菊田真紀子の発言 (本会議)

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○菊田真紀子君 立憲民主党の菊田真紀子です。
 私は、立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題になりました国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する趣旨説明質疑を行います。(拍手)
 法律案への質問の前に、適材適所と言われている岸田内閣の構成と、文部科学行政において重要な課題となっている旧統一教会問題に関して取り上げます。
 岸田内閣の政務三役が相次いで二人辞任しました。
 まず、山田太郎文部科学大臣政務官が、既婚者でありながら女性と不適切な関係を持ったことを認め、辞任しました。
 続いて、柿沢未途法務副大臣が、東京都江東区長選挙の公職選挙法違反事件に関与したことを認め、辞任しました。
 山田氏は、性行為の対価として現金を支払った事実はないと説明していますが、現金を支払ったこと自体は否定していません。不適切な関係を持った女性に現金を支払ったのであれば、何に対する対価と言い繕おうが、適切な現金の支払いであるはずがありません。山田氏は即刻、参議院議員を辞職すべきです。
 柿沢氏についても、公職選挙法違反の疑いで木村弥生江東区長は来週には区長を辞職されるとのことです。辞職する原因となった有料広告の提案を行い、選挙違反を主導したとも言える柿沢氏が衆議院議員を辞職しなくて済むのでしょうか。新たに、報道によると、江東区議会議員に現金を配ったことを柿沢氏本人が認めました。柿沢氏も即刻、衆議院議員を辞職すべきです。
 そもそも、内閣改造時に副大臣、政務官に女性を一人も任命しなかったこと自体が大きな問題でしたが、岸田首相は、人事について、適材適所の考え方に基づいて行ったと繰り返して発言しています。しかし、女性との不適切な関係を持つ人物を、青少年の健全な育成の推進に関することを所掌する文部科学省の大臣政務官に任命をし、選挙違反を主導するような人物を、法秩序の維持を任務とする法務省の副大臣に任命する人事の一体どこが適材適所なのか、あきれるばかりです。
 岸田政権の二年間で、大臣四人、副大臣一人、政務官三人、総理秘書官二人が辞任したことになります。どなたもきちんと説明責任を果たさないままで、国民の政治不信を増大させていることを岸田政権と自民党は深く反省すべきです。
 続いて、旧統一教会に対する財産保全について質問します。
 文部科学省から旧統一教会に対する解散命令請求が東京地方裁判所に出されましたが、被害者や弁護士連絡会からは、解散命令が出ても賠償金が支払われなければ被害者救済にならない、旧統一教会は賠償金の支払いを回避するため財産を韓国や他団体に移す危険性が高い、現行法では対応が不可能なので早急に財産保全法を成立させてほしいとの切実な要望が出ています。
 私たち立憲民主党は、三十三人の被害者から四十七回にわたりヒアリングをし、一年近く協議を重ね、臨時国会初日に財産保全法案を提出しました。
 そんな中、旧統一教会が一部の自民党議員に、財産保全法案を国会提出しないように、野党の法案は憲法違反だ、現行法で財産保全はできるという趣旨のファクスを送付したことが明らかになり、岸田首相も事務所でのファクス受取を認めました。
 まさか自民党は、選挙で応援してもらった旧統一教会からの要望を受けて、今国会での法案成立を断念させようと考えているわけではないはずです。速やかに与野党協議をスタートさせ、超党派で、財産保全法をこの臨時国会で成立していただけるよう強く求めます。
 なお、旧統一教会が記者会見を行い、最大百億円を政府に預けることを検討していると報じられています。これは財産保全法の成立を阻止したいという旧統一教会の思いの表れであり、百億円をはるかに上回る巨額の資産を韓国やほかの団体へ移す危険性があり、財産保全法の一日も早い成立が必要です。
 そこで、盛山文部科学大臣にお伺いします。
 大臣は過去に旧統一教会と関係があったことを認めておられますが、財産保全の議員立法成立が与野党の議論が調い実現すれば、政府として全力を尽くすとお約束いただけますでしょうか。お答えください。
 法案の内容について質問します。
 まず、運営方針会議の設置についてです。
 政治権力と大学の自治、学問の自由との関係にまつわる一つのエピソードがあります。
 今から七十三年前の一九五〇年、太平洋戦争終結後、各国と講和条約を結ぶ際に、我が国の国内では、講和のやり方をめぐる論議が沸騰していました。
 吉田茂首相は、アメリカ及びその陣営に属する国家とだけの単独講和を決意し、交渉を進めていましたが、学者、知識人などの間では全面講和論が強まり、国論が二分していました。南原繁東大総長は、一九五〇年の卒業式で平和と全面講和を熱っぽく説きました。
 そうした中、吉田首相は、自由党の両院議員総会秘密会において、永世中立とか全面講和などというのは言うべくして到底行われないことだ、それを南原繁東大総長などが政治家の領域に立ち入ってかれこれ言うのは、曲学阿世の徒で、学者の空論にすぎないと発言しました。三日後の記者会見で、南原総長は、学問の冒涜、学者に対する権力的強圧以外のものではない、全面講和は国民が欲するところで、それを理論づけ、国民の覚悟を論ずるのは政治学者としての責務だ、それを曲学阿世の徒の空論として封じ去ろうというのは、日本の民主政治の危機であると反論の声明を発表し、鋭く対立をしました。
 その後、単独講和に向かうことになりますが、戦後日本の行く末を決める重大な外交政策をめぐって、時の最高権力者と最高学府の長とが一歩も引かずに対立するこのエピソードは、政治権力と大学の自治、学問の自由との間の緊張関係を余すことなく伝えていると思います。
 私は、このような緊張関係が政治権力と大学の自治、学問の自由の間のあるべき姿ではないかと考えていますが、近年の自民党政権では、大学の自治、学問の自由を政治権力で介入、抑圧しようとする動き、南原総長の言葉をおかりすれば、学問の冒涜、学者に対する権力的強圧を目指す傾向が見られます。
 三年前の菅政権による日本学術会議の会員任命拒否は、それがまさに如実に表れたものですが、今回の国立大学法人法改正案でも、大学の自治、学問の自由が阻害されることになるのではないかと懸念される改正内容があります。
 本法案では、理事が七人以上で一定の要件を満たす国立大学法人に対して運営方針会議の設置を義務づけ、運営方針委員は、文部科学大臣の承認を得た上で、学長が任命することとされています。
 文部科学大臣の承認は特定国立大学法人の申出に基づいて行うものとするとはされていますが、これでは、日本学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命すると規定しながら任命が拒否された学術会議のときと同じように、時の政権と主義主張が異なる人物は運営委員として文部科学大臣が承認しないのではないかと危惧します。
 ただでさえ、大学は、文部科学省から選択と集中を迫られ、文部科学省の顔色をうかがわなくてはいけない状況に追いやられています。今回の改正において、運営方針委員の任命に文部科学大臣の承認を必要とすることにより、これまで以上に大学の運営が文部科学省の意向に従わざるを得なくなるのではないでしょうか。
 そもそも、運営方針会議で決定される中期計画や予算、決算自体について、文部科学大臣の認可、承認が必要となっています。その上、更に運営方針委員の任命に文部科学大臣の承認まで必要でしょうか。
 運営方針委員の任命に文部科学大臣の承認を必要としている理由と、大学の自治、学問の自由に対する不当な介入につながることはないと断言できるのか、文部科学大臣、明確にお答えください。
 国立大学法人の統廃合に関連してお尋ねします。
 今回の法改正において、東京医科歯科大学と東京工業大学を統合することとしています。この統合は、世界の勝ち組を目指すと表明していて、意欲的な取組だと思いますが、新大学として大学ファンドに応募したいとの意向を表明していることからも、今後、文部科学省による選択と集中、大学の統廃合推進の流れがより加速していくのではないかと考えます。
 高額な研究費を少人数に集中して投じるより、少額でも多くの研究者に配分する方が、国全体として画期的な成果を効率よく出せるとの分析結果を筑波大などの研究チームが発表しました。裾野を広げずに頂点を高くすることはできません。すぐ目に見える短期的な成果や経済波及効果に偏重せず、多様な分野の研究を支援する息の長い取組も、国家にとって必要ではないでしょうか。
 ずっと減らされ続けてきた大学の基盤的経費である運営費交付金や私学助成を増額すべきと考えますが、文部科学大臣の見解を伺います。
 私立大学の今春の入学定員充足率が全体で一〇〇%を下回り、定員割れとなった大学の割合はほぼ半数となりました。収容定員充足率が九〇%未満となれば、経常費補助が減額されることになり、経営は苦しくなります。
 さらに、十月十一日の財政制度等審議会の分科会において、定員割れ状態にある私立大学に対して改善に向けた適正化計画の提出を求め、作成しない場合には補助金を大幅に減少させたりゼロにしたりするという、厳し過ぎるのではないかと思われる仕組みが提案されました。
 また、光熱費や物価高騰に円安まで重なり、学費の値上げに踏み切っている私立大学が相次いでいますが、学費の値上げに踏み切ることができるのは大規模な私立大学ばかりです。地方の小規模な大学は、そもそも東京を始めとする大都市に志願者が流れてしまうために、学費を値上げすることができず、ますます経営が苦しくなっています。
 朝日新聞と河合塾の共同調査では、授業料や入学金など、新入生が払う初年度の納付金について、将来の予定も含め、全学で値上げ、一部学部・学科で値上げした大学が、全国平均では、二〇二三年度では七%、二〇二四年度では一三%でしたが、東京や関西にある入学定員が三千人以上の大学では、二〇二三年度では二七%、二〇二四年度では三一%となっています。それとは対照的に、地方に多い三百人未満の小規模大学では、値上げを行う大学は二〇二三年度三%、二〇二四年度七%にすぎません。
 国公立、私立を問わず、地方の大学は、地方創生の観点からも、その地域において欠かすことのできない役割を果たしており、安易に統廃合を促すようなことはせず、地方の大学への支援を手厚くする考えがあるか、文部科学大臣と地方創生担当大臣の両大臣に質問します。
 大学ファンドの運用について伺います。
 令和四年三月から、科学技術振興機構において、十兆円規模の大学ファンドの運用が開始されました。文部科学省は、十兆円ファンドという大きなあめをぶら下げて選択と集中を迫り、運営費交付金を削減するというむちを振るってきましたが、令和四年度の運用実績は六百四億円という赤字になっています。大学ファンドは、毎年三千億円もの運用益を達成することを目標としていますが、出だしからこのような運用状況で、本当に大丈夫でしょうか。
 大学ファンドの令和四年度の運用実績をどのように捉えているか、また、今後の見通しをどう考えているのか、文部科学大臣、お答えください。
 今回の法案は、大学の在り方を根本から変える法案です。大学関係者の意見を十分に聞くこともなく、拙速に結論を出すべきではありません。慎重かつ丁寧に、審議が十分なされることを強く求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣盛山正仁君登壇〕

発言情報

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発言者: 菊田真紀子

speaker_id: 24117

日付: 2023-11-07

院: 衆議院

会議名: 本会議