志位和夫の発言 (本会議)
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○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、岸田総理に質問します。(拍手)
イスラエル・ガザ紛争による人道危機が深刻です。
ハマスによる無差別攻撃は明白な国際法違反であり、我が党は、これを強く非難するとともに、人質の即時解放を求めます。
同時に、イスラエルによる大規模な空爆、完全封鎖、住民の移動の強制、おびただしい犠牲をもたらす地上侵攻の動きは、どれも国際法を乱暴にじゅうりんするものです。我が党は、イスラエルに対して、ガザに人道危機をもたらしている全ての行動を中止し、地上侵攻を中止することを強く求めます。
日本共産党は、双方に対し、暴力の連鎖を止め、人道支援のアクセスを保障し、即時停戦に向けた交渉のテーブルに着くことを求めます。
日本政府に対し、二つの点を求めます。
第一に、ハマスに対する非難だけでなく、イスラエルに対して、無法な空爆、封鎖、地上侵攻の中止を求めるべきではありませんか。第二に、イスラエル、パレスチナ双方との関係を最大限に生かし、停戦に向けた交渉を促すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
物価高騰から暮らしを守ることは、今国会の最大の課題です。
物価高騰でなぜこんなに暮らしが苦しいか。それは、根本に、三十年に及ぶ経済の停滞と暮らしの困難、失われた三十年があるからではないでしょうか。働く人の実質賃金は、二十六年間で年六十四万円も減っています。長期にわたって実質賃金が減り続けているところに物価高騰が襲ってきた、ここに暮らしの特別の困難があるのではないでしょうか。
この事実は、総理も認めざるを得ないようです。総理は、所信表明で、この三十年間、コストカット型経済を続け、賃金や設備投資までコストカットの対象にしてきたことが経済の停滞を招いたとし、コストカット型経済からの完全脱却を主張しています。
それでは伺います。日本経済をコストカット型経済にしてしまったのは一体誰なのか。
賃金のコストカットのために、非正規雇用を四割にまで広げてしまった。企業の社会保険料のコストカットのために、医療、年金、介護など社会保障の連続切下げを進めてきた。企業の税のコストカットのために、法人税を大幅に減税し、その穴埋めに消費税の連続大増税を進めてきた。どれもこれも、財界の旗振りに従って自民党政治がやってきたことではありませんか。
コストカット型経済から抜け出すためには、三十年来の経済政策の大本からの切替えが必要だと考えますが、いかがですか。答弁を求めます。
日本共産党は、九月二十八日、経済再生プランを発表し、失われた三十年を打開して、暮らしに希望が持てる日本をつくるために、働き方、税財政、エネルギーと食料、三本柱の改革案を提案しました。幾つかの中心課題について、総理の見解を伺います。
第一は、最低賃金の抜本的引上げです。
改定された最低賃金は全国加重平均で千四円。ドイツ千九百二十三円、イギリス千八百七十五円、フランス千七百八十五円の五割から六割程度です。総理には、深刻な国際的立ち遅れの認識がありますか。
全労連などと静岡県立大学の研究者が共同で行った最低生計費調査によると、単身の若者が暮らしていくのに必要な生計費は、全国どこでも時給千五百円から千六百円以上となっています。千四円では労働者の生計費を満たしていない、とても暮らしていけない水準であるという事実をお認めになりますか。
総理は、二〇三〇年代半ばに千五百円にと言っていますが、生計費に満たない現状を十数年先まで我慢せよというのですか。中小企業支援と一体に、全国一律で千五百円への最低賃金引上げは急務と考えませんか。大企業の内部留保の増加分に時限的課税を行い、十兆円程度の税収を中小企業の賃上げへの直接支援に充てるべきであります。総理の答弁を求めます。
第二は、非正規ワーカーの待遇を抜本的に改善することです。
正規と同じ仕事をしているのに、賃金が低く、ボーナスも出ず、育児休暇も取れない。痛切な訴えであります。非正規ワーカーは、この二十年で一・五倍、二千百万人を超えています。ところが、賃金は正規労働者の六七%、その上、ボーナスや各種手当も出ないなどの低賃金が押しつけられています。非正規雇用の七割は女性であり、生涯賃金で一億円もの男女賃金格差をつくり出しています。
総理は、非正規ワーカーのこの現状が、労働者全体の実質賃金を引き下げ、雇用におけるジェンダー不平等の大きな要因となっているという事実をお認めになりますか。お答えください。
日本共産党は、十月十八日、非正規ワーカー待遇改善法案を提案しました。非正規ワーカーの雇用の安定を図り、差別と格差をなくし、ジェンダー平等を促進する包括的提案であります。どれもヨーロッパでは当たり前のことです。
総理、こうした包括的な保護立法が必要と考えませんか。答弁を求めます。
第三は、消費税減税です。
総理は、所信表明で、税収の増収分の一部を還元すると述べ、減税を言い出しました。しかし、その中身は、効果がないことが証明済みの賃上げ減税の名での大企業減税と、期限付の所得税減税です。所得税減税は、所得の少ない人への恩恵がない上、長期の実質賃金減少の下での時限的措置では焼け石に水であります。
総理に問いたい。減税といいながら、なぜ消費税減税だけはタブーにするのですか。物価高騰は食料品を中心にあらゆる品目に及んでいます。消費税減税こそが直接物価を下げる最も効果的対策と考えませんか。富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税は廃止を目指し、緊急に五%に減税すべきです。インボイス増税はきっぱり中止すべきです。答弁を求めます。
第四は、年金の引上げです。
物価高騰で年金の目減りが止まりません。貯金を取り崩しての暮らしです、命が尽きるのか、貯金が尽きるのか、どっちが早いかと不安でいっぱいです。高齢者の切実な声であります。この十年間で、年金額二百万円の方の年金は何と十五万円も目減りしました。マクロ経済スライドなど、年金削減のシステムのせいであります。
総理、こんな冷酷非情な仕組みを放置したままでよいと考えているのですか。
日本共産党は、年金削減をやめ、物価上昇に応じて増える年金への改革を行うことを提案します。高額所得者への保険料優遇の是正、年金積立金の計画的活用、現役世代の賃上げによって、持続可能な年金制度をつくることはできます。
総理、政治の責任で、高齢者にも希望と安心を届けるべきではありませんか。答弁を求めます。
第五は、教育費負担の抜本的軽減です。
高過ぎる学費と貧し過ぎる奨学金が、若者を苦しめています。多くの学生が、学費を払うため、少しでも割増しになる深夜バイト、徹夜バイトをやっています、眠くて授業が成り立ちません。先日、学生の皆さんと懇談した際に出された訴えであります。一方、若者が背負わされている奨学金の借金は、三十年間で七倍にもなり、十兆円に及びます。
総理、学生を深夜バイト、徹夜バイトに追い立て、大学を卒業したら十兆円もの借金を背負わせる、こんな政治がまともな政治と言えるでしょうか。高等教育無償化を目指し、直ちに大学等の学費を半額にし、入学金制度を廃止し、奨学金を給付制中心に改め、奨学金返済の半額を免除すべきであります。答弁を求めます。
来年度予算の防衛省の概算要求は、長射程ミサイルの導入、開発がメジロ押しとなり、米軍再編経費を含めた軍事費は八兆円まで膨れ上がりました。重大なことは、概算要求で、自衛隊の常設統合司令部の設置のための予算がつけられ、その目的が米インド太平洋軍司令部と調整する機能の強化にあることが初めて明記されたことです。
総理、これは、米インド太平洋軍の指揮の下に、自衛隊が事実上組み込まれることを意味するものではありませんか。お答えください。
私は、一月の予算委員会で、長射程ミサイル保有の目的が、米国の主導する統合防空ミサイル防衛、IAMDに参加するためのものであること、米国はIAMDの基本原則に先制攻撃を公然と据えていることを明らかにし、米国の先制攻撃の戦争に自衛隊が参戦する危険性を告発いたしました。
総理、自衛隊の常設統合司令部の設置と米インド太平洋軍司令部との一体化は、そうした危険な道の具体化そのものではありませんか。しかとお答えいただきたい。
総理は、日米同盟の抑止力の強化が日本を守る道だと繰り返します。しかし、抑止の本質は、恐怖によって相手を思いとどまらせることにあります。日本が恐怖で構えたら、相手も恐怖で構え、恐怖対恐怖、軍事対軍事の悪循環に落ち込みます。この道こそ日本の平和を危うくする道ではないでしょうか。相手に恐怖を与えるのでなく、安心を与える外交こそ必要です。
そのような外交を実践しているのがASEAN、東南アジア諸国連合です。ASEANと協力して、ASEANが提唱しているASEANインド太平洋構想、すなわち、東アジア・サミットという、日米中を含む東アジアの全ての国を包摂する平和の枠組みを発展させ、東アジアを戦争の心配のない地域にしていく構想を実現するための外交を進めることこそ、平和をつくる希望があるのではないでしょうか。総理の見解を求めます。
沖縄県辺野古新基地建設について、政府は、県に代わって設計変更を承認する代執行に向け、提訴を行いました。沖縄県の上告を退けた最高裁判決は、憲法が定める地方自治をないがしろにする不当なものであり、それを背景にした代執行も全く不当なものですが、代執行は、放置することにより著しく公益を害することが明らかであるときに限定されています。
それでは、著しく公益を害しているのは誰か。
一九九六年の日米合意で普天間基地の返還を決めましたが、県内移設を条件にしたため、この世界一危険な基地は、二十七年間、一ミリも動いていないではないですか。総理、沖縄県民の民意に反して県内移設に固執してきた政府こそが著しく公益を害していることは明らかではないですか。
辺野古新基地建設の中止、普天間基地の即時無条件撤去を強く求めて、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕