岸田文雄の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 熊谷裕人議員の御質問にお答えいたします。
まず、政務三役の人事についてお尋ねがありました。
人事については常に適材適所であるよう心掛けているところですが、結果として政務三役の辞任が続いたことについては、任命責任者として、その責任、重く受け止めているところです。国民の皆様の信頼を回復できるよう、内閣として一層の緊張感を持って、与えられた課題に全力で取り組んでまいります。
物価高対策の実施時期や地方への影響についてお尋ねがありました。
物価高対策としては、燃料油、電気・ガス料金の激変緩和措置を延長するとともに、最も切実に苦しんでおられる低所得者の方々に寄り添った対応を図るために、住民税非課税世帯に対し、既に措置した三万円に加え、できる限り早く七万円を追加し、一世帯当たり十万円を目安に支援を行ってまいります。
加えて、先週十五日の政労使の意見交換において行った賃上げの協力のお願いや、賃上げ促進税制の強化等の賃上げの取組と、所得税、住民税の定額減税の実施により、官民連携して、来年に向けて、賃金を含めた可処分所得が物価の伸びを超えていくよう取り組んでまいります。この定額減税の実施時期については、賃上げとの相乗効果を発揮できるタイミングとして、六月に実施するものとしたものであります。
また、所得税の減税を行った場合の地方交付税への影響や、減税や給付に必要な地方自治体の事務負担への対応については、地方の財政運営への支障や過度な事務負担が生じないよう留意をしつつ、年末に向けて関係省庁において十分協議し、適切に対応してまいります。
定額減税についてお尋ねがありました。
所得税、住民税の定額減税は、賃上げの協力のお願いを含めた賃上げの取組と合わせて、官民連携して、来年に向けて、賃金を含めた可処分所得が物価を超えて伸びていくよう取り組むものです。
燃料油、電気・ガス料金の激変緩和措置の延長に加えて、物価高に最も苦しんでいる低所得者世帯への給付金の支給を先行して行いますが、物価高を乗り越える途上にある来年の賃上げを下支えするため、賃上げとの相乗効果という観点から、定額減税の実施について来年六月が適当であると考えております。
可処分所得を下支えすることによって、消費を落ち込ませず、デフレに後戻りさせないためにも、この組合せ、重要だと考えております。そして、このことによって経済の好循環につなげていき、そして、そのことが税収増等を通じて財政健全化にもプラスに働いていくと考えております。
なお、今回の定額減税を含めて、令和六年度予算の歳出歳入の構造については、年末に向けた予算編成過程で検討していくことになりますが、その際に、定額減税の実施と併せて歳出構造の平時化を更に進めていくこと、これが重要であると考えております。
そして、補正予算の緊要性と骨太の方針の記述との整合性についてお尋ねがありました。
今回の補正予算は、骨太の方針に掲げられた歳出構造を平時に戻していくとの観点も踏まえつつ、デフレ完全脱却のための総合経済対策を速やかに実行するために真に必要がある事業について必要額を精査した上で措置するものであり、財政法の求める緊要性等の要件を満たすものであると考えております。
同時に、今回の補正予算においては、合わせて五兆円となる特定目的予備費を半減し財源として活用するとともに、国債発行による公債金収入を令和四年度第二次補正予算よりも着実に抑制するなど、平時の歳出構造に向けた一つの道筋を示すこともできたと考えております。
年末までの予算編成過程で更なる歳出構造の平時化を検討してまいります。
基金についてお尋ねがありました。
今回の補正予算は、総合経済対策に掲げられた物価高対策や賃上げ実現などの取組に十分な予算を計上するとともに、宇宙分野における研究開発など、成長力の強化、高度化に資する事業等について基金を活用することとしております。
基金事業については、各年度の所要額があらかじめ見込み難いなどの法令上の要件を満たすことを確認した上で、それぞれの事業の性質を踏まえつつ、真に必要なものに限って計上しており、基金によって補正予算の規模を膨らましているとの御指摘は当たらないと考えております。
予備費と防衛予算についてお尋ねがありました。
そもそも、歳出の不用の発生が見込まれる場合には、税収等の動向も見極めつつ、特例公債法の規定に基づき、特例公債の発行額の抑制に努めることとしております。予備費を含めた歳出に不用が生じた場合、その金額が決算剰余金に対応するわけではなく、補正予算における歳出規模がその不用、ひいては決算剰余金の規模を通じて将来の当初予算における防衛費の規模を規定するものではありません。
また、予備費については、これまでも新型コロナや物価高騰など予測困難な事態に機動的に対応するために適切と考えられる規模等を予算計上しており、その使用に当たっては、必要性や緊急性等を検討した上で使用決定してきたところであり、御指摘のように、防衛力強化の財源に決算剰余金を充てるため恣意的に予備費を余らせるといったことはなく、この点、本年度の予算での予備費計上についても同様であります。
さらに、今回の補正予算では、特定目的予備費について、コロナ禍から平時への移行等を踏まえて、その計上額を合わせて二・五兆円減額しており、恣意的に補正予算を膨らませているとの御指摘も当たらないと考えております。
中小企業の賃上げ支援についてお尋ねがありました。
賃上げは岸田政権の最重要課題であり、成長と賃金の好循環が回っていく、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げが行われる経済を目指してまいります。
先日開催した政労使の意見交換の場においても、私から経済界に対し、足下の物価動向を踏まえ、来年の春闘に向け、今年を上回る水準の賃上げの御協力お願いしたところです。また、これまで赤字法人のために使えなかった中小企業などについても、使いやすくする繰越控除措置の創設など、中小企業が使いやすいよう、賃上げ促進税制を強化、拡充することといたしました。あわせて、様々な経営環境にある中小企業のために、価格転嫁対策、特に労務費の適切な転嫁の強化を強く働きかける観点から、今月下旬に労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を公表し、全国的なその周知徹底、図ってまいります。
また、省力化投資などの生産性向上支援等も総合的に講ずることとしております。こうした取組を通じて、中小企業の賃上げをしっかりと後押ししてまいります。
中小企業におけるリスキリング支援についてお尋ねがありました。
岸田政権においては、三位一体の労働市場改革を進める中で、リスキリングによる能力向上支援を拡充することとしており、デジタル分野を中心とする公的職業訓練の充実に取り組んでいるほか、リスキリングに取り組む個人への直接支援である教育訓練給付の拡充、教育訓練中の生活を支えるための給付や、融資制度の創設についての検討などに取り組んでまいります。
また、その際、企業による従業員のリスキリングを支援する助成金について、中小企業向けの助成率を高く設定するなど手厚い支援を行っており、こうした取組を通じて中小企業の人材投資をしっかりと後押ししてまいります。
学校給食の質の確保や無償化についてお尋ねがありました。
現下の物価高騰に対し、補正予算案において、重点支援地方交付金の推奨事業メニュー分について〇・五兆円の追加計上をしたところであり、学校給食費の負担軽減について更なる活用を進め、学校給食の質の確保に努めてまいります。
また、学校給食費の無償化については、本年六月に決定したこども未来戦略方針では、一年以内に全国ベースの実態調査を公表することとしております。その上で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等も含めた課題の整理を丁寧に行ってまいります。
私には国民のかまどの煙が見えているのかという御質問がありました。
総理に就任してから二年間、私は全国津々浦々を訪ね、約六十回の車座対話を含め、国民の皆様との直接意見交換、行ってまいりました。コロナ禍を乗り越えた国民の皆様は今物価高に苦しんでいます。そのため、燃料油、電気・ガス料金の激変緩和措置を延長するとともに、最も切実に苦しんでおられる低所得者の方々に寄り添った対応を図るために、住民税非課税世帯に対し、できる限り早く、既に措置した三万円に加えて七万円を追加し、一世帯当たり十万円を目安に支援を行ってまいります。
その上で、本格的な所得向上策に向け、先週十五日の政労使の意見交換において、足下の物価動向を踏まえ、来年の春闘に向けて、今年を上回る水準の賃上げの協力を経済界にお願いしたところであり、官民連携によって、来年に向けて、賃金、所得税、住民税の定額減税を含めた可処分所得が物価を超えて伸びていくよう取り組んでまいります。国民の皆様の声に耳を傾け、その状況に応じた支援策を講じることで、物価高の負担を緩和し、経済の好循環を実現してまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕