岸田文雄の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 吉田はるみ議員の御質問にお答えいたします。
 大阪・関西万博の予算についてお尋ねがありました。
 ポストコロナの中で開かれる大阪・関西万博については、国、大阪府、大阪市、そして経済界、この三者で、オール・ジャパンでその準備に取り組んでいます。
 会場建設費については、十月二十日に、西村経産大臣と自見万博担当大臣が、大阪府知事、大阪市長、経済界代表とともに、博覧会協会から必要額について説明を聴取したところであると承知をしています。
 現在、両大臣を中心に、その内容について適切なものとなっているか、また、更なるコスト増の可能性にも十分対応できるものとなっているか等も含め、必要な精査を行っているところであり、しっかり確認した上で、大阪府、市、そして経済界とも対応を協議していきたいと考えております。
 高校生のいる子育て世帯の扶養控除の在り方についてお尋ねがありました。
 こども未来戦略方針においては、児童手当の支給期間の高校生年代までの延長に際して、中学生までの取扱いとのバランス等を踏まえ、高校生の扶養控除との関係をどう考えるか整理する、このようにしております。
 今後、整理を進める必要があるとしても、高校生の扶養控除の廃止を前提とした議論、検討している事実はありません。
 介護保険の利用者負担等についてお尋ねがありました。
 政府として、全世代型社会保障構築の観点からの改革を進め、年末には工程を策定しますが、現時点でその方向性が定まっている事実はありません。
 このうち、介護保険における利用者負担の在り方については、骨太の方針二〇二三において年末までに結論を得ることとされており、様々な意見を丁寧にお聞きしながら検討を進めてまいります。
 埼玉県の虐待禁止条例改正案についてお尋ねがありました。
 地方議会における条例案について政府としてコメントすることは控えますが、その上で申し上げれば、子育ての現場の実態を十分に踏まえた上で、子育て家庭が孤立することがないように、仕事との両立や、子育てにおける負担や困難を社会全体で支えていくことが重要だと考えます。こうした考え方に基づいて、本年六月にまとめたこども未来戦略方針について、スピード感ある実行を図ってまいります。
 児童扶養手当の増額についてお尋ねがありました。
 まず、議員立法の取扱いについては国会でお決めいただくものと承知をしておりますが、その上で、本年六月に閣議決定したこども未来戦略方針においては、一人親家庭への支援を含め、今後、こども大綱の中で具体化する貧困に関する支援策について、今後の予算編成過程で施策の拡充を検討することとしています。
 現在、こども家庭審議会等において、児童扶養手当を始めとする経済的支援や就労支援の在り方など、多岐にわたる項目について御議論いただいているところであり、引き続き、こども大綱策定に向けて、支援策の具体化を進めてまいります。
 学校給食費の無償化についてお尋ねがありました。
 学校給食費の無償化の検討に当たっては、一部の自治体や学校において学校給食が実施されていない状況もあるため、児童生徒間の公平性等の観点から、実態を把握した上で課題を整理する必要があります。
 このため、本年六月に決定したこども未来戦略方針では、全国ベースでの学校給食の実態調査を速やかに行い、一年以内にその結果を公表する、このようにしております。その上で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等も含めて、課題の整理を行ってまいりたいと思います。
 教育費の負担軽減についてお尋ねがありました。
 少子化対策、教育の機会均等の観点から、教育費の負担軽減は重要であり、幼児期から高等教育段階まで切れ目のない負担軽減策を行ってきたところです。
 その上で、高校の授業料等については、限られた財源を有効活用する観点から、これまでに所得制限を設けることで捻出した財源により低所得世帯への支援を拡充するなど、より教育の機会均等に資する制度となっており、高等教育段階については、給付型奨学金等の中間層への拡大、修士段階における授業料後払い制度の創設等に取り組むこととしております。
 これに加えて、多子世帯の学生等に対する授業料等の減免について、執行状況や財源等を踏まえつつ、対象年収の拡大も含め更なる支援拡充を検討し、年末までに具体化を進めてまいります。
 教職員の働き方改革や教師の処遇改善等についてお尋ねがありました。
 教師は学校教育の充実、発展に欠かせない存在であり、教師の厳しい勤務実態がある中、教師を取り巻く環境の整備が重要です。このため、これまで、教職員定数の改善、教師を支援するスタッフの配置の充実、ICTを活用した業務効率化等に取り組んでまいりました。
 給特法の在り方については、今後、具体的に検討していくべき課題と認識しており、現在、中央教育審議会において総合的に議論が進められているものと承知をしております。
 御指摘の議員立法による提案については、まずは国会において議論いただくべきものであると考えております。
 政府としては、教育の質の向上に向け、働き方改革、処遇の改善、学校の指導、運営体制の充実、育成支援、こうした取組を一体的に進めてまいります。
 賃上げや中小企業支援についてお尋ねがありました。
 賃上げは、言うまでもなく岸田政権の最重要課題であり、成長と分配の好循環が回っていく、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げが行われる、こうした経済を目指してまいります。
 そのためには、賃金や投資までカットしてきたコストカット型経済から完全脱却を実現することが必要であり、思い切った供給力の強化を集中的に講じてまいります。賃上げ税制の強化などの措置を講ずるとともに、三位一体の労働市場改革、中小企業の省力化投資など、生産性を引き上げる構造的な改革や賃上げ費用の価格転嫁対策、これらを進めてまいります。
 それとともに、急激な物価高に賃金上昇が十分追いついていない現状を踏まえ、成長による税収の増収分の一部を国民に還元し、国民の生活を守るための物価高対策に万全を期してまいります。
 非正規雇用労働者の賃上げ、そして正社員化についてお尋ねがありました。
 非正規雇用労働者の賃上げについて、最低賃金の引上げや賃上げしやすい環境整備に取り組むことに加え、同一労働同一賃金の遵守徹底を引き続き図ってまいります。
 また、希望する方が正社員として就労することができるよう、正社員化に取り組む事業主への支援を講ずるとともに、ハローワークにおける担当者制によるきめ細かな就労支援を実施してまいります。
 こうした施策を通じて、非正規雇用労働者の賃上げと正社員化を実現してまいります。
 不登校についてお尋ねがありました。
 不登校の要因や背景については、本人、家族、学校に関わる様々な要因が複雑に関わっている場合が多いと認識をしており、学びの場の確保や児童生徒の困難の早期発見、支援、こうした取組が重要であると認識をしています。
 先日公表した調査結果では、小中学校の不登校児童生徒数が過去最多になるなど、極めて憂慮すべき状況です。
 このため、今月開催された不登校対策等に関する合同会議の場において、緊急的に対応すべきものについて経済対策にも盛り込むなど、私から文部科学大臣に指示を出したところです。
 政府としては、不登校に関する対策を強化し、子供の安全、安心確保に万全を期してまいります。
 副大臣、大臣政務官の人事についてお尋ねがありました。
 人事は、本人の人格識見を踏まえ、適材適所の考えで行っており、閣僚、副大臣、大臣政務官、総理補佐官など、全体として、適材適所を徹底して行った結果として、このような老壮青、そして男女等のバランスになったところであります。
 当然のことながら、政府の外においても、国会や党内における政策の立案、議論や国会運営において、幅広く活躍いただきたいと考えております。
 いずれにせよ、女性活躍は岸田内閣において重要な課題であり、女性版骨太の方針二〇二三に基づき、全ての方が個性と能力を発揮できる社会の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。
 選択的夫婦別氏制度及び同性婚制度についてお尋ねがありました。
 選択的夫婦別氏制度の導入については、現在でも国民の間に様々な意見があることから、しっかりと議論をし、幅広い国民の理解を得る必要があると考えております。
 また、同性婚制度の導入については、国民一人一人の家族観とも密接に関わるものであり、国民各層の意見、国会における議論の状況、同性婚に関する訴訟の状況、そして地方自治体におけるパートナーシップ制度の導入状況等を注視していく必要があると考えています。
 いずれにせよ、政府としては、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向けて、引き続き、様々な国民の声、これを受け止めて取り組んでまいります。
 細田前議長の発言についてお尋ねがありました。
 お尋ねの発言は、当時、衆議院議長として発言されたものであり、内閣総理大臣の立場から見解を申し上げることは差し控えますが、一般論として申し上げれば、名のり出る人がいなければセクハラはないという考え方は適切ではないと考えています。
 旧ジャニーズ事務所の性加害問題などについてお尋ねがありました。
 子供、若者への性暴力は、心身に深刻な影響を及ぼす極めて悪質な行為であり、許されるものではありません。ましてや、それが長期間、広範に繰り返されたとされる御指摘の事案、これは決してあってはならないことであります。
 御指摘の事案に限らず、弱い立場に置かれた子供、若者が被害に遭う事案が後を絶たない現状を踏まえれば、全ての子供、若者が性被害に遭うことなく、安心して過ごすことができる社会の実現に取り組むこと、これが重要です。
 その際に、被害当事者等の声をお聞きすることを通じて、被害実態の把握に努めることは大切なことだと認識をいたします。これまでも、関係府省において、被害当事者や支援者等から直接お話を伺い、子供の性被害の特徴などを十分に踏まえた上で緊急対策を立案し、実施してきたと承知をしております。まずは、この対策の実行を加速してまいりたいと考えています。
 なお、御指摘の児童虐待防止法改正法案については、議員立法として提出されたものであることから、その取扱い等は、今後、国会において御議論いただくものであると承知をしております。
 いわゆるDBS法案についてお尋ねがありました。
 性犯罪、性暴力は重大な人権侵害であり、あってはならないことです。政府として、こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージに基づく対策を加速化してまいります。
 その上で、子供の性被害を防止する法制度については、与党とも緊密に連携しつつ、子供の被害防止のため、より実効的な制度となるよう検討を深めている段階であり、次期通常国会以降、できるだけ早い時期に法案を提出できるよう努めてまいります。
 杉田議員のSNSの投稿についてお尋ねがありました。
 個々の議員の記者会見の要否については、各議員が適切に判断すべきものであると考えておりますが、杉田議員については、私の内閣の総務大臣政務官を務めていた当時に、御指摘の投稿に傷つかれた方々に謝罪をした上で、その表現を取り消したものであると承知をしております。
 いずれにしても、政治家として、必要に応じ説明責任を果たしていくこと、これが重要であると考えております。
 秋本議員の受託収賄事件についてお尋ねがありました。
 御指摘の事件については、検察当局が今起訴しているところであり、今後、公判の過程で真相が明らかになるものであると承知をしております。
 百三十万円の壁についてお尋ねがありました。
 百三十万円の壁については、労働者が壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者保険の適用拡大にこれまで取り組んできたところであります。
 今般、若い世代の所得向上や人手不足の解消の観点から、当面の対応策として、年収の壁・支援強化パッケージを取りまとめたところであり、まずは本パッケージを着実に実行してまいります。
 その上で、被用者保険の更なる適用拡大などの制度の見直しに取り組むこととしており、次期年金制度改正に向けて社会保障審議会年金部会において議論を開始しており、今後も関係者の意見を伺いながら丁寧に議論を進めてまいります。
 老朽化マンションへの対応についてお尋ねがありました。
 マンションと居住者の両方における高齢化が進行している中、マンションの管理の適正化は喫緊の課題であると考えます。
 このため、地方公共団体による専門家の管理組合への派遣等に対する予算支援のほか、適切に管理されているマンションを認定し支援する制度、また、管理組合に大規模修繕工事を促す税制上の優遇措置の活用促進、これらの取組を進めており、引き続き、この取組を推進してまいりたいと考えております。(拍手)
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発言情報

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発言者: 岸田文雄

speaker_id: 6324

日付: 2023-10-24

院: 衆議院

会議名: 本会議