木村英子の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)
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○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
今回の調査会は、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築というテーマですが、私自身、障害とは切り離すことができない現状において、取り残されないという課題は人ごとではなく、社会的障壁と闘う毎日です。
障害者のいる家庭の大半は、介護や年金、手当など公的制度の保障が少ない中で、家族だけに責任が負わされ、社会から取り残されている人たちがたくさんいます。また、教育については、養護学校義務化以前から普通学校に障害児が通える環境が整っていないことで、特別支援学校や支援級に通うしかなく、幼いときから分けられて育つことで、健常児とのコミュニケーションの機会が奪われています。
そのことが社会へ出たときの弊害となって、地域に出てからも困難を抱えている障害者の人たちがたくさんいます。DPIの尾上参考人からも、障害の有無で分けられることなく同年代の友達と過ごすことの重要性を感じているとお話しされていました。
こうした中で、昨年九月には国連の障害者権利委員会から勧告が出され、分離された特別な教育をやめ、インクルーシブ教育を推進することと、脱施設による地域移行の実現が緊急の課題とされ、二〇二八年までにその改善の報告が求められています。しかし、その勧告が出された直後、文部科学大臣は、特別支援教育の中止は考えていないと記者会見で述べられるなど、政府はこの勧告を真摯に受け止める姿勢を示していません。
日本は、二〇一四年に障害者権利条約を批准しましたが、憲法九十八条二項には、日本が締結した条約は、これを誠実に遵守することを必要とすると明記されています。ですから、二〇二八年までの五年間で、条約の求めるインクルーシブ教育の実現や脱施設化に向けたロードマップを示していくことが立法府として求められている課題だと考えます。
また、昨今の障害者を取り巻く環境を考えると、今の時代に合わせた法整備が必要であることから、二〇一一年の改正から十年余りを経ている障害者基本法の見直しが必要だと考えます。
具体的には、児童福祉法の目的規定にも明記されているように、障害者基本法においても、目的規定に障害者権利条約の精神にのっとりという趣旨の文章を入れることによって、インクルーシブな社会に近づくのではないかと思います。また、脱施設化やインクルーシブ教育の推進を図るために、障害者基本法第三条の地域社会における共生の条文や十六条の教育の条文にある可能な限りという文言を原則としてという文言に改正することで、障害がある子もない子も分け隔てなく共に学び共に生きることが可能になると考えます。
そこで、二つの提案をさせていただきたいと思います。
まず、過去には、共生社会調査会において、DV防止法を作るに当たってプロジェクトチームが立ち上げられています。そのときには議員立法が提出された経緯がありますので、今回の国民生活調査会においても、検討を踏まえた上で、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築のために、障害者基本法の改正に向けたプロジェクトチームの立ち上げを提案したいと思います。
また、二〇〇四年に、第六期の国民生活調査会で、ユニバーサルデザイン社会の形成促進に関する決議が取りまとめられました。それにより二〇〇六年のバリアフリー法が制定され、ハード面のバリアの解消が進んでいるところです。
こうした過去の調査会においても、社会的に弱い立場にある人たちの社会参加への取組として、議員立法や決議などが提案されてきた経過もあります。今回の「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」に向けて、当事者参画で障害者権利条約のモニタリングの役割を担ってきた障害者政策委員会と連携し、参議院として政府に対する決議を提案していただきたいと思います。障害者権利委員会からの勧告を踏まえ、インクルーシブ教育や脱施設化を実現するために、皆様、この御検討をお願いいたしたいと思います。
以上です。