果的です。
しかし、現在の国と地方の財源構成のままでは、財政力の弱い団体にとって加速化プラン実施の財源確保は容易ではありません。また、東京を始め財政力が豊かな団体では、高校卒業までの医療費無償化や小中の給食無償化など、手厚い独自施策を実施できますが、財源の乏しい多くの自治体ではそう簡単にはできません。
これでは、より手厚い子育て支援策を競い合う中で、大都市圏に若い世代が集中することとなり、ますます人口、経済力、財政力、そして政治力の格差は拡大し、東京一極集中問題がより深刻化するおそれがあります。子供の健やかな成長や教育に関する支援は、自治体の財政力の多寡で大きな格差があってはなりません。
そこで、国の子供政策予算の抜本的拡充に合わせ、地方財政についても抜本的に拡充するとともに、もう一段の地方税の偏在是正と、それに伴う新たな単独事業の実施を可能とする歳出措置を講じる必要があると考えますが、総務大臣の御見解を伺います。
さて、大都市圏と地方の格差是正が進まない一因として、国の政策の企画立案から実行までの過程で地方の声を反映する力が弱まっていると感じます。
衆議院における比例も含めた十三増十三減を始め参議院における合区導入時の十増十減、さらには、島根県の面積の一割にも満たない東京二十三区の区議会議員だけで九百二名も存在し、衆参合わせた国会議員の数よりも多い状況などから分かるように、国と地方合わせた議員のパワーバランスが大都市圏に偏り、政治の力をより強く必要とする地方の声が減っています。
感染症のパンデミックや首都直下地震など、東京が機能不全に陥れば国全体が倒れるように、人材や食料、エネルギー、さらには、温室効果ガスを吸収し、酸素を供給する基地である地方が衰退すれば、出生率が極端に低く、食料もエネルギーもつくれない東京も、そして日本も、やがて確実に衰退することをいま一度真剣に考える必要があります。
各府省庁では、政策立案の際、審議会等を設置して検討しますが、大企業や有名大学が集中する大都市圏の有識者がメンバーに選ばれる傾向になっていないか、東京を中心とした議論になっていないか、とても心配です。
政府において、成長戦略の一環として、魅力ある地方大学の実現に向けた取組や地方創生の推進、事業再構築やスタートアップを支援しているように、地方にも大学や経済界、産業界に優秀な人材が大勢います。また、いまだ人口増の東京では想像もできない深刻な人口減少社会で必死に頑張っている首長や地方議員も多くいます。さらに、人手不足の地域で一人何役もこなし、多忙過ぎて行政に声も上げられず、行政や政治の側から寄り添っていかなければ声を聞けない方もいます。一方で、頑張ってもなかなか報われない方もいます。
そこで、官邸のリーダーシップの下、地方創生の分野だけではなく、あらゆる政策に地方の実情が考慮されるよう、リモート会議や地方開催等も有効活用しながら、これらの方たちをより積極的に政府の審議会や戦略会議、行政監視の場等に登用するとともに、参考人として意見聴取の機会を増やすなどして、国の施策にしっかりと目に見える形で反映していくべきと考えますが、この点を官房長官にお伺いして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕