玉木雄一郎の発言 (本会議)

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○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。(拍手)
 私からは、まず、賃上げ、賃上げ、賃上げと、賃上げを三唱させていただきたいと思います。
 賃上げが実現すれば、年金も上がります、子育てもしやすくなります。結局、問題は賃金です。
 今私が三回賃上げと申し上げたのは、総理、本当に経済を新しいステージに移行させるためには、少なくとも今年、来年、再来年、三年連続賃上げを実現することが必要だと考えます。
 総理、一国のトップリーダーとして、賃上げ実現に向けた力強いメッセージを出してください。岸田内閣では三年連続賃上げを何としても実現する、そのためにありとあらゆる政策手段を講じる、これぐらい言ってください。総理の決意を伺います。
 今後の持続的賃上げのポイントは、中小企業の賃上げです。しかし、中小企業や下請企業では、賃上げに必要な価格転嫁が簡単ではありません。運送業や農業は、その典型です。
 昨年、公正取引委員会は、燃料費や人件費などのコスト上昇分を取引価格に反映する協議をしなかったとして、佐川急便などの社名を公表しました。
 価格転嫁において優越的地位の濫用がないか、業界大手にこそ公取や下請Gメンを積極的に入れるべきです。総理の考えを伺います。
 次に、経済です。
 内閣府は、今年度の名目GDP成長率を四・四%と予想しているのに、なぜか税収は昨年から二兆円減る予測になっています。奇妙です。意図的に税収を低く見積もり、増税が必要と言っているのではないですか。税収に関する総理の基本認識を伺います。
 一昨年度は約十兆円、昨年度は約六兆円の税収の上振れ、そして今年度も、一九九七年以降の税収弾性値の平均値を当てはめると七十九兆円程度の税収になり、約十兆円の上振れが見込まれます。そうなれば、政府目標の二〇二五年を待たずに、来年度には前倒しで何とプライマリーバランスの黒字化を達成します。
 しかし、速過ぎる財政再建のペースは、かえって経済を減速させます。現に本年四月から六月の消費はマイナスになっています。
 今やるべきは、増税ではなく減税です。国民民主党は、国民に直接届く生活減税四本柱を中心とする経済対策を取りまとめました。
 まず、所得税の減税です。
 税収の上振れ要因の一つは、所得税の増収です。三十年ぶりの賃上げによって、所得の増加率以上に税収が増える、いわゆるブラケットクリープ現象が生じています。
 総理、税収増の還元というなら、非課税世帯への給付だけでなく、税金を払っている納税者にこそ税収増を還元すべきです。具体的には、所得税のインフレ調整、すなわち基礎控除や給与所得控除の引上げによる減税を提案します。基礎控除は、最低限の生活に必要な所得には課税しないという制度です。しかし、一九九五年を最後に、基礎控除と給与所得控除を足し合わせた額の引上げは行われていません。
 デフレからインフレに経済のステージが変化する中、生きるコストも上昇しています。だからこそ、定額とか時限とか表層的な議論ばかりでなく、基礎控除の引上げなど、インフレ時代に対応した筋の通った所得税改革が必要です。総理の考えを伺います。
 所得税と併せて大きく伸びている税収が消費税収です。物価の上昇は、消費税率の引上げと同じ効果があります。国民民主党は、名目賃金上昇率が五%程度に達するまでの間は、消費税率を五%に減税することを提案しています。また、単一税率になればインボイスは要りません。弱含んでいる消費を下支えし、中小・小規模事業者の負担をなくすためにも、税率を引き下げ、単一税率にすべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 もう一つ、絶対やるべき生活減税が、ガソリン減税です。国民民主党は、二年前の衆議院選挙のときから、トリガー条項凍結解除による旧暫定税率分、リッター二十五円十銭の減税を主張してきました。自公国の三党協議を経て補助金という形になりましたが、かえって財政支出が増えています。出口戦略の一環としても、そろそろ補助金からトリガー条項発動による減税に移行すべきときです。
 また、そもそも、暫定と言いながら来年で導入から五十年を迎える旧暫定税率や、ガソリン税に消費税を課す二重課税は見直すべきです。総理の考えを伺います。国民民主党は、暫定税率と二重課税を廃止する税制改正法案を今国会に提出しています。
 国が賃上げを主導するならば、まず、公定価格である介護や保育の従事者の給料を上げるべきです。特に、介護の人材不足は深刻です。昨年、介護就労者の数は、転職などによって初めて減少に転じました。政府が経済対策に盛り込む予定の月六千円の賃上げでは、全産業平均には全く及ばず、離職は防げません。月六千円の根拠は一体何ですか。介護従事者の待遇をいつまでにどの程度の水準にまで引き上げようとしているのか、総理に伺います。
 国民民主党は、せき止めやたんを切る薬など品薄が続く医薬品の製造、流通への支援が必要だと訴えてきました。先日、厚労省から製造メーカーに対する増産要請が出ましたが、いつ頃までにその品薄が解消されるのか、見通しを示してください。
 そもそも、今の薬価では、作れば作るほど赤字です。幾ら増産要請をしても、薬価を上げない限り、安定供給は実現しません。適正価格で国が買い取るべきではありませんか。
 また、低過ぎる薬価では、国内で優れた新薬が生まれません。製薬業界の賃上げを促すためにも、毎年改定を含めた薬価制度の在り方を根本的に見直すべきではありませんか。総理の見解を伺います。
 電気代の値下げには、原子力発電所の早期再稼働が必要です。とりわけ東日本における安価で安定した電力供給のためには、柏崎刈羽原発の再稼働が必要です。新潟県や東電任せにせずに、国が前面に出て、再稼働に向けた具体的な行動を起こすべきではありませんか。
 また、政府は、火力から再エネに電力システムを構造転換すると言ってきましたが、電力自由化で本当に電気代は安くなったのかなどを検証し、電力の安定供給の観点から必要な見直しを行うべきです。総理の見解を伺います。
 年収の壁の問題について具体策が出たことは評価します。ただ、現場では、キャリアアップ助成金を用いた新制度は使いづらいとの声が出ています。この新制度で何人が新たに保険加入するのか、人手不足はそもそも改善するのか、見通しをお答えください。
 さらに、一部の人の社会保険料を国が肩代わりすることについては、自分で保険料を納めている人との不公平感が否めません。総理、令和七年度末までの時限措置を終えた後の、年収の壁の抜本改革の姿を速やかに示すべきではありませんか。
 次に、こども未来戦略方針について伺います。
 妊娠、出産、育児を通じた伴走型支援が盛り込まれたことは評価します。ただ、肝腎の伴走者が不在です。
 フィンランドにはネウボラという無料の出産育児相談所があり、親子を同じ保健師がずっと担当するマイ保健師制度があります。出産直後の産後うつや虐待死を防ぐため、日本でも、妊娠から育児まで同じ専門家が伴走し、複数の支援サービスのコーディネートも行う子育てケアマネジャーやかかりつけ保健師といった制度の創設が必要だと思いますが、総理の見解を伺います。
 児童手当の所得制限撤廃は評価しますが、それ以外の子育て、教育政策についての所得制限が残ったままです。特に、障害児福祉の所得制限撤廃については、こども未来戦略方針には言及がありません。総理、児童手当の所得制限を撤廃するなら、せめて障害児福祉の所得制限も撤廃しませんか。国民民主党は、障害児福祉を含む所得制限撤廃法案を国会に提出しました。
 総理、異次元の少子化対策というなら、自民党が野党時代に公約に掲げた年少扶養控除を復活しませんか。本来、人的控除は最低限の生活費には課税しないという制度で、子供の生存権を保障するものでもあります。児童手当とは制度目的が異なっているので、両立は可能だと思います。総理の考えを伺います。また、児童手当を高校生まで延長する財源として高校生の扶養控除を廃止するとの声がありますが、この案に総理も賛成ですか。考えを聞かせてください。
 こども未来戦略方針では、来年度から給付型奨学金の対象を多子世帯や理工学部、農学部の中間層の学生にも拡大するとしていますが、これを多子世帯以外や文系の学生にももっと拡大すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 こども未来戦略方針では、来年度から授業料後払い制度を修士段階の学生に導入し、その財源を日本学生支援機構によるHECS債で調達することとしています。
 国民民主党は、教育、科学技術など人的資本形成に資する予算には教育国債という新たな国債を充てることを提案し、法案も提出しています。政府が検討しているHECS債の対象を更に拡大した教育国債を発行することで、望む全ての学生が大学や大学院に無償で通えるようにすべきです。総理、教育国債を前向きに検討してください。
 クリーンエネルギー自動車導入補助金、いわゆるCEV補助金や、充電・充填インフラ等導入促進補助金は人気があって、いつも年度途中でなくなってしまいます。補正予算で予算を積み増し、更に推進を図るべきです。
 なお、その際、経済安全保障の観点から、国内メーカーが国内で生産した自動車のみに補助の対象を限定してはいかがでしょうか。バイデン政権では、米国のメーカーが国内の工場で製造したEV車のみに支援の対象を限定しています。中国の車に支援を、税金を使ってどんどんやっていいのか、よく考えるべきです。
 国民民主党は、重要な情報を扱う政府の職員や民間人の信頼性を確認するセキュリティークリアランス法案と、アクティブサイバーディフェンスを可能とするためのサイバー安全保障基本法を国会に提出する予定ですが、こうした課題について政府の取組が遅れています。岸田内閣として、法案の提出はいつになるのか、お答えください。
 飼料、肥料、資材、燃料などの高止まりが続いていますが、日本農業新聞の調査によると、価格転嫁できない農家は七割に及んでいます。二〇二一年、フランスではエガリム法が公布され、農業者と取引相手との取引関係の適正化が図られています。農産物の生産コスト増の適正な価格転嫁を推進するため、日本版エガリム法が必要だと考えますが、総理の考えを伺います。来年の通常国会への提出は断念したんですか。
 福島第一原発からの処理水放出に対して中国が日本の水産物の輸入を禁止した結果、ホタテなどの水産物が倉庫に滞留して追加の保管費用がかかっています。また、中国以外でも、輸入する水産物について放射能検査や安全証明を求めてくる国も出てきています。政府として、輸入禁止によって生じた水産物の保管や検査の費用に対する支援を行うべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
 国民民主党は、本年の通常国会で、日本維新の会、有志の皆さんとともに、大規模災害時などにおける国会議員任期の延長など、国会機能の維持を目的とした緊急事態条項の憲法改正条文案を取りまとめました。
 岸田総理が公約どおり、今の任期中に憲法改正を実現するのであれば、この臨時国会が勝負です。臨時国会で憲法改正条文案を取りまとめ、来年の通常国会に発議しないと間に合いません。総理の憲法改正に向けた本気度を伺います。
 最後に、総理に申し上げます。
 解散・総選挙に有利な政策ではなく、国民のための政策を堂々と進めてください。
 国民民主党は、対決より解決の姿勢で、賃金を上げ、所得を増やし、税負担や社会保障負担を引き下げる提案を積極的に行っていきます。私たち国民民主党は、今の、働いたら罰、子供を産んだら罰、子供を育てたら罰と言われるような社会を変えていきたいと思います。
 政府及び与野党を超えた同僚議員の協力をお願い申し上げ、国民民主党を代表しての質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

発言情報

speech_id: 121205254X00420231025_011

発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2023-10-25

院: 衆議院

会議名: 本会議