玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)

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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
 岸田総理は、自民党の憲法改正実現本部の会合で、自民党総裁として目の前の任期中に改正を実現したい、党派を超えた連携を目指す改正項目について党としての考えを取りまとめてほしいと述べられました。意気込みは非常にいいと思います。
 ただ、今日が臨時国会最後の憲法審査会です。この国会を振り返ってみて、改正項目の絞り込みや条文案作りが一ミリも進まなかったことは極めて残念です。岸田総理の目指す来年九月の総裁任期中に改正するのであれば、今国会でこそ、まさに、党派を超えた連携を目指す改正項目としての四党一会派で合意が進んだ緊急事態条項、とりわけ議員任期の延長規定についての条文案の作成に取りかかるべきではなかったでしょうか。
 ちなみに、先ほど中谷筆頭幹事から、自衛隊の明記案についてもほぼ合意ができている旨の話があったと思いますが、私は、単なる明記案は中途半端で反対です。やはり自衛権の議論をきちんとしないと、赤嶺先生から、共産党から、いつまでたっても指摘を受ける中途半端な改憲論にとどまりますので、ここは、妥協でするというよりも、やはりきちんとした法律論をやるべきだということは付言させていただきたいと思います。
 ただ、今日、中谷筆頭幹事から、起草のための機関をつくるという発言があったことは評価をしたいと思います。前回、私、この場で会長に対して、条文案作りの作業部会の設置を求めましたので、ほぼ同じ趣旨だというふうに理解をしております。
 特に議員任期の特例延長規定についてはかなり合意が進んできたと思いますので、この起草のための機関、私の言う作業部会については是非設置をしていただき、そして、衆議院憲法審査会規程の八条には、「審査会は、会期中であると閉会中であるとを問わず、いつでも開会することができる。」という規定が八条にございますので、是非、閉会中もスケジュールを定めて積極的な議論を進めていただくよう、会長にもお願いしたいというふうに思います。
 立憲民主党さんに是非御協力いただきたいのは、党内にいろいろな意見があるのはこれまでもお伺いしておりますが、前回、奥野議員の発言にもあったとおり、御党においても、究極の事態、戦時など選挙が困難な事態においては議員任期の延長を可能とする憲法改正も検討の余地があると思います。ですから、議員任期の延長規定の創設については、国会中心主義の観点から合意が得られ得る分野だと思いますので、是非前向きに議論に参加をいただければというふうに思います。
 その意味で、これは改めて確認なんですけれども、先ほどもあった、一時的、暫定的、限定な役割であると憲法上の一つの性質が明確である参議院の緊急集会、私も基本的にこれを使うべきだと思うんですが、一度この場でも提案しましたけれども、本予算の議決、条約の承認までできるのか。つまり、本予算は一年に一回組みますから、一年以上長期にわたって選挙ができないようなケースに本予算の議決と条約の承認まで認めることが憲法上許容されているのかどうか。ここについての考えは整理して教えていただきたいなというふうに思うんですね。
 衆議院の事後的な同意がなければ、その効力を失うというのは基本的な憲法の定めですので、本予算とか条約まで決めるとなると、予算の議決と条約の承認については、御存じのとおり、衆議院の優越が認められていますし、先ほど國重先生からもあったような両院同時活動の原則という、もう一つの原則もあるので、無理にやってしまうと違憲の疑いが生じるのではないかと思うので、緊急集会のリーチの範囲がどこまでなのかということについては、他の憲法の規定との関係でやはりきちんと整理すべきだと思います。
 その中で、国会中心主義を貫くために憲法改正が必要であれば、司法の関与も踏まえつつ、お手盛りにならないような一定のルールをやはり事前に定めるべきではないかというふうに思います。是非、ここは御協力、また御意見も伺いたいというふうに思います。
 国民投票法改正法案についても一言申し上げたいと思います。
 政党等による有料ネット広告をどこまで規制するかは、国民広報協議会におけるネット広報がどこまで行われるのかとセットでやはり考える必要があると思います。
 具体的には、録音、録画の公営限度額が一体どこまで認められるのかということが実は極めて重要な要素だというふうに思います。一番正確な情報をやはり発信できるのは、改正案を取りまとめた各政党だと思うんですよね。その政党からの発信が禁止される一方で偽りのフェイクニュースやプロパガンダは幾らでも出せるということになると、国民の正しい判断がゆがめられてしまうと思います。
 これは前回、奥野さんが出したんですが、横表の、まとめていただいたポンチ絵なんですけれども、具体的に多分起こり得ることを二つ例を挙げて申し上げると、一つ、我々が議員任期の延長等の緊急事態条項を出したときに必ず言われるのは、ナチスが生まれると言われるんですよ。これは明らかにフェイクニュースです。事実に反する。ただ、それが多分流布します。今、もう既に流布していますからね。二〇一二年の自民党の憲法改正草案とも違うからそんなことはないんですが、そういうことが起こったときに、それを政党として、あるいは広報協議会として止めることができるのかどうか。
 もう一つ、多分フェイクニュースが蔓延するのは、今の自民党の九条改正案だと新たにできることは何も増えないんだけれども、この九条改正案によって、北朝鮮から拉致被害者を取り戻すために自衛隊が行けるようになるとか、ありもしないような、追加でできるような、自衛権の行使とか国際的な貢献とか活動ができるように、これもまたフェイクニュースなんですね。ですから……(発言する者あり)いやいや、そうなんです。だから、リベラルの方も余り心配しなくていいんですが、ただ一方で、保守派に対しては、新しいことができるできると言って今の九条改正案を出しているので、こっちのフェイクニュースも心配なんですよ。これは一体誰が止めるんだということですよ。
 自民党は止めたくないし、でも事実に反するので、では広報協議会が止めるのかというところは、今の条文案でいくのであれば、かなり現実に起こり得るフェイクニュース、二つの案件なので、そこは本当にどうするのかというのは、具体的に、もし考えがあれば教えてもらいたい。
 最後に、階さんが前回、データ基本権を始めとした新しい人権を憲法上に明記するという憲法の改正を党内で議論されていると。私、賛成です、これは。
 我が党も、三年前のちょうど十二月です、二〇二〇年の十二月に憲法改正のための論点整理をした中に、多分公党の中で初めて、データ基本権の明記について具体的な条文案を示しました。十八条の二を創設して、今話題となっている自己情報決定権、いわゆる自己情報コントロール権に加えて、思想、良心の自由並びにその形成の自由ですね、プロセスの自由まで保障する十九条改正案も提案しています。これは、プロファイリングによるマイクロターゲティングによって思想、良心の形成プロセス自身が不当に操作される、特に外国勢力によって操作されるということを踏まえて、必要な改正ではないかということで示したものです。
 また、社会的に大きな影響力を持つに至った新しい統治者、これはビヒモスということで有識者の方にも説明をいただきましたけれども、プラットフォーマーの責任にきちんと着目をして、偏りのないバランスの取れた自律的な多様な言論空間を確保して、いわゆるインフォメーションヘルスの環境を整える、この責務をプラットフォーマーに課すという二十一条の改正案も示しています。
 こうした内容を踏まえた具体的な条文作りについては、立憲民主党さんと一緒に共通条文案を作りたいと思いますので、ここは是非協力して、新しい人権についての憲法改正条文案の取りまとめを是非御党とも行っていきたいというふうに思っております。
 最後に申し上げたいのは、とにかく大事なのはスケジュール感です。起草のための機関ができても、結局その起草のための機関も、お尻を決めずにだらだらやると新たな言いっ放し機関が生まれるだけになるので、やはり、堂々巡りを繰り返すのではなくて、議論を具体的にピン留めしながら前に進めていくということを是非やっていただきたい。そういう作業部会、あるいは起草のための機関を速やかに設置し、そして閉会中も含めて動かしていくことを改めてお願いを申し上げまして、私の発言を終わります。

発言情報

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発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2023-12-07

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会