鈴木淳司の発言 (総務委員会)
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○国務大臣(鈴木淳司君) 総務大臣を拝命しました鈴木淳司でございます。
総務委員会の御審議に先立ち、所信を述べます。
まず、令和五年七月の大雨や先般の台風第十三号など災害が多発をし、全国各地で甚大な被害が発生しました。犠牲となられました方々に哀悼の意を表し、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
総務省は、地方行財政、選挙、消防、情報通信、放送、郵便、行政評価など、国の根幹であり、国民生活の基盤となる重要な制度を幅広く所管する省庁です。
私は、平成二十年八月から主に情報通信担当の総務大臣政務官を、平成三十年十月から主に地方自治、行政制度担当の総務副大臣を務め、この度、総務大臣を拝命しました。
また、平成三年に議席をいただいた瀬戸市議会が政治家としての原点であります。
我が国は、大都市だけではなく、離島、山村など様々な地域から成り立っております。全国津々浦々の地域社会と、そこで営まれる一人一人の暮らしを支える総務大臣の職責の重さをひしひしと感じております。
これまで培ってきた経験と人脈を生かし、全力で取り組んでまいります。
以下、当面、特に力を入れて取り組みたい政策の方向性について、一端を申し述べます。
まず第一に、活力ある地域社会の実現に向けて取り組みます。
令和六年度の地方財政については、子ども・子育て政策の強化など様々な行政課題に対応しつつ、行政サービスを安定的に提供できるよう、骨太の方針二〇二三等を踏まえ、交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、令和五年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保してまいります。
地方税制については、地方分権推進の基盤となる地方税収の充実確保とともに、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向け、取り組みます。また、納税者の利便性の向上と地方団体の課税実務の効率化等を図るため、地方税務手続のデジタル化を進めてまいります。
現在、地方制度調査会において、社会全体のデジタル化の進展、感染症対応で直面した課題等を踏まえ、ポストコロナの経済社会に的確に対応する観点から必要となる地方制度の在り方について、年内の取りまとめを目途に議論が行われております。これを踏まえて、総務省としましても的確に対応してまいります。
人口構造等の変化やリスクに対応し、持続可能な形で行政サービスを提供するため、地方団体間の多様な広域連携も進めます。
また、地方を支える地方公務員も大切です。行政課題が複雑多様化する中、地方団体が人材育成、確保を戦略的に進めるための指針の策定などに取り組むとともに、男性職員の育児休業の一層の取得促進を始め、働き方改革に取り組みます。
地方への人の流れの創出、拡大は重大な政策テーマです。
先月に訪問した福島県では、地域おこし協力隊の活動等を視察しました。
地方定住にもつながってきた地域おこし協力隊の隊員数を令和八年度までに一万人へ拡充することを目標に、戦略的な情報発信や、隊員、地方団体双方へのサポート体制の強化に取り組んでまいります。
あわせて、都市部の企業人材が地域活性化に取り組む地域活性化起業人の拡充や、移住、定住の相談窓口である移住・交流情報ガーデンの活用促進を図ります。
住む場所にかかわらず、誰もが多様で柔軟な働き方を実現できるよう、テレワークの一層の普及定着に取り組みます。
加えて、人口急減地域における地域づくり人材を確保するための特定地域づくり事業協同組合や、地域コミュニティーを支える地域運営組織への支援等を推進します。
また、過疎法に基づき、過疎地域の持続的発展に向けた取組を支援します。
さらに、ローカル一万プロジェクトも含め、今年度創設したローカルスタートアップ支援制度により、地域発の経済好循環を創出するとともに、エネルギーの地産地消を進める分散型エネルギーインフラプロジェクトの展開等により、地域脱炭素の取組を推進します。
総務省としましても、デジタルの力を最大限に活用して公共サービス等の維持強化と地域経済の活性化を図り、社会変革を実現するデジタル行財政改革に、担当大臣等と協力し、取り組んでまいります。
人口減少、少子高齢化等が進む中、持続可能な地域社会を形成するために、地域におけるDX、デジタルトランスフォーメーションの推進を図ります。
その前提として、まず、地方団体におけるデジタル人材の確保、育成や、都道府県と市町村が連携した推進体制の構築を図ります。
また、DXの基盤となるマイナンバーカードについては、これまでの地方団体の皆様の御尽力等により、十月末時点での累計の交付枚数は九千六百万枚超となっており、保有枚数も九千百万枚を超えたところであります。
引き続き、地方団体や関係省庁と連携して、カードの一層の普及促進と利便性の向上に取り組んでまいります。
マイナンバーのひも付けに関する総点検については、現在、地方団体等に個別データの点検を進めていただいております。
総務省としては、点検に必要なマニュアル等の情報提供や特別交付税による財政支援など地方団体に寄り添った取組を進めております。
引き続き、地方団体の皆様の声をよく伺い、点検作業が円滑に進められますよう、関係省庁と連携し、政府一丸となって取り組んでまいります。
自治体行政におけるDXについては、オンライン申請やワンストップ窓口等、いわゆるフロントヤードの改革を積極的に進め、住民サービスの利便性向上と業務の効率化を図ります。
また、原則令和七年度までの情報システムの標準準拠システムへの円滑かつ安全な移行に向け、関係省庁と連携し、引き続き地方団体の取組を支援してまいります。
地域社会の課題解決や成長につながるDXについては、アドバイザー派遣や優良事例の横展開等により、省を挙げて、全国の地域課題の解決に資する取組を推進します。
第二に、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、地域DXの推進を支える情報通信環境を整備します。
5Gの都市、地方での一体的整備や、地方における光ファイバーの整備及び維持、データセンターの地方分散や、光海底ケーブルの整備に取り組みます。
また、社会経済活動における電波利用の飛躍的な拡大を目指し、新たな周波数確保に向けた検討や非地上系ネットワークの円滑な導入に向けた検討などに取り組みます。
このようなデジタルインフラを活用し、地域課題を解決するため、自動運転を始めとした先進的なデジタル技術の実装を進めてまいります。
DXの推進の恩恵を誰もが享受できる社会の実現に向け、高齢者等に向けたデジタル活用支援の推進、幅広い世代を対象としたリテラシーの向上や、障害者の情報バリアフリーの促進等を行います。
さらに、インターネット上の誹謗中傷等の被害者救済をより円滑にするため、プロバイダー責任制限法の着実な運用や、プラットフォーム事業者による迅速な対応の促進、相談体制の強化等、総合的な対策を進めます。
情報通信を取り巻く環境は、ブロードバンド化やモバイル化、事業者間の競争構造の多様化、グローバル競争の進展など、大きく変化をしております。
国内外の双方の視点からこれらの変化を的確に捉え、国民、利用者の目線で、電気通信事業法や日本電信電話株式会社等に関する法律等の関連法制度を含め、時代に即した通信政策の在り方について速やかな検討を行ってまいります。
また、デジタル時代における放送制度について更なる検討を進めます。
NHKのインターネット活用業務の在り方について、制度の準備も含め、必要な対策を進めていくほか、放送コンテンツの制作環境の適正化に向けて検討を進めます。
第三に、地域の活力を維持して安全、安心な暮らしを確保する防災・減災、国土強靱化等を推進します。
近年の災害の激甚化、頻発化を踏まえると、最前線で国民の生命、財産を守る消防の果たす役割は増大しております。
そのため、緊急消防援助隊や常備消防の充実強化を図るとともに、消防団を中核とした地域防災力の向上に全力を挙げてまいります。
また、消防防災力の充実強化を図るため、DXを推進します。
あわせて、被災団体に必要な消防部隊や応援職員を円滑に派遣できるよう取り組みます。また、被災地の復旧復興に向け、被災団体の財政運営に支障が生じないよう、地方財政措置を講じ、適切に対応します。
さらに、災害時の通信手段の確保、強靱化や、通信基盤の早期復旧に向けた官民の連携協力体制の整備等に引き続き取り組みます。
ケーブルテレビの光化による放送ネットワークの耐災害性強化、災害情報を共有するLアラートの機能拡大等を通じて、災害時にも情報を確実に届けられる環境の整備に取り組みます。
加えて、非常時において携帯電話ネットワークを相互利用するローミングの導入に向けた取組を進めます。
あわせて、Jアラートの的確な運用や、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練により、国民保護体制の整備により一層万全を期してまいります。
東日本大震災からの復旧復興には、東北の復興なくして日本の再生なしとの強い思いの下、全力で取り組みます。
第四に、国を支える社会基盤である政策評価、統計、選挙、郵便局等の機能充実を図ります。
各府省が自らの政策の効果を高め、政策を前に進める取組に貢献すべく、政策評価、行政運営改善調査、行政相談の各機能を連携させ、その役割を最大限に発揮できるよう取り組みます。
政策評価については、各府省における政策効果の把握、分析機能の強化、意思決定過程での活用に向けた取組を支援します。
行政相談においては、行政相談委員や地方団体、郵便局などとも連携して地域のお困り事の解決を図るほか、デジタルを活用したアクセスの多様化により更なる利用を促進します。
公的統計については、新たな五か年計画である公的統計基本計画の初年度となっております。統計の品質管理を徹底するとともに、時代の変化等に対応した有用な統計の整備、人材育成、デジタル化を進めるなど、改革を進めます。
また、国勢の基本に関する各種統計調査を確実に実施します。
さらに、行政手続法や行政不服審査法等、行政を支える基本的な法制度の適正な運用を確保するとともに、業務改革等を通じた行政運営の不断の改善を進めます。
選挙については、主権者教育の推進や、投票環境の整備に引き続き努めます。
郵政事業については、あまねく全国に設置されている郵便局におけるユニバーサルサービスを確保してまいります。
また、今後取扱いが開始される郵便局におけるマイナンバーカードの交付事務など、郵便局の行政サービス窓口としての役割を拡大し、地域貢献を促進します。
第五に、激変する国際情勢を踏まえ、情報通信分野において経済安全保障を確保しつつ、国際競争力の強化や国際連携の深化を図ります。
本年四月のG7デジタル・技術大臣会合や先月開催されたインターネット・ガバナンス・フォーラム等の議論を踏まえ、G7広島AIプロセスを通じた信頼できるAIの実現、安全で強靱なデジタルインフラの構築や、自由でオープンなインターネットの維持、推進等についての国際的な連携を進めます。
国際機関との連携に関しては、国際電気通信連合、ITUとの協力を一層推進してまいります。また、我が国の近藤勝則氏が事務局長を務めるアジア・太平洋電気通信共同体、APTについても、アジア太平洋における我が国の主導的な立場を維持強化すべく、協力を推進してまいります。
5G、オープンRANといったデジタルインフラ、放送コンテンツ、郵便、消防、行政相談など、総務省に関わる安全性、信頼性を確保した優れた技術やサービスの海外展開を進めます。
加えて、次世代の情報通信インフラであるビヨンド5Gについて、情報通信研究機構、NICTの基金も活用し、社会実装及び海外展開を見据えたオール光ネットワーク等の研究開発、国際標準化を支援します。また、AI、宇宙、量子通信等の重要な最先端技術の研究開発を推進します。
昨今のサイバー攻撃被害のリスクの高まりを踏まえ、人材育成や情報分析などのサイバーセキュリティー対策を推進します。
さらに、IoT機器のセキュリティー対策を一層強化するため、NICTによる脆弱なIoT機器の調査の継続、拡充等を行う、国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する等の法律案を今国会に提出してまいります。
なお、経済対策につきましては、総務省としましても関係施策を迅速に講じてまいります。
総務省の政策への理解が深まりますよう、広報にも努めてまいります。
以上、所管行政の当面の課題と政策の方向性について申し上げました。
副大臣、大臣政務官、職員とともに一丸となって国民の皆様と国家のために全力で職務に取り組んでまいりますので、委員長を始め、理事、委員の先生方の御指導と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
以上です。