鈴木庸介の発言 (本会議)
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○鈴木庸介君 立憲民主党の鈴木庸介です。
私は、立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題となりました自由民主党、公明党、国民民主党提出の特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律案、いわゆる被害者救済法案に賛成、立憲民主党、日本維新の会提出、解散命令の請求等に係る宗教法人の財産の保全に関する特別措置法案、いわゆる旧統一教会財産保全法案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)
立憲民主党では、昨年七月の安倍元総理の銃撃事件によって旧統一教会の問題が明らかとなって早々に、旧統一教会被害対策本部を立ち上げました。対策本部では、被害当事者や全国霊感商法弁護士連絡会、いわゆる全国弁連の皆様からいわゆるマインドコントロールによる被害実態をお聞きし、国対ヒアリングと合わせて、約七十回、延べ百名の方々から被害の訴えや支援の必要性をお聞きしてまいりました。
旧統一教会による被害の拡大及び深刻化は、多くの議員の密接な関係と、三十年以上にもわたる行政府、立法府の不作為によるものです。現内閣にも、関係があったと報告のある閣僚が数多く含まれています。
つい昨日も、岸田総理が旧統一教会の幹部と自民党本部で面会していたとの報道に対し、総理は、大勢の同行者がいたと記憶しているが、どなたがいたかは承知していないと語りましたが、本日、旧統一教会の友好団体の日米のトップとギングリッチ氏の四人で写真撮影したことが明らかになりました。総理の昨日の発言は、事実に反するのではないでしょうか。
自民党の調査自体の信憑性も疑われます。総理自身及び自民党の議員に対し、旧統一教会と、友好団体とどのような関係があったのか、責任を持って再度調査すべきです。
昨年、悪質高額寄附等への対策として不当寄附勧誘防止法の成立の後、解散命令請求が現実味を増す中、被害者の皆さんが必要だと訴えてきたのは財産保全についてでした。これは、旧統一教会が解散命令請求を出され、解散命令が決定するまでに財産が隠され、散逸することで、被害者の救済資金が失われてしまうのではないかと恐れてのことでした。実際に、オウム真理教の解散後にも、救済は約三〇%、ジャパンライフの事案では、たった一・二%しか戻っていません。
さらに、旧統一教会は、数百億円にも及ぶ海外への送金を毎年のように行ってきたという報道がございます。また、政府の解散命令請求では、これまで数十年にわたり、約千五百五十人の被害者と約二百四億円もの賠償金、解決金が生じたと報告されています。また、最近では、教団本部がある韓国へ信者が現金を持参しているという報道も見受けられます。こうしたことから、救済前に財産が失われてしまうおそれは、現実的な強い懸念であります。
大変な精神的、肉体的負担を抱えながら旧統一教会による被害を訴えてきた被害者の皆さんの被害救済のため、財産が散逸し被害救済できない状況は、何としてでも避けなければなりません。そのため、私たち立憲民主党は、日本維新の会とともに、旧統一教会がその財産を隠匿し、又は散逸させるような行為を防止することが何よりも肝腎であると考え、旧統一教会財産保全法を提出いたしました。
まず、与野党協議の開始が余りに遅かった。これは改めて申し上げなくてはなりません。立憲民主党は、この臨時国会開会日である十月二十一日には既に法案提出をしていました。自公国は、十月下旬にようやくプロジェクトチームを設置し、十一月二十一日に法案を提出しました。立維案提出の一か月後です。余りにも遅過ぎる動きではありませんか。被害者の方々、全国弁連の皆様は昨年末から声を上げていたのに、一体これまで何をされていたんでしょうか。
ようやく始まった与野党協議では、残念ながら、被害の実態を把握されていないのではないかということが多々ありました。そのため、二回目の与野党協議には全国弁連をお呼びすることを提案しました。
全国弁連からは、旧統一教会に対し、たった一人で財産保全のための裁判を行うことは大変困難であるとの共有がございました。なぜなら、旧統一教会のいわゆるマインドコントロールによって、地獄に落ちてしまう、家族もサタンだと言われてしまう、心に埋め込まれた恐怖があることや、返金はしないといった合意書を書かされてしまっていたからです。そもそも、被害者の方々は、身ぐるみ剥がされて、家庭も崩壊し、メンタルもぼろぼろ、自殺未遂をされた方もおられます。こうしたことから、個別の民事保全では難しい、包括的な財産保全が必要だとの意見が出されました。
だからこそ、他法令にもある、解散命令請求が出された場合の保全処分が必要なのです。私たちは、自公国の皆さんに、自公国の案も立維の案も救済のための車の両輪なのだから両方とも成立させましょうと重ねて申し上げてきました。与野党協議においても委員会においても、立維案に対し具体的な修正項目を提案してもらえれば、誠心誠意検討するとも申し上げました。しかし、自公国の皆さんは全く提案をされなかった。自公国は、被害者に寄り添ってきた全国弁連の声を聞いても、個人による民事保全で対応できる、むしろそうすべきだという考え方を全く変えませんでした。これは、去年、与野党が一丸となって、課題はあれど、協議を重ねて新法成立にたどり着いた流れからも逆行する、被害者の自助努力を求める提案で、大変酷な提案ではないでしょうか。
確かに、法テラスの拡充や不動産の処分、財務書類の確認ができることで被害者の救済に役立つツールとはなり得ます。しかし、同時に、旧統一教会への解散命令が決定したときに財産が失われてしまっていたといった状況を回避するため、包括的な財産保全は必ず必要です。全国弁連の皆様からも、まずは包括的に財産保全を請求するための土俵が欲しいのだという声が上がりました。
旧統一教会の被害者救済法というならば、一番寄り添うべき、耳を傾けるべきは被害に遭った当事者であり、一番近くで支援されてきた方々なのではないでしょうか。
立憲民主党、日本維新の会で提案した旧統一教会財産保全法案の否決は残念ですが、個人個人が民事保全を行う自公国案について、施行後三年をめどに、財産保全の在り方を含めて規定について検討を加えるとの附則を盛り込む修正を行うとともに、自公国の法案提出者から、課題が生じた場合は三年を待たずに検討を加える、実効的な財産保全の方策が検討の選択肢となり得るとして、不十分と分かれば速やかに協議して対処するとの答弁を得られました。真に求められている財産保全の実現のための礎があることを確認し、賛成といたします。
本法律案の可決をもってこれで終わりにするのではなく、被害者の方々に寄り添い、継続的な情報収集、必要な法整備についての検討を行うべきであるということを申し上げ、私の討論とさせていただきます。(拍手)