清水康之の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)
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○参考人(清水康之君) 御質問ありがとうございます。
まず一点目ですけれども、子供の自殺については、その自殺の危機経路、子供がどういうふうにして自殺に追い込まれていっているのかという経路が分かっていないがゆえに、タッチポイントが特定できないというのが現状だろうと思います。
ハローワークの例に関して言うと、あれはライフリンクが行った自殺で亡くなった五百二十三人についての聞き取り調査の中で、失業者や無職者の方たちがどういうふうにして自殺に追い込まれていっているのかということを明らかにした。これは、失業がきっかけとなって生活苦に陥って、借金抱えて、精神的に追い込まれて自殺に至っているという、そういう、もちろん全ての失業者や無職者の方がその経路に当てはまるというわけではないんですけれども、典型的な危機経路としてそういうことが分かってきたので。
であれば、ハローワークには失業した人たちが多く集まってくる、その中には恐らく生活苦へ陥っていたり、借金を抱えていたり、あるいは精神的に追い詰められている人がいる、自殺リスク抱えている人もいるんではないかというようなことで、ハローワークを拠点にしてそうした様々な関連する支援をパッケージにして提供できるまずワンストップサービスを実現できたわけですけれども、ただ、子供に関して言うと、その経路が分かっていないがゆえに、どこで誰がどうやって介入するのが効果的なのかということの実態すら分かってないがゆえに戦略も立てられてないというのが現状だろうと思います。だからこそ、しっかりと実態の分析をやっていく必要があるんだということです。
二点目は、ただ、一点目と関連するんですけれども、そうはいっても、実際に自殺行動に至った子に関してはもうその場で特定ができるわけなので、その子をどうやって支援するかということが当然ながら重要な課題となってきます。
未遂者に関して言うと、大きく二つポイントがあって、一つは、救命救急センターにまた搬送されるといったときに、その救命救急の身体的な治療だけでなく精神的な治療を併せてやれるような医療内の連携が重要になってくるということですね。裏を返すと、自殺未遂で搬送されても、でも、外科的な治療だけして退院させちゃうと、家に帰しちゃうということが決して珍しくないというか、むしろその方が多いだろうというぐらいの状況なんですよね。ですので、搬送されてきて、もうそれは普通のけがとは違うわけなので、外科的な治療、身体的な治療だけでなく精神科の治療も併せてやっていく、それを医療の中で実現するためのちゃんとインセンティブを整えるということが重要だろうと思います。
一つは、未遂者に対して精神科医の方が入って治療行っていくといったときには、診療報酬を昨年度の診療報酬の改定のときに大きく増点していただいたので、未遂者への継続支援料ということで、その部分のインセンティブはできてきているかと思います。
ただ、救命救急に搬送された未遂者をその精神科につなぐところの、救命救急センターで未遂者への対応をしていく、支援をやっていくというところのインセンティブは今まだ十分ないので、それに関して言うと、救命救急センターを評価する充実度評価という、救命救急センターの取組状況をいろんな項目に分けて点数化して評価するという制度がありますので、例えばその制度の中に、未遂者への支援をやっているというときには増点、チェックが付くように項目を加えるとかというようなことによって医療の中の連携のインセンティブが図られるんじゃないかと思います。
と同時に、医療と地域の連携も併せて重要で、退院して終わりではないので、幾ら精神科的な治療を施したとしても、その後、その人がまた元の同じ環境に戻ってということになると、また自殺リスクが高まって自殺行動に至るということが起きかねないので、退院して戻るその環境の調整もやらなければならないと。そうしたときには、地域の保健師さんであったり、学校の、場合によってはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも連携をして、子供の退院後の環境が自殺行動する前の、未遂に至る前の状況とは変わっているような、その子にとって生きる条件がちゃんと整っているような環境にしなければならないので、そういう意味で医療と地域の連携も必要になってくるかなと思います。
ただ、これも残念ながら今の段階では十分できているとはとても言い難いというふうに言わざるを得ないかなと思います。
以上です。