片山さつきの発言 (本会議)

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○片山さつき君 自由民主党の片山さつきです。
 会派を代表して、令和五年度補正予算案に対して質問させていただきます。
 ALPS処理水の海洋放出に対する中国の科学を無視した理不尽極まりない日本産水産物の輸入停止措置は、経済的威圧、つまり、経済活動の武器化そのものであり、許し難い行為です。また、日本企業の邦人を一方的にスパイ呼ばわりで拘束する、尖閣沖のEEZにブイを設置したまま撤去に応じないなど、一連の問題は絶対に容認できないものばかりです。
 そこで、一年ぶりとなった日中首脳会談を含めて、この大舞台であるAPEC首脳会談ほか、一連の外交の場でどのような進展が得られたのかをまず岸田総理にお伺いします。
 今般の対策では、世界的な競争になっている半導体、蓄電池の生産体制の強化など、供給力、成長力の強化に資する国内投資を促進するために三・四兆円が手当てされ、日本の産業の将来にわたる競争力確保に大きな効果が見込まれます。
 また、中小企業、農林水産業の輸出拡大のための支援も盛り込まれ、これらの取組が相まって、輸出が増加、対内直接投資が拡大することで、現下の円安も円高の方向に修正されていくことにもなり、地方創生効果や地方からの賃上げ効果も併せて、まさに一石四鳥であります。
 これに年末に向けて戦略分野の国内生産促進税制を新設し、生産開始後も十年の長きにわたって米国のIRA並みに税制優遇し続けようという野心的な案も含めて、党税調でも議論が始まっております。総理から、改めて今般の総合経済対策のこの分野における狙いをお伺いしたいと思います。
 次に、地方・中堅・中小を含めた持続的賃上げについて伺います。
 本年の七―九のGDPは、三四半期ぶりにマイナスとなりましたが、自民党のヒアリングでも、チェーンストア業界、スーパーマーケット業界とも、十月以降も数字が落ちているとおっしゃっており、節約志向の浸透、生活防衛にまで至っている状況がかいま見えるわけですが、その解決策は、実質賃金をプラスにするしっかりした賃上げしかありません。
 ところが、構造的、持続的な賃上げを実現するための税制措置としての、いわゆる賃上げ促進税制が放っておけば今年度で切れてしまい、税制当局からは効果が薄いとまで言われる始末で、しっかり給与引上げ、インセンティブが強く出るような制度設計にバージョンアップした上で、あわせて、赤字企業の割合が高い中堅・中小企業の賃上げを促すために、繰越控除を創設する等の勢いが必要だと思いますが、御自身が経済界に対して賃上げを先導すると強い意欲を示されている岸田総理の御決意を伺います。
 次は、重点支援地方交付金です。
 今回の補正予算案でも、物価高で困難な状況にある事業者や生活者の実情に応じて、重点支援地方交付金が追加され、その推奨支援メニューの中には、学校給食、医療、介護、保育の食事支援、地域に不可欠なバスやタクシー、トラック、LPガス等が明記されていますが、ほかにも、GS、印刷、諸工事、警備やメンテナンス、清掃、収集、シルバー人材センターまで、地域で地方自治体が大きな発注元となっているサービスについては軒並みコストが相当上がっているにもかかわらず、特に、財政力の弱い市町村では、価格引上げには全く応じてもらえず、コストの上昇分の正当な補填支援をどうするか、苦しい業界への支援は絶対に必要でございますし、制度融資の金利引上げ支援等も含めて、金利引下げ支援等も含めて、いずれもこの重点支援地方交付金の対象となり得るものでございます。
 しかるに、今回の重点支援地方交付金の予算額が五千億円で、今年三月に計上された予算額七千億円の約七割にとどまっておりますので、千七百八十八の自治体の長からは、足下、消費が落ち込んでやりたいことが急に増えているのに困ったという切実な声が上がってきておりますが、総理としては、十分な額を御計上したという御理解でよろしいでしょうか。そして、物価高騰対策として計上している予算が、万が一不足した場合には、二兆円の残額がある物価・賃上げ促進予備費の使用も可能という御理解でよろしいでしょうか。全国自治体からの生の声としてお伺いします。
 次は、民間ゼロゼロ融資、二十三兆円の返済本格化を迎えての事業者再生金融支援問題であります。
 コロナで積み上がった過剰債務に物価高と人手不足に追い打ちを掛けられている借り手には、当面、信用保証付借換え融資等でしのいでいただくにしても、いずれはデット・エクイティー・スワップや公庫の資本劣後ローンなどを入れた経営改善計画の付いた債務削減を含むような抜本的な事業再生支援が必要となり、そのためには、金融調査会でも累次にわたって提言してきましたREVICや中小機構のファンドの買取り枠、公庫出資金、民間金融機関の資本強化、政府保証枠、合計三十兆円のセーフティーネットをずっと政府に提唱してまいりまして、手当てもしていただいているところです。
 先般の会計検査院の発表では、公庫のゼロゼロ融資十九兆円の不良債権比率は六%程度とのことで、過去の金融危機に比べればかなり抑えられた水準で、民間ゼロゼロ融資についても、我が党金融調査会で今伺っている状況では恐らくそう違わない状況であり、そうであれば、今あるセーフティーネットの枠内で十分財政上ソフトランディングの路線で乗り切ることができます。そうすれば、日本は、先進国の中で、大手金融機関の破綻もなく、比較的浅い傷でコロナ金融危機を乗り越えたと言えることになりますが、そのためには、この年末、年度末が正念場であります。なぜなら、金融機関が、自らがメインバンクではない先について、足下の消費の弱含み、売上げの数字を見て、リファイナンスに応じないとか融資残高を減らすという傾向を出してきているからです。こういうときこそ、細心の注意をもってプロフェッショナルな金融対応が必要ですが、総理の御方針をお聞かせください。
 次に、困窮子育て世帯への支援に関して伺います。
 先月、参議院自民党の不安に寄り添う政治のあり方勉強会で、困窮子育て世帯に対する速やかな現金給付と、従来は支援がなく、かえって深刻化していると思われる住民税非課税を少し超えるような低所得世帯にも、例えばお子さん一人当たり幾らというような現金支給をと申し入れております。定額減税が六月ということになる以上、低所得者向けに温かみの実感できる額の給付ができるだけ早く届くことはとても重要であり、どのような形で実現していくおつもりなのか、総理の強い御決意をお聞かせください。
 LGBT理解増進法成立時に、我々自民党議員百二名で、全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟を設立したことは総理にも御報告しております。直近の経産省トイレ判決、性同一性障害特例法の生殖不能要件違憲決定以降、全国の女性や女児を持つ父親から、学校のトイレやプールの更衣室、公衆浴場や、ホテル、旅館の大浴場等を、従来、生物学的な区分ないし外部から分かる身体的特徴で男女区分を判断されてきたものが、御本人の性自認のみで立ち入れるようになる危険性があるのではないかという非常に強い不安の声が押し寄せています。
 実際に性自認女性を主張して公衆浴場の女湯に侵入した男性を逮捕された報道が出ていますが、国民は、今捕まえられているから安心などとは全く思っていなくて、LGBT理解増進法の成立や最高裁の判決等を見て、今後違憲状態を解消していく上で、これからも逮捕できるのか、注意した側がかえって差別だと訴えられないかというような心配をしておられるわけで、事業者からは、不安、苦情、そして営業権への侵害という声も上がっております。あくまでも、性同一性障害で医学的に治療を要する方についての戸籍上の性別の問題とされており、補足意見でも、合憲の状態にする上で生殖不能要件規定の削除にとどめるのか、それに代わる要件を設ける等とするかは完全に立法府の裁量権に委ねられていると明記しているところです。国民の不安を取り除くため、立法府と執行する行政に課せられている責任は非常に重いです。
 LGBT理解増進法十二条には、全ての国民が安心して生活できることとなるような観点から、政府に指針の策定が求められています。私たちの議連も、必要なら女性専用スペースを守る議員立法も考えるべきとの方針も含めた声明を既に出しております。
 日本全国の六千四百万人の女性たちの安心と安全、言わば究極生存権を現状より一ミリたりとも危うくすることがないように、岸田総理の基本的なお考えをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121215254X00620231120_009

発言者: 片山さつき

speaker_id: 22778

日付: 2023-11-20

院: 参議院

会議名: 本会議