里見隆治の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○里見隆治君 公明党の里見隆治です。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました財政演説について、岸田総理に質問いたします。
まず、今回の令和五年度補正予算は、全体として、物価高により大変厳しい状況にある生活者、中小企業への支援の充実を図るとともに、賃上げ実現に向けた供給力の強化により、我が国経済をデフレから完全脱却させ、新たなステージへと引き上げようとする内容となっており、一日も早く成立をさせ、一刻も早く国民の皆様にお届けすべきものと考えます。
しかし、国民の皆様には、補正予算による物価高対策に期待感を持つ一方で、この十三・二兆円規模の補正予算において歳入の多くを公債金に依存することとなり、具体的には、公債金が合計八・九兆円、うち特例公債、いわゆる赤字公債が六・四兆円となっていることに、所詮は将来の国民負担の増加につながってしまうだけではないか、また、金融市場において国債が安定的に消費されるのかといった懸念の声があるのも事実です。
今回の総合経済対策による低所得者への給付や自治体への重点支援地方交付金の効果を強調する前に、まずは国民の皆様のこうした懸念に対して総理が分かりやすくメッセージを発信いただくことが大変重要だと思いますが、いかがでしょうか。
今回の補正予算で一刻も早く実施すべきは、物価高により厳しい状況にある低所得者への支援です。
住民税非課税世帯対象の一世帯七万円の給付については、既にこの夏の三万円の支給実績がありますので、年内にも速やかに支給できるよう自治体との調整を早急に進めるべきと考えます。
同時に、これら一世帯当たり合計十万円の給付と一人当たり四万円の定額減税とのはざまにある方々、例えば低所得者の子育て世代や住民税均等割のみの課税世帯への支援措置については、十二月までの税制改正と並行して速やかに制度設計を行い、年度内にも給付を始められるよう、自治体とも前倒しで準備を進めるべきと考えます。
公明党もネットワークを生かし、既に全国の地方議員とオンラインで結び、協議を開始、これらの給付や重点支援地方交付金などの早期執行に向けて準備を進めております。
制度設計を緻密にし過ぎて給付が遅れたということがないように、低所得者への給付という性格から迅速性を最優先して進めるべきと考えますが、総理の御見解をお伺いします。
これらの低所得者への給付をより迅速に行うために、先日、総務委員会で公明党議員が指摘をしておりますが、これまでマイナンバーカードの普及とともに強く推進をしてきた公金受取口座を積極的に活用することが重要と考えます。
既に、公金受取口座登録件数は六千二百万件を超え、公金受取口座を使用して給付金等を支給した自治体は十月末時点で全国千七百八十八の自治体のうち千三百二十四に達しており、今回の給付でも積極的に活用すべきと考えますが、総理の御見解を伺います。
物価高に負けない持続的な賃金を実現していくには、特に賃上げが困難な中小企業が賃金の原資を稼げるように価格転嫁しやすい環境づくりが不可欠です。
これまでも、岸田総理、西村経済産業大臣は、賃上げ、適正な価格転嫁、取引環境の改善を経済界トップに働きかけ、発注者の立場で自社の取引方針を宣言するパートナーシップ構築宣言を拡大、推進してきました。
しかし、中小企業からは、むしろ国や地方自治体が発注する庁舎管理や給食サービスなどの公共調達においても、契約後の急激なコスト上昇に応じた十分な契約金額の見直しが認められないといった声も聞こえてきます。国や自治体もそのための財源を確保しなければ、単価は上がるが事業の総量が減るという事態になりかねません。
〔議長退席、副議長着席〕
公明党としても、中小企業等の賃上げ応援トータルプランの中で国や地方自治体の官公需における適正な転嫁の確保を提言してきました。まず隗より始めよであります。
西村経済産業大臣には、先日の経済産業委員会で、官公需法を所管している中小企業庁が中心となって適正な価格転嫁を進めていくとの決意を表明いただきました。
その上で、国や自治体の調達活動や各事業を所管する全ての大臣自らパートナーシップ構築宣言を行い、適正な価格転嫁、取引適正化を進めていただきたいと強く念願をしておりますが、内閣総理大臣としての御所見、御決意を伺います。
まさに政府としてのパートナーシップ構築宣言をお願い申し上げます。
今回の補正予算には、包摂社会の実現に向けて、子供や高齢者にも配慮した対策が盛り込まれています。
先月、文部科学省により、病気などの理由以外で三十日以上欠席という不登校の小中学生が約二十九万人と過去最多と発表されました。しかも、その四割の約十一万四千人は、学校内外において相談支援につながっていません。看過できない事態であり、対策強化は待ったなしです。
誰一人取り残されない教育を目指し、公明党として、支援につながるための情報発信やアウトリーチの強化、一人一台端末への相談アプリの導入など、SOSを発信しやすい相談体制の構築、不登校の要因のより丁寧な分析などの対応を訴えてまいりました。
特に、不登校の要因のより丁寧な分析は、公明党の議員が予算委員会で訴えたとおり、今後の対策を打つための重要な鍵となりますが、文部科学省の調査によりますと、不登校の要因を本人の無気力、不安と教員が捉えているのが五一・八%にも及んでいます。
しかし、大事なのは、なぜその子供たちが無気力、不安になったかという原因です。本当は健康状態や障害が理由だったのに、無気力、怠けていると捉えられていたらどうでしょう。今後の対応を考えていく上で、不登校の理由を正確に把握するため調査を早急に見直し、不登校の対策の具体化、充実を図るべきと考えますが、総理の御見解を伺います。
公明党として認知症施策推進本部を六年前に設置して推進してきた念願の認知症基本法が、各会派の皆様と超党派で提出され、本年六月に成立いたしました。
先日の衆議院本会議における公明党の代表質問で、今後の施策推進について質問したところ、総理より、都道府県などに対する計画の策定支援など総合的に施策を推進すると御答弁いただき、現に補正予算案において自治体の計画策定支援事業が盛り込まれました。
その実施に当たっては、特に、各自治体において認知症の人や家族の意見を丁寧に聞き、意見や、計画作り、施策に反映、そして改めて当事者に評価してもらうような体制づくりを国として全面的に支援すべきと考えますが、総理の御見解を伺います。
最後に、日中関係について伺います。
本年は、日中平和友好条約締結四十五周年に当たります。
この節目に際して、今回、岸田総理と中国の習近平国家主席との間で一年ぶりの首脳会談が実現したことは大変意義深いと感じます。
特に、日中間では、足下で、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出の安全性、日本産水産物の輸入停止措置の撤廃など、様々な懸案について中国に正しい理解を求める必要が生じていたため、将来に向けて建設的で安定的な関係を構築するために重要な機会となったと考えます。
折しも、明後日二十二日より公明党の山口代表が訪中する予定であり、行政とは異なる政党レベルでの中国との対話を進めることにより、日中関係を更に広げ、深めることが期待されています。
今回の日中首脳会談の成果をどのように評価をされているか、また、今後の日中関係の構築にどう結び付けていくのか、総理に御見解を伺います。
公明党は、大衆とともにとの立党精神を変わらぬ原点として、これからも現場第一主義に徹し、小さな声に耳を傾け、真に必要な政策実現に全力を挙げていくことをお誓いし、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕