山添拓の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)
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○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
本調査会のテーマである、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築、社会経済、地方の現状と国民生活における課題に関わって意見を述べます。
長期にわたるコロナ危機と物価高騰の下で、国民生活は深刻な困難に直面しています。自立生活サポートセンター・もやい理事長の大西連参考人は、増え続ける食料支援の利用者に若年層、女性、子育て世帯が多く、この層にしわ寄せがかなり来ていると指摘しました。しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長の赤石千衣子参考人は、コロナ禍、非正規で働く一人親世帯への支援が乏しいことを指摘した上で、母子世帯の就業率が八六・三%と世界一高いにもかかわらず、その年間収入は二百三十六万円と低く、一人親家庭の相対的貧困率は先進国で最悪だと述べました。
コロナを機に露呈したこうした困難は今に始まったことではありません。東京都立大学教授の阿部彩参考人は、子供の貧困率の悪化の原因を三十年間にわたる親の稼得能力、貧困からの防御力の低下にあると分析しました。ニッセイ基礎研究所上席研究員の久我尚子参考人は、女性の非正規雇用率が高く、男女の賃金格差につながり、経済基盤としても不安定になると述べました。
非正規雇用の拡大は自然現象ではありません。一九八五年の派遣法制定とその後の拡大に象徴される政治による誘導があります。九五年の旧日経連、新時代の日本的経営に露骨に示されていたように、労働力の弾力化と流動化による総人件費の節約と低コスト化を目指す大企業の利潤追求に呼応したものです。
日本では、生産性が上がっているにもかかわらず、賃金が上がっていません。大企業が空前のもうけを上げても、専ら配当や内部留保に回されてきたという分配のゆがみに大きな問題があります。打開のためには、非正規から正規への流れをつくることが不可欠です。介護や保育、ケア労働での賃上げ、公契約法の制定など公的分野からの底上げが求められます。
最も実効的な賃上げは最低賃金の引上げです。昨年の最低賃金改定は六月時点の物価上昇率三%を前提としていますが、実際に改定された十月は四・四%、今年一月には五・一%に達し、物価上昇に追い付いていません。再改定が直ちに必要です。暮らせる最低賃金にするために、中小企業支援とセットで全国一律時給千五百円を目指し、速やかに引き上げるべきです。
日本共産党は、大企業の内部留保に対する時限的な課税により中小企業支援の財源を生み出すことも提案してきました。正規も非正規も賃金の底上げにつながる合理性と実効性のある案だと考えます。
働く世代の所得減少は、子育てにお金が掛かり過ぎる下で少子化に拍車を掛けることともなっています。子供の医療費無料化や学校給食費の無償化を政府として進めていくべきです。
高等教育無償化の必要性を複数の参考人が言及しました。しかし、岸田政権の少子化対策はこの点に全く応えていません。授業料の負担そのものを軽減し、給付型奨学金を中心にすることこそ求められます。
持続可能な地域社会総合研究所所長の藤山浩参考人は、人口減少など地方が抱える問題についての政治の課題として、予算の中途半端さ、選択と集中による切捨て、循環型社会を考慮するなど未来型の必要性、平成の大合併が地方の自己決定権を奪ったのではないか、そして市町村の公務員が少な過ぎるという五点を挙げました。いずれも傾聴に値する指摘であり、国会としても検証し、対応すべきです。
今国会では地域公共交通法が改定され、赤字ローカル線の在り方を話し合う再構築協議会の設置が進められようとしています。関西大学教授の宇都宮浄人参考人は、この協議会の議論の方向性について、国交省が地域に求めているのは、本音ベースでは運輸事業での収支を上げろ、生産性を高めろというものだと批判しました。道路建設ばかりにお金を出す硬直化した予算配分を見直し、上下分離方式など、公共インフラとしての鉄道を維持するための方策を検討すべきです。
障害者の脱施設化をめぐる問題、子供の自殺者の増加など、誰も取り残されず希望が持てる社会と程遠い現状を直視し、一人一人の困難に文字どおり寄り添う政治へ転換すべきであることを強調し、意見とします。