小沢雅仁の発言 (本会議)

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○小沢雅仁君 立憲民主・社民の小沢雅仁です。
 私は、ただいま報告がありました令和四年度、二〇二二年度の政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告について、会派を代表して質疑を行います。
 参議院の行政監視サイクルのスタートとなるこの本会議も四回目を迎えました。行政監視機能の充実と政策評価の進展に積極的に取り組んできた本院において、こうした取組が積み重ねられてきたことは喜ばしい一方で、我々の行政監視活動や、より良い政策の実現、追求に終わりはありません。
 昨今の政府の活動を見ても、マイナンバー制度をめぐり多発するトラブル、国交省OBによる民間企業人事介入、不適切な予算執行や無計画な少子化対策など、深刻な問題が山積をしています。立法府として、こうした問題をきちんと監視、改善していくとともに、政策の立案、評価や、行政の在り方といった根本的なテーマについても議論し、より良い立法と行政を実現していくことを我々の責務であることを改めて強く申し上げ、質疑を行いたいと思います。
 初めに、先ほど報告のありました政策評価制度について伺います。
 近年、政策評価制度については、政策評価審議会による複数の提言や基本方針の変更、アジャイル型の政策立案、評価など、大きな方針転換が行われていると聞いています。キーワードとなっているのが、無謬性神話からの脱却です。複雑困難な課題に対応するため、機動的かつ柔軟な政策転換が必要であるとして、新たな挑戦や前向きな軌道修正を積極的に行うことが望ましいとされています。
 そうした方針を踏まえ、政策評価制度では、画一的、統一的な制度運用を転換し、政策の特性に応じた評価手法の導入、意思決定過程での評価の活用等を推進するとしています。しかし、そうした取組はこれまでの枠組みでも十分可能だったはずです。
 これまで政策の特性に応じた評価や意思決定過程等での評価の活用がなされてこなかった要因と、それらの具体的な実施方策について、総務大臣に伺います。
 また、政府が言う無謬性神話からの脱却とは一体何でしょうか。行政は間違いを犯してはならない、あるいは、現行の制度や政策は間違っていない、行政がこうした無謬性神話にとらわれず政策の改善や挑戦を行っていくことは重要ですが、単に失敗してもよいというわけではなく、より一層の説明責任が求められるはずです。
 そもそも、無謬性神話からの脱却などと言えるほど行政は国民からの信頼を得られているのでしょうか。複数の調査で、国民からの政府への信頼が低いことが明らかになっているほか、国民からの行政に関する苦情や意見を受け付けている総務省の行政相談には毎年十万件以上の相談が来ています。無謬性神話を脱却した行政は、国民に対するより丁寧な説明や対応により、国民の信頼を得ていく必要があるのではないでしょうか。
 政府の言う無謬性神話からの脱却の意味と、政府の説明責任の在り方について、総務大臣に伺います。
 行政評価制度の方針を受け、政策評価を所掌する総務省行政評価局にも変化が起きています。行政評価局の業務の運営方針を定める行政評価等プログラムにおいて、毎年度公表されていた向こう三年間の調査テーマが昨年度から公表されなくなったのです。昨年の本会議では、環境の変化や行政課題をより迅速に調査テーマに反映させるため、テーマは随時決定することとした旨の説明がありました。
 迅速な調査テーマの決定、着手は重要である一方、無計画は、行政の透明性確保や計画的、効率的な行政運営という観点から適切とは言えません。また、政府として長期的な視野から取り組むべきテーマもあるのではないでしょうか。
 調査テーマの決定、着手を計画性と柔軟性を持ったより適切な形に見直す必要性について、総務大臣に伺います。
 また、これまで年度当初までに行われていたこの行政評価等プログラムの策定、公表が、今年は五月八日までなされませんでした。業務の運営方針が一か月以上定まらないまま活動する行政組織があってよいのでしょうか。行政運営の計画性や透明性、活動の事後的評価という観点からも問題があり、評価を担う組織の姿勢としても不適切と考えます。
 行政評価等プログラムには、政策評価法で毎年度策定が義務付けられている総務省が行う政策の評価に関する計画も含まれています。この点では、政府が政策評価法や計画、プログラムといったものを軽視しているとも取られかねません。行政評価等プログラムの策定、公表も含めて、計画的に実施されるべきです。
 令和五年度、二〇二三年度の行政評価等プログラムの公表が遅れた理由と今後の在り方について、総務大臣に伺います。
 この政策評価についての本会議が始まった令和二年、二〇二〇年は、ちょうど新型コロナウイルス感染症への対応が始まった時期でもありました。この異例の感染症に対し、政府においても異例の対応が数多く行われ、本会議や行政監視委員会でも、政府の対応の評価、検証の必要性や在り方が議論されてきました。
 昨年の本会議では、コロナ禍においてマスクの転売規制等の事前評価が間に合わなかった事案等を挙げ、緊急時の規制の評価の在り方についてお伺いしました。総務大臣からは、こうした事態が発生した際の評価の在り方について対応を整理していく旨の答弁があったと記憶しています。
 その後、対応は整理されたのでしょうか。緊急時の規制の評価、また、感染症や災害といった甚大な外部要因が発生した場合の政策評価の在り方とその検討状況について、総務大臣にお伺いいたします。
 先日、いわゆるマイナンバー法改正案が可決、成立しましたが、マイナンバー制度をめぐっては深刻なトラブルが後を絶ちません。マイナ保険証に別人の情報が登録されるミスやコンビニにおける戸籍証明書等の誤交付、マイナポイントの付与誤りなどが数多く発生し、国民に被害が及ぶとともに、システム停止や総点検など、医療現場や地方自治体にも大きな負担を掛けています。
 こうした失策が相次ぐ原因と、国民や医療現場、地方自治体等に大きな負担を掛けていることについて、どのようにお考えでしょうか。デジタル大臣に伺います。
 また、こうしたトラブルが続く中、政府は二〇二六年に仕様を変更した新しいマイナンバーカードを発行することを明らかにしました。もしシステムが堅牢で安定しているなら仕様の変更など必要なく、拙速に変更すれば更なるトラブルに見舞われかねないようにも思います。
 このにわかに浮上してきたマイナンバーカードの変更について、それが新たなトラブルや現場への負担、更なるコスト増につながる懸念等について、デジタル大臣にお伺いをいたします。
 こうした状況の中でも、政府は構わずマイナンバーカードの利用範囲の拡大等を進めています。制度やシステムはますます複雑化し、今後もトラブルが多発することが容易に想像され、行政への信頼も失われるばかりです。
 立憲民主党としても、真に国民生活に資するマイナンバーの効果的な活用を進めることは必要だと考えています。しかし、国民の信頼なくして制度は成り立ちません。マイナンバー制度については、一度立ち止まり、複雑な制度設計や政策の在り方、進め方について考え直す必要があるのではないでしょうか。マイナンバー制度見直しの必要について、デジタル大臣の所見を伺います。
 マイナンバーと同様に行政の信頼を失わせている事案として、国土交通省OBによる民間企業人事への介入問題があります。
 官僚OBによる民間企業人事への介入が許されないのはもとより、一層深刻なのは、政府による事態の全容解明が進まないことです。
 国土交通省の人事情報の外部への提供といった重要な事実は、民間の独立検証委員会により明らかにされました。国会においても再三、全省調査等の必要性が指摘されているにもかかわらず、政府はごまかすように小規模な事実確認を小出しで行っているだけです。これでは国民の懸念を払拭することはできず、政府の危機管理や説明責任の観点からも問題です。
 国土交通省OBによる民間企業人事介入問題に係るこれまでの対応の反省と今後の対応方針について、国土交通大臣にお伺いをいたします。
 次に、政府の重要政策である国土強靱化について伺います。
 先月、会計検査院が防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策について検査結果を公表し、閣議決定の記載内容外使用が明らかになりました。三か年緊急対策の根拠となる閣議決定等に明記されていない内容の事業が少なくとも三千二百十二件行われ、六百七十二億円以上の予算が支出されています。緊急輸送道路ではない道路において景観向上のための無電柱化が行われるなど、問題のある事例が散見されます。こうした明らかに問題のある事例が指摘されているにもかかわらず、担当である内閣官房の国土強靱化推進室は、閣議決定等において示されている内容以外を実施してはならないことにはなっていないなどと説明しています。
 こうした国土強靱化対策閣議決定の記載内容外使用についてどう対処されるのか、国土強靱化担当大臣に伺います。
 また、昨年の本会議でも指摘したとおり、内閣官房は政策評価法の対象になっておりません。昨年の総務大臣の答弁では、内閣官房の担う内閣の重要方針は高度に政治的な判断により決定されるものであり、その妥当性については基本的に国会等の場において議論されていることがその理由として挙げられました。
 しかし、内閣官房に各種本部等を設けて総合調整している政策や府省横断的な政策課題といった、内閣の重要政策であるより上位の政策等については増加しているところであり、内閣の重要方針こそ政策評価を行うべきではないでしょうか。内閣の重要方針とされる政策には、通常、巨額の予算や人員が割かれます。政府にはより一層の説明が求められるとともに、その取組状況や成果も客観的に評価されるべきです。
 今回の国土強靱化の会計検査でも、取りまとめを行うべき内閣官房が三兆六千七百九十億円にも及ぶ予算の実際の支出額を把握していないことや、年次計画における目標管理などに問題があることが明らかとなっています。
 総務省は政策評価制度の質の向上を目指し、調査研究等を行っていますが、既に二〇一七年に「「政策体系のより上位の政策等」への政策評価の活用等に関する調査研究報告書」をまとめています。内閣官房の行う国土強靱化を始めとする重要政策に対する政策評価の在り方と、そもそも内閣官房を政策評価法の対象とする必要性について、改めて総務大臣にお伺いをしたいと思います。
 現在の政府の重要政策の一つは、子ども・子育て政策です。政府は次元の異なる少子化対策として多くの政策を打ち出し、三・五兆円の予算が組み込まれる見込みとのことです。他方で、その裏付けとなる財源確保のめどは立っていません。
 裏付けのない予算規模ありきの政策立案は無責任です。EBPMの観点からも、まず、これまでの政策の検証を行い、真に必要で効果的な政策は何かを判断すること、そして、その財源をきちんと確保することが政府の責任ではないでしょうか。
 なぜ予算を突然三・五兆円にまで膨らませながら財源の確保を年末まで先送りにしたのか。子ども・子育て政策で想定される予算規模の内訳とその根拠、さらに財源の確保策とその実現めどについて、小倉担当大臣に伺います。
 このような予算規模ありきの政策立案が、先ほど指摘した国土強靱化を始めとする政府の重要政策、目玉政策における予算の目的外使用や便乗計上につながっているのではないでしょうか。コロナ関係予算や地方創生でも会計検査院からの指摘や多数の報道があったことは記憶に新しいところです。子ども・子育て政策も、異次元の名の下に目的外使用や便乗が懸念されます。
 子ども・子育て政策において予算の目的外使用や便乗計上、議論やエビデンスなき政策立案、執行があってはならないと考えますが、小倉担当大臣の認識と、そうした事態を防ぐための方策について伺います。
 以上、参議院としての行政監視の取組の新たな一年間のサイクルの出発点に当たって、幾つかの課題を含め、質問させていただきました。行政監視委員会の更なる活動充実への決意を申し上げ、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121115254X03420230621_008

発言者: 小沢雅仁

speaker_id: 17023

日付: 2023-06-21

院: 参議院

会議名: 本会議