下村博文の発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○下村委員 自民党の下村博文です。
発言の機会をありがとうございます。
目下の国際情勢に鑑みれば、多くの憲法学者が違憲と解する自衛隊の法的地位を国防の要として憲法上明確に位置づけるとともに、外部からの武力攻撃やサイバー攻撃、内乱やテロ、大規模自然災害や伝染病、その他社会秩序と国民生活に深刻な影響を及ぼす事態への迅速な対応を可能とする緊急事態条項の創設が必要不可欠であります。
我が国に迫る様々な脅威から国の主権と国民の生命と財産を守り抜くために、自衛隊明記と緊急事態条項の創設の二点を軸とする憲法改正の実現に向け、速やかに具体的な条文案の策定と国会発議が行えるよう提案をいたします。
いつまでも自由討議を行い、国民から見ても小田原評定のような議論をしても、成果は生まれません。岸田総裁は、来年九月までの任期までに憲法改正を成し遂げたいという強い思いを持っておられます。我が党はそれに応えるため、まずは、自衛隊明記とともに、既に憲法審五会派の共通認識である緊急時における議員任期延長のための法案を早急に出すべきであると考えます。
参議院の緊急集会は、緊急権の規定ではなく、あくまでも臨時会相当の規定であり、憲法がこれに重要な役割を担わせる構造になっているとは言えません。衆議院憲法審五会派の共通認識として、参議院の緊急集会は、あくまでも一時的、限定的、暫定的制度であるとなっています。
平時から緊急時へと切り替えるトリガーとしての緊急事態条項を憲法に設けることが必要であり、国家の存立を維持し、国民の生命と財産を守るためという緊急事態条項の目的をきちんと明記すべきであります。憲法審で行ったこれまでの議論で、国会において三分の二の賛成を得られることではないかと考えます。
その国会機能維持のため、議員任期延長が必要であります。議員任期延長を強調すると、お手盛りなどと批判されますが、これはあくまで国会機能維持の策の一つであります。ただ、私は、議員延長を先行したとしても、緊急政令等を含めたパッケージで提案することが必要であると考えます。
想定外の事態に迅速に対応するため、個別法の確認規定ではなく、憲法を直接の根拠法として内閣が緊急政令、緊急財政処分を行うことができる創設的な規定を設けるべきであります。緊急政令、緊急財政処分は、積極的に活用するものではなく、あくまでも究極の事態に備えた、一時的、暫定的な国会機能の代行が目的であります。
東日本大震災のときにおいても、この大震災以降、七十一の関連法、百五十九の政令を成立させています。しかし、それだけ復旧復興が遅くなってしまったということであるわけであります。
そもそも、憲法に緊急事態条項がないというのは、政治の不作為ではないかと考えます。緊急事態条項は、緊急時にも立憲主義を機能させようとするものであります。憲法に緊急時を想定することは、想定外の範囲を可能な限り限定し、超法規的な措置をできないようにするものであり、その規定がなければ、法治国家としての立憲主義の原則が崩壊することになります。
今国会においても、今日の憲法審が最後となりました。これまでも、そして今日も各党の委員から提案されているとおり、閉中審査を引き続き是非行っていただきたいと思います。
また、本日も中谷筆頭幹事から提案がありました。是非、憲法改正に向けた条文案作成に向けた作業チームを設置し、来年の通常国会までには憲法改正の発議のコンセンサスを得る努力を私たちはすべきと考えます。その取扱いにつきまして、森会長にお願いをいたします。
以上でございます。